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        <title>HDC ビジネス・レビュー</title>
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        <description></description>
        <language>en</language>
        <copyright>Copyright 2010</copyright>
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            <title>『エコ』ブランド戦略は本物か？（後編）</title>
            <description><![CDATA[<p>日本人の89%が、車を買い替えるなら「高級車よりハイブリッド車を選ぶ」と回答しています（※１）。<br />
一方、「価格がやや高くても社会に貢献するブランドを選択したことがある」は世界10カ国では61％でしたが、日本では44％にとどまっています。 国内で『エコ』ブランディングを行うには、エコロジーだけでなくエコノミーの要素が必要であることが分かります。</p>

<p>今回は『エコ』ブランディングのエコノミーについて考えたいと思います。</p>

<p><br />
前回、『エコ』ブランド戦略のブームはメガトレンドであり、インターネットブーム同様に避けることの出来ない流れであるとお話ししました。地球環境のために技術を駆使する時代の到来であり、米国においてはこれをさらなる経済発展の機会と捉えています。したがって、どのような会社でも、今後は少なからず『エコ』の考え方で自社ブランドを調整する必要が出て来ます。</p>

<p>国内の『エコ』ブランディングは、大きく分けて３種類の方法で取り組まれています。</p>

<p>１）『エコ』＝CO2削減のブランディング<br />
前回ご紹介したペットボトル重量の削減など、『CO2削減＋エコロジー』のブランディングです。この方法は、日本政府がコミットしているCO2削減目標に最も関連性がある大規模なエネルギーを使う企業が選択します。つまり、CO2削減が『エコ』ブームの中枢テーマですが、大規模なエネルギー消費企業以外にはブランディングの根拠が見つけにくいテーマでもあります。<br />
一方、先日、政府によるCO2削減方針が明らかになり、国内枠15%＋海外買取枠10%となるようなので、この国内枠には何らかの規制や補助金による需要が、政府の力で創出される予定です。エコカー補助金等はその代表例です。大企業はこの国策に沿う形で『エコ』ブランディングを行っています。</p>

<p>２）『エコ』＝エコノミーのブランディング<br />
国内市況は価格志向が強くなっており、高価格帯商品が敬遠される一方で、低価格対象品が飛ぶように売れています。『エコ』が地球環境に必要と分かっていても、現在の消費マインドでは、低価格が優先される状況です。したがって、『エコ』だけのブランディングでは、消費を活気するだけの力がなく、何らかの低価格戦略も同時に行う必要があり、それが『エコノミー＋エコロジー』のブランディングです。<br />
さらに、『エコノミー＋エコロジー』のブランディングは、本来のブランドを傷つけずに低価格戦略を仕掛けることが可能です。例えば、ホンダのインサイトは26km/lのハイブリッド・エコカーですが、従来のホンダ車やライバルのエコカーと比較しても189万円という価格は非常に手頃であり、事実上の低価格戦略です。しかし、単に値引きした商品の印象と違い、あくまで『エコ』を広げるための社会貢献活動の一環に見えるのは、まさに『エコノミー＋エコロジー』ブランディングの良さであると言えます。<br />
現在、国内で最も有効な『エコ』ブランディングは、この『エコノミー＋エコロジー』でしょう。</p>

<p>３）『エコ』＝CSRのブランディング<br />
CO2削減でも、エコノミーでもない、『エコ』ブランディングは、大多数がCSR的なアプローチであり、企業イメージの向上がその目的になります。「自然とともに生きる」や「環境に配慮しています」というブランディングは、地球環境を守る活動として素晴らしく、多くの企業がこのようなビジョンを持つべきですが、もし売上の数字面で何かしらの期待を抱いているのであれば、直接成果が出る方法ではないと言えます。<br />
なぜなら、先の調査結果が示す通り、現在の消費マインド下では、同価格帯の商品間の比較では『エコ』が評価されても、価格差がある場合は低い方が選ばれる確立が高いからです。また、今後多くの企業が『エコ』活動を進め一般化すると、『エコ』ブランディング自体がコモディティ化し、差別化要素にならなくなります。この場合、『エコ＋何か』でブランディングをする必要があり、この『何か』はその企業本来のアイデンティティに求めることになります。</p>

<p>このように、『エコ』ブランディングで成果を出すには、CO2削減で国策に沿うか、エコノミーで消費マインドに乗るか、どちらかが必要であると言えます。<br />
一方、上記に当てはまらないCSR的な『エコ』の場合、競争面での行き着く先は、結局、その企業本来のブランド・アイデンティティです。したがって、インターネットブームの時は『IT』ブランディングをし、地球環境を守る風が吹けば『エコ』ブランディングをしたのでは、流行に振り回されているだけになります。流行を上手に利用する立場になるには、まず、自社のブランド・アイデンティティを明確にし、『エコ＋自社ブランド』というブランディングが望ましいと言えます。</p>

<p><br />
（※１）2009年エデルマン・ジャパン調査</p>]]></description>
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            <pubDate>Wed, 10 Feb 2010 11:22:36 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>『エコ』ブランド戦略は本物か？</title>
            <description><![CDATA[<p>「いろはす」という天然水が売れています。<br />
日本コカコーラによると、発売後わずか183日で2億本（520ml PET）を突破。これは同社のカテゴリー史上、最速の売れ行きを記録しています。好調の理由は、『エコ』というブランド戦略。業界最軽量のペットボトルはCO2削減に寄与し、コモディティ化した天然水市場で購買を誘う新たな差別化方法です。しかも、低成長時代に合わせて価格も『エコ（Economy）』。<br />
この『エコ』ブーム、様々な業界で取り組まれていますが、いつまで続くのか気になるところです。</p>

<p>今回は、今後の世界経済の行く末を見ながら、『エコ』ブランド戦略は本物なのか、考えたいと思います。</p>

<p><br />
まず、昨今の『エコ』ブランド戦略には、エコロジー（環境保護）という面と、エコノミー（経済的）という面があります。<br />
従来のエコロジーブームは、「地球環境に良いことは多少高くても支払おう」という、消費者の自己犠牲的な精神を求めるものでした。つまり、エコロジー分を商品価格に転嫁していたのです。しかし、世界的な不況の中、地球環境も大事ですが、消費者は自身のお財布の中身にも敏感になりました。そこで、これまで『環境活動＝高価格』を改め、『環境活動＝しかも低価格』という価値を作り、このダブル・バリューなコンセプトが現在の『エコ』ブランド戦略の成功要因であると考えられます。</p>

<p>『エコ』ブランド戦略には、エコロジーとエコノミーという側面があるとお話ししましたが、今回は『エコロジー』というキーワードについて、今後の世界の流れを考えてみたいと思います。<br />
結論から言いますと、『エコロジー』は明らかに今後10年続くグローバル・トレンドであり、これからのブランド戦略に欠くことの出来ないキーワードです。</p>

<p>『エコ』ブームは、アメリカの政権交代によって誕生したオバマ米大統領が就任演説をした時、その確実的な本格的拡大が確認されました。リーマンショックを境に大金融時代の終焉を迎えた米国は、新しい経済活動の舞台として『新エネルギー戦略』を打ち立てました。それは、政情不安定な中東や中南米といった産油国の石油に依存しないエネルギー、つまり風力や太陽光といった環境エネルギーを主軸とした活路です。<br />
そこに、「不都合な真実」でノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア元アメリカ副大統領が提唱する「地球温暖化を止めるにはCO2削減が不可欠」という理論が重なり、京都議定書の批准や排出権取引の拡大など、世界はCO2削減に向けた機運が一気に高まっており、これが世界的な『エコ』ブームの根源になっています。<br />
したがって、今や『エコ』の定義とは、CO2削減なのです。</p>

<p>さて、アル・ゴア氏といえば、1990年代の副大統領の時には『情報スーパーハイウェイ構想』を推進し、この政策もあって米国を始め世界のインターネットの発展は大いに促進された歴史があります。トレンド・メーカーである同氏が、今回は地球温暖化防止をテーマに掲げているということもあり、かつてのインターネットと同様に、『エコ』ビジネスは爆発的な市場成長が期待されています。経済界のトップの間では、「環境ビジネス市場はITビジネス市場を遥かに超える規模」と評価されています。</p>

<p>アメリカは現在のところ京都議定書から離脱していますが、オバマ政権誕生を機に再び参加するのではとの観測が伝わっています。仮に、京都議定書で定めた通り世界が本格的にCO2削減に進むと、各国で法改正が行われ、企業にCO2削減目標を課す時代が到来します。すでに欧州では一定以上のエネルギーを使う企業には排出枠を義務づけており、アメリカが参入することで世界の排出権取引は、世界金融と同等の地位に上り詰めると予想されています。<br />
現在、日本では企業のCO2削減は義務化されておらず、CSRとしての自主的な活動として位置づけられていますが、オバマ政権時代に先の『新エネルギー戦略』が具体化することは確実であり、企業は否が応でもCO2削減に取り組まなくてはならない日がやって来るのです。</p>

<p>一方、地球温暖化の原因は本当にCO2なのか、という議論が科学者の間でなお行われています。しかし、世界経済はCO2削減に向けた企業の新たな取り組みを、次の成長テーマとしようとする機運が高まっており、「エコ＝CO2削減」を覆そうにも、もはや後戻りできないほど政治的な下地が整っています。</p>

<p>したがって、ブランド戦略の視点から考えると、このCO2削減運動が続く限り、『エコ』ブームは続くと考えられます。そして、この流れを察知し、いち早くブランド戦略に組み込んだ企業ほど、大きなリターンを手する確立が高まります。なぜなら、かつてのITブーム初期に、IBMはライバルに先行して「eビジネス」キャンペーンを全世界で展開し、同社のブランド力を飛躍的に向上させました。しかし、全ての企業がITを導入した現在、もはや『IT』は差別化キーワードではなく、コモディティとなりました。これを念頭に置くと、『エコ』ブランド戦略の勝負は、本格化が確認されている現在から、将来各国の法改正でCO2削減が決まるまでが主戦場と考えられます。</p>

<p>先の「いろはす」の業界最軽量ボトルも、法律によって企業が本格的にCO2削減を義務づけられると、全清涼飲料に取り入れる必要があり、もはや「業界最軽量ボトル」は差別化要素になりません。『エコ』をブランド戦略に使うのであれば、今がチャンスであると言えます。</p>

<p>次回は、『エコ』ブランド戦略のもう一つの側面、エコノミーについて考えたいと思います。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review55.html</link>
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            <pubDate>Tue, 08 Dec 2009 15:11:19 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>モチベーション向上戦略</title>
            <description><![CDATA[<p> 先月、米グーグルは、中国法人社長で米本社の副社長も務める李開復氏が９月半ばに退社すると発表しました。<br />
彼は、マイクロソフトから移籍し、グーグルの中国進出を率いた有力幹部のひとりです。彼が辞めた経緯は誰も知りません。が、苦労して獲得したグーグルにとっては考え深い結果でしょう。</p>

<p>厳しい時代や経営局面で、社内の士気を上げるにはどうすべきか。<br />
今回は、モチベーションについて考えたいと思います。</p>

<p><br />
モチベーションは、会社の業績が良ければ、自然と上がるものです。<br />
コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーによると、良い人材ほど働く動機は以下のに３つに集約されています。</p>

<p>１）刺激的でやりがいのある任務につきたい<br />
２）一流の企業で働きたい<br />
３）富を手に入れたい</p>

<p>つまり、会社の将来に希望がなければ、『やりがい』も『富』も手に入りません。つまり、モチベーションは自ずと低下することになります。特に、実力主義や成功報酬を重んじる新しいプロジェクトや企業ほど、この症状は顕著に出ます。</p>

<p>さらに、企業経営のジレンマは、社内の士気が低い状況が続くと、業績も伸びて行かないことです。<br />
良い会社は業績がどんどん良くなり、悪い会社はどんどん悪くなる現象を、ニュースを通して目撃した人は多いと思います。これは、モチベーションと業績が表裏一体の関係にあることを示しています。</p>

<p>さて、どうしたらこのジレンマを克服できるでしょうか。<br />
『リーダーのブランド力』という観点から、以下のような課題と解決が鍵になります。</p>

<p>１）設定している目標が高すぎる<br />
リーダーは、大きな目標を掲げたいものです。<br />
しかし、マラソンの未経験者が、最初の目標を42.195kmを走るフルマラソンに設定した場合、大部分の人が挫折するでしょう。最初はまず3km走り、次は5km、10kmと、小さな成功と自信を積み重ねるステップが必要です。<br />
ビジネスにおいても同じように、高い目標設定で当初は社員のやる気が高揚しても、到達のプロセスで挫折者が増え、結果、社内のモチベーションが低下することがあります。一般的な社員は、リーダーほど大きな目標に貪欲ではありません。したがって、リーダーはまず、社員の気持ちを察しながら、達成可能な目標設定を通してモチベーションを高めて行く配慮が必要です。</p>

<p>２）何のための仕事かわからなくなる<br />
「自分が何のために働いているかわからない」<br />
社員のこういう言葉に対し、ナイーブ過ぎると感じるリーダーもいるでしょう。しかし、自身の夢を追うリーダーと、それについて行く社員では、天地ほどの温度差があるものです。その温度差を埋めるには、リーダーは「自分たちがいかに偉大な挑戦をしているか」「ゴールの先にどのような素晴らしい世界が待ち受けているか」絶えず社内に語り続ける必要があります。つまり、働く意味を社員と常に共有することです。そのためには、リーダーは立場の階段を少し降りて、社員の気持ちに向かい合う姿勢が重要です。</p>

<p>３）リーダーは率先して業績を体現する<br />
苦境に陥ったアップルに、スティーブ・ジョブス氏がCEOとして復帰した時、彼の年俸は１ドルでした。ジョブス氏が報酬を得るには、業績改善による株価上昇で、ストックオプションを換金する以外方法はありません。まさに、背水の陣であり、ジョブス氏はその時の経営状態を体現し、社員全員の目を覚まさせることになります。<br />
このように、リーダーは率先して業績を体現する必要があります。業績が悪い中、高額な報酬や待遇にしがみつくリーダーは、近年、米国の自動車産業や金融機関で見られるように批判の的になります。<br />
逆に、業績が良い会社のリーダーが、あまりに質素なのも問題です。社員にとってリーダーは、言わば戦国時代の『大将』なわけですから、自分たちの大将が大将らしくなければ、夢も希望もありません。<br />
このように、業績が良くても悪くても、リーダーが率先して業績を体現すれば、その会社のモチベーションは常に保たれることになります。</p>

<p>このように見ますと、モチベーション向上においてのリーダーの役割（=リーダーのブランド力）は非常に大きく、『希望』と『自信』を社内で共有することが、引いては業績にも大きな影響を与えることが分かるでしょう。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review54.html</link>
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            <pubDate>Mon, 26 Oct 2009 18:15:54 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>リピート数増加対策の実践</title>
            <description><![CDATA[<p>リピートを増やすには、ファンが必要です。<br />
そして、ファンを作るには、ブランドとしての独自の世界観が不可欠です。<br />
MUJIはミニマリズムの世界観を、ヴァージンは革新の世界観を、ハードロックカフェはロック人生の世界観を、アップルは先端ライフスタイルの世界観を、ディズニーは永遠の夢の世界観を。人々は、自分に合った、それぞれの世界観に魅了され、それぞれのブランドを信奉し、ファンとなりリピートします。いわば、世界観なくしてはブランドとは言えず、ファンなくしてはリピートも存在しないのです。</p>

<p>リピートを生み出すことは、ブランドを作ることでもあります。<br />
今回は、売上向上戦略の３つ目のパラメータである「リピート数増加の対策」について、考えたいと思います。</p>

<p><br />
ブランドが成功している会社で、ビジネスが成功していない会社はありません。<br />
一方、ブランドが今ひとつな会社で、ビジネスも今ひとつな会社は、数多く存在します。<br />
この理由は、ブランドがファンを生み出し、ファンがリピート購入し、最終的に、その会社の継続的な売上成長に貢献するからに他なりません。したがって、会社の運営上リピート顧客は不可欠ですから、いかなる会社においても、ブランド創りから目を背けることはできないのです。</p>

<div style="width:428px;margin:0 auto;"><img src="./img/img_chart51.jpg" width="428" height="251"></div>

<p>絶え間ないリピート客を得るには、彼らが再び足を運ぶだけの世界観が必要です。<br />
顧客は、単に、商品を買いに来るだけでなく、その企業の、その商品の世界観を味わいに来るのです。<br />
ディズニーランドは、入った瞬間に、ファンタジーの世界です。そこには、日頃目にする隣の建物や道路がありません。USJは、園外を走る車や電車が見えるのに対し、ディズニーの世界ではマンホールのマークまでがミッキー仕様です。徹底した世界観へのこだわりが、強力な集客力となり、引いては業績として差がついてきます。「そこまでこだわらなくても・・・」という妥協は、顧客に簡単に見抜かれ、飽きられてしまいます。むしろ、「ここまでこだわる必要があるのか？」と、顧客が驚愕するほど、彼らの期待を越える熱意が必要です。</p>

<p>ブランドとは、よく、ロゴやシンボルマークだと考える場面がありますが、本質はミッキーやリンゴのマークが問題ではありません。仮に、ディズニーがリンゴマークで、アップルがミッキーを使っても、両者のブランドは存在し続けるでしょう。また、ヴァージンのロゴは、創業者リチャード・ブランソンが、友人とノリで書いたサインです。つまり、マークは、そのブランドを示す一つの印に過ぎず、人々が魅了されるのは、その会社が創り上げた世界観なのです。そして、最も多くのリピート客を得ている企業ほど、隙がなく、完璧な世界観を持っています。</p>

<p>リピート客を増やすには、企業の世界観が重要であると分かりました。<br />
では、世界観は、どのようにして形成させて行けば良いのでしょうか。<br />
まず、歴史ある会社でも、若い会社でも、これまでやってきた事や目の前に広がる事業が、目指すべき世界観ではありません。<br />
世界観とは、これから会社が実現させようとする未来の世界。いわば、『理想郷』です。</p>

<p>ユニクロを率いる柳井氏は、「高いお金を払わなくてもファッションを楽しめる世界」を理想郷とした。<br />
ヴァージンのリチャード・ブランソン氏は、「既得権益の世界を壊し、顧客視点の世界」を理想郷とした。<br />
アップルのスティーブ・ジョブズ氏は、「テクノロジーとパーソナルが融合する世界」を理想郷とした。</p>

<p>顧客は、その理想郷に魅せられ、共感し、一緒に追い求めたいと強く願うものです。彼らは、さながら、信者のような存在です。<br />
事実、形のないものを創り上げるブランド戦略は、宗教に非常に近いと言われています。リチャード・ブランソン氏は、官僚的な既存の世界に飽き飽きした大衆のヒーローであり、ディズニーランドはディズニーファンにとっての参拝の場所とも取れます。<br />
また、理想郷は、人々を純粋な気持ちにさせ、幸せを約束する存在でなければなりません。会社に都合の良い理想郷では、顧客がリピートすることはないでしょう。したがって、理想郷は、顧客や社会にとって必ず「善」となる、大きな視点が必要です。</p>

<p>さて、理想郷を唱える役は、経営トップを除いて他にいません。<br />
お客様第一、従業員が主役、が日頃の掛け声あっても、並ならぬ熱意とこだわりを持って理想郷を目指すには、強いリーダーシップが必要だからです。多少、社員の意見を聞き、外部のコンサルタントに手を借りても、最終的には社長自身が理想郷を描き、弁を振るう使命があります。むしろ、周りの人間は、社長が描いた理想郷を日々少しずつ現実にしていくことを通して、会社が一丸となってブランド形成をして行くことが可能です。</p>

<p><br />
さて、今回で、売上向上戦略のお話しが完結しました。<br />
売上が足りない状況には、理由があります。売上に至までのプロセスを改善することが大切です。</p>

<p>顧客数が伸びない＝コニュニケーションの活性化。キーワードは、『顧客接点』です。<br />
顧客単価に悩む＝プレミアムの創出。キーワードは、『価値創造』です。<br />
リピートしない＝世界観を創る。キーワードは、『理想郷』です。</p>

<p>顧客接点、価値創造、理想郷。これらをテコ入れして、何も変わらないはずがありません。後は、実行力の問題です。この３点を上手に表現し、顧客に見える形に置き換えることができれば、売上とブランド力ともに、伸びることでしょう。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review53.html</link>
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            <pubDate>Thu, 23 Jul 2009 19:46:28 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>顧客単価増加対策の実践</title>
            <description><![CDATA[<p>ユニクロが、過去最高益を更新しています。<br />
ユニクロを展開するファーストリテイリングは、２００９年８月期連結決算見通しを上方修正し、売上高が前期比１６・３％増、営業利益は２３・４％増と、独り勝ちの様相を強めています。その快進撃の主な要因の一つに、新規戦略である、女性向け専門店の好調があります。<br />
家族で着れるベーシックなラインを軸に展開して来たユニクロ。しかし、ここに来て一転し、流行やデザインに焦点を当てた、新たな価値創造戦略が見えて来ました。ユニクロは、もはや、安さを最大の売りとするブランドではなくなろうとしています。</p>

<p>今回は、売上に必要な3つのパラメータの1つである「プレミアム」について考えたいと思います。</p>

<p><br />
ユニクロは、女性用商品の強化策として、２０代前半の女性をターゲットにした「ガールズコレクション」を展開しています。<br />
今年前半にオープンした、初のガールズコンセプトショップ「ユニクロ 新宿マルイカレン店」。さらに、昨年に引き続き、今年も東京ガールズコレクション（TGC）に参加し、若い女性の心を掴む戦略を次々と実行しています。今後２、３年以内に、女性向けラインの比率を現在の４０％強から６０％に高めることを目指すなど、会社をあげて、商品プレミアムの向上、引いては、ブランド価値の創造に取り組んでいます。</p>

<div style="width:428px;margin:0 auto;"><img src="./img/img_chart51.jpg" width="428" height="251"></div>

<p>２）顧客単価増加の対策＝プレミアムの創造</p>

<p>さて、プレミアムを創造することは、顧客単価に直接影響します。<br />
売上の方程式が、</p>

<p>売上　＝　顧客数　×　顧客単価　×　リピート数</p>

<p>であるため、顧客単価を伸ばすことは、売上を伸ばすことにつながります。<br />
海外化粧品や欧米のファッションブランドが高額にも関わらず、買う人が大勢存在した時代も、このプレミアムの創造が巧みになされているからに他なりません。</p>

<p>しかし、昨年来の不況で、世界的に消費者の意識が変わってしまいました。<br />
高級ファッションブランドになかなか復調の兆しが見えない状況が示す通り、単に顧客単価を高めれば良いという戦略は、今後は通用しなくなっています。では、これからはどのようにプレミアムを創造して行けば良いのでしょうか？<br />
その答えは、先のユニクロの新戦略にあります。<br />
機能性、デザイン性を高めることで、商品自体のプレミアムを上げ、一方、価格はリーズナブルに設定する。つまり、『プレミアムの創造＋戦略的価格設定』戦略。簡単に言えば、「お得感」がある商品作りです。</p>

<div style="width:428px;margin:0 auto;"><img src="./img/img_chart52.jpg" width="428" height="90"></div>

<p>まず、プレミアムを創造するには、高い金額で売られている他の市場に目を付けます。<br />
例えば、飲料用の天然水はボトル100円台で売られていますが、もし、化粧水として売るならば、数千円台の値段で売ることになるでしょう。このように、基本的な原料が同じにも関わらず、市場を越えると、全く別の価値観で取引されている市場に注目します。<br />
先のユニクロが、ガールズコレクション市場に参入する理由も、従来のユニクロの商品に応用を加えることで、基本的な原料は同じまま、全く別の価値観の商品が提供できるからです。そして、そのガールズコレクション市場が、従来のユニクロの商品よりも高いレートで取引されている市場であれば、価格差はそのまま利幅になります。<br />
しかし、ユニクロは、ここで目先の利幅を得るよりも、むしろ戦略的な価格設定でガールズコレクション市場にユニクロブランドを植え付けることを選択しました。これが、『プレミアムの創造＋戦略的価格設定』戦略です。今後のユニクロの新しいブランド戦略であり、世界的な不況の後の消費者心理の変化を見越した、新しい形の価値創造の手法です。</p>

<p>以前、H&Mをレビューで紹介しましたが、『プレミアムの創造＋戦略的価格設定』の戦略は、H&Mが火付け役と言っても良いでしょう。H&Mは、ライバルのGAPやZARAと比較して、デザイン性が強いブランドであり、シャネルのデザイナーであるカール・ラガーフェルドや、ステラ・マッカートニーを起用したラインが話題になりました。したがって、H&Mは、高級ファッションブランドという、別の価値観で取引されている市場を意識しながらも、価格はリーズナブルに設定することで、プレミアムを創造しているのです。</p>

<p>たとえ、再び、世界の景気が元に戻ったとしても、消費者心理の変化は避けられません。<br />
今後は、「良い物だから高くても仕方がない」という商品はバブルでない限り売れません。むしろ、「良い物が手頃な価格で買える」商品に、人々の関心が集まるでしょう。そして、一人の顧客が色々な商品をたくさん買うことで、そのブランドの顧客単価は、結果的に上昇するのです。ユニクロの好調は、『プレミアムの創造＋戦略的価格設定』の時代の幕開けを示しています。</p>

<p>次回は、3つのパラメータの最後、「リピート数増加の対策」についてお話ししたいと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review52.html</link>
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            <pubDate>Tue, 14 Jul 2009 15:18:40 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>顧客数増加対策の実践</title>
            <description><![CDATA[<p>売上　＝　顧客数　×　顧客単価　×　リピート数<br />
前回、売上とは、この方程式の『結果』であって、大切なのは右の3つのパラメータを増加させることである、とお話ししました。そして、売上向上戦略は、売上に至る構成要素を細分化し、3つのパラメータの増加対策を通して、売上の継続的成長を目指すことであります。</p>

<p>今回は、１）顧客数増加の対策、２）顧客単価増加の対策、３）リピート数増加の対策の、3種類の対策の中の、「顧客数増加の対策」について詳しく見て行きたいと思います。</p>

<div style="width:428px;margin:0 auto;"><img src="./img/img_chart51.jpg" width="428" height="251"></div>

<p>上図のように、売上とは、3種類の対策によって支えられています。<br />
そして、各対策の実践におけるポイントは、その下にあるように、『コミュニケーション』、『プレミアム』、『ロイヤルティ』を活性化させることです。<br />
今回はコミュニケーションについて考えてみましょう。</p>

<p><br />
１）顧客数増加の対策＝コミュニケーションの活性化</p>

<p>顧客数を増やすには、顧客として可能性のある人や企業と、まず、出会う必要があります。どれほど自社の商品が素晴らしくても、待っているだけでは顧客に出会うことができません。したがって、ターゲット顧客層とのチャネル（接点）を、いかに数多く整備するか、そして、いかに情報発信を活発化するかが重要です。つまり、コミュニケーションの活性化です。</p>

<p>コミュニケーションと言うと、従来は新聞・雑誌・TVなどのPRや広告が思い浮かびましたが、近年のWeb活用手法の多様化により、必ずしも多額の費用をかけて広告を出稿するだけが、コミュニケーションの方法ではなくなりました。実際に、最近の主要広告5媒体（TV、新聞、雑誌、ラジオ、ネット）の動向では、ネットは伸びているものの、他4媒体は毎年前年割れの状況が続いています。明らかに、コミュニケーションの形が、変わろうとしています。</p>

<p>むしろ、広告よりもPRの方が、有効なコミュニケーション方法です。<br />
近頃は、消費者も知恵が付いて来ていますので、広告を簡単に信用しないムードが存在します。広告は所詮、広告主に都合の良い情報を発信するだけと消費者も割り切り、広告と聞いただけで無視を決め込む層も存在します。一方、PRは、記者による客観的な記事ですので、取材される側にとっては必ずしも自社商品を褒め讃えるような書き方はされないものの、ゆえに消費者から高い信用が得られます。つまり、企業はPR活動を上達していくことにより、理想的かつ客観性のある記事を生み出し、消費者の信頼を勝ち取ることが可能になるのです。</p>

<p>PRに手をつける場合、まずは、業界紙や専門誌から始めます。PRは、業界紙、専門誌→雑誌→全国紙→TVの順で伝播していきます。業界紙や専門誌の記者は、常にネタを探しており、記事にしてもらえる確率も高くなります。雑誌記者や全国紙の記者は、ゼロからネタを探すことは稀で、業界紙や専門誌に掲載された記事を参照して、取材依頼をするケースが多くなります。つまり、多忙な全国紙の記者は、他媒体で掲載された記事をネタにすることで、情報の裏を取る作業が省けるわけです。したがって、TVは、全国紙に掲載された最高信用度の記事を参照して、番組で紹介することになります。</p>

<p>さて、PRの終着駅であるTVで紹介されることは、一長一短があります。TVで紹介されると、売上は通常期の３倍から４倍に急上昇しますが、１ヶ月も経つと以前の通常期の売上に戻ります。つまり、TVは、瞬発的な認知度を上げるには最高のコミュニケーション手法であり、イベントの告知などには効果を発揮しますが、継続的に売上を伸ばしたい場合には刺激が強過ぎる性格があります。急激な需要増は、品切れ→生産ラインの増強→ブームの終焉→大量在庫と過剰な設備、を招き、ブランディングの観点からも、認知はじわりじわりと広げた方が、ロイヤルティの高い顧客基盤を作ることができます。</p>

<p>他にも、コミュニケーションとして利用できるチャネルは、世の中に多く存在します。<br />
Webサイトでの情報提供はもちろんのこと、Webで受付けるトライアルキャンペーンや商品サンプルの配布、関連イベントへの参加、関連セミナーでの講演、などは自社ですぐに作り上げられるチャネルであり、自社以外の顧客リストを利用する手法としては、ブランドが似ている異業種とのタイアップ情報発信、技術協力に基づくブランド・コラボレーション商品などがあります。</p>

<p>さらに、ブログのインフルエンサーを集めたイベントの開催、商品イメージモデルの起用など、影響力のある人物を主軸においたチャネル作りも、近年の口コミ重視の社会では非常に有効なコミュニケーション手法となります。</p>

<p>このように、多様なコミュニケーションチャネル作りが、顧客接点を増やし、結果、顧客獲得に結びつく重要な作業です。従来のような莫大な費用をかけて大きな花火を打ち上げる手法は、多種多様なニーズが混在する、日本のような成熟社会では時代遅れになりつつあります。継続的な売上向上を目指すならば、売上を生み出す手法にも継続性が求められる、と言うことです。</p>

<p>次回は、「顧客単価増加の対策」についてお話ししたいと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review51.html</link>
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            <pubDate>Tue, 30 Jun 2009 13:28:34 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>景気回復に向けた売上向上戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>世界経済がようやく浮上しようとしています。<br />
今月13日、G8財務相会合は、世界経済の先行きは依然として不確実性が高いとしながらも、「安定化を示す兆候がある」とする共同声明を採択して閉幕しました。さらに、去る8日に開かれたＯＥＣＤの経済政策委員会では、「２００９年末にかけて景気は底を打ち、１０年初めから回復の動きが出始める」との見方で一致し、24日に行われる閣僚理事会で、「世界経済の回復」に言及できるかが焦点となっています。</p>

<p>世界的な景気回復の波に乗って、いかに業績を伸ばせるか。<br />
今回は、売上向上戦略について考えたいと思います。</p>

<p><br />
売上は、どうしたら伸びるのか？<br />
世界的な不況が落ち着こうとしている、今。この質問は、経営トップから現場の営業マンまで、すべての人が挑もうとしている課題です。<br />
ただ、確かなことは、皆と同じように景気回復を待つだけでは、到底、『戦略』とは言えないということです。戦略として考えるならば、まず、売上が立つ構造を把握するところから始めなければなりません。</p>

<p>売上とは、どのように立つのでしょうか。<br />
売上の構造は、以下の方程式に集約できます。</p>

<p><br />
売上　＝　顧客数　×　顧客単価　×　リピート数</p>

<p><br />
つまり、売上とは方程式の『結果』であって、右の3つのパラメータを増加させることで、最大化できます。<br />
よく、売上を上げることに必死な営業マンは、一過性でも大きな販売額や大口顧客に目を奪われがちですが、このような営業マンの業績は長続きはしません。上の方程式を見て分かる通り、顧客数、顧客単価、リピート数、3つのパラメータを日々向上させることが、結果として安定的な売上成長を実現します。<br />
また、方程式は掛け算であるため、1つでもパラメータに不調があると、思ったように売上が伸びない状況が生じます。したがって、売上向上戦略では、１）顧客数増加の対策、２）顧客単価増加の対策、３）リピート数増加の対策の、3種類の対策を考え、それぞれ同時に実行していくことが重要になります。</p>

<p>１）顧客数増加の対策<br />
顧客数を伸ばすには、まず、顧客と出会う必要があります。つまり、顧客接点を増やす対策です。<br />
顧客接点を増やすには、コミュニケーションの活発化が不可欠です。どれほど素晴らしい商品やサービスであっても、知られなければ、顧客は増えようがありません。この場合のコミュニケーションとは、市場とのコミュニケーション、つまり、広告、イベント、Webサイトなどです。</p>

<p>２）顧客単価増加の対策<br />
顧客単価を増加させるには、プレミアムの創出が必要です。つまり、自社の商品やサービスの価値を上げる対策です。<br />
プレミアムには、2種類の面があります。一つは、演出やクリエイティブ、限定販売、より選った販売場所などを主体とする『見栄え』による価値創造です。もう一つは、品質やプライシング、同業他社製品との比較、顧客サービスなどを主体とする『内容』による価値創造です。</p>

<p>３）リピート数増加の対策<br />
顧客がリピートして買うということは、その商品やサービスを自分の生活に必要なものであると支持し、愛着があると言うことです。平たく言うと、ファンの創出です。顧客満足度が最高潮に達すると、顧客はファン化します。もはや生活の必要品を越え、顧客自身のライフスタイルやアイデンティティの一部となり、自分の信用を担保に新しい顧客に紹介し、顧客数の増加に結びつくという好循環をもたらします。したがって、リピート数を増やすには、いかにして自社商品のファンを増やすのかが対策の柱となります。</p>

<p>このように、売上向上戦略は、売上に至る構成要素を細分化し、3つのパラメータの増加対策を通して、売上の継続的成長を目指します。<br />
現場の最前線では、営業マン一人ひとりの勘や経験に頼る場面が多くあります。しかし、統括的な基本プランにおいては、論理的かつ科学的な視点から取り組むことが重要です。なぜなら、日々の営業で出会う幸運頼みでは、会社として継続的に繰り返すことができないからです。売上とは、ラッキーの産物であってはならないのです。</p>

<p>次回は、それぞれのパラメータについて、もう少し詳しく見て行きたいと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review50.html</link>
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            <pubDate>Thu, 18 Jun 2009 18:03:40 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>チャレンジャー戦略の神髄</title>
            <description><![CDATA[<p>チャレンジャー戦略の神髄は、マーケット・リーダーの弱点を攻めることです。<br />
古今東西における最高の兵法書と言われる『孫子の兵法』。そこには、「実を避けて虚を撃つ」という言葉があります。<br />
相手がどれほど強大でも、必ず手薄の部分があり、つけこむ隙が存在する。そこを攻めることにより、戦いの主導権を握って勝利を収めることができる、という意味です。</p>

<p>チャレンジャー戦略は、まさに、「実を避けて虚を撃つ」戦略です。<br />
今回は、チャレンジャー戦略の構造について考えたいと思います。</p>

<p><br />
マーケット・リーダーとは、多くの場合、業界の最大手企業を指します。<br />
最大手企業は、通常、企業規模が大きく、資金も豊富です。チャレンジャーが、正面からマーケット・リーダーに戦いを挑んだのでは勝ち目がなく、万一勝ったとしても、長期間に渡って多くの犠牲を払い、自社を疲労させる結果となります。したがって、「実を避けて虚を撃つ」という言葉通り、チャレンジャーは、リーダーの手薄な所を見つけ、そこを突破口として市場を押さえに行く必要があります。</p>

<p>では、マーケット・リーダーの『弱点』とは、何でしょうか？<br />
様々な業界の事例研究の結果、業界最大手企業の共通の弱点は、以下であると言えます。</p>

<p>「最大手企業は、多くの場合、『高コスト体質』である」</p>

<p>企業とは、不思議な生き物で、儲かるとその資金を、投資という名目で様々なことに使い始めます。<br />
最新の設備を導入し、先々の需要を見込んで人員を増やし、引いては自社ビルまで建設する。<br />
経済評論家の勝間和代氏は、多くの企業はオーバースペックのために高コスト構造から抜けられなくなっている、と言っています。<br />
「その会社のビルが自社ビルなのか、賃貸なのかは、顧客購買行動にとって一切関係がない」（*1）<br />
業界最大手にまで登り詰めた企業は、必要最低限で事業活動を行うというよりは、むしろ過剰な設備、過剰な人員など、大抵の場合オーバースペックになっていることが多く見られます。</p>

<p>コンピュータ業界の巨人IBMのPCは、デルに比べて高性能かつ高価格であったが、消費者は結果的にデルを好んだ。<br />
自動車業界の巨人GMは、トヨタに比べて、高排気量かつ高馬力であったが、消費者は結果的に低排気量のトヨタを選んだ。<br />
既存の広告業界は、Googleに比べて、遥にグラフィカルで表現力豊かな広告を提供できるが、消費者は結果的にテキスト広告だけのGoogleを選んだ。</p>

<p>こう見ますと、あらゆる業界において、マーケット・リーダーを攻める方法が存在することが想像できるでしょう。<br />
最大手企業は、古い会社ほど、『高コスト体質』です。都心の一等地にオフィスを構え、高額年収の人材を多く抱えています。それらのコストが、商品価格を押し上げていることは明らかです。<br />
そのようなマーケット・リーダーの商品を、すべての人が買いたいと思っていないことも事実です。意外にも、アンチ・マーケット・リーダーの潜在顧客は、多く存在します。つまり、チャレンジャー側のポジショニングを、アンチ・マーケット・リーダーとすることで、マーケット・リーダーを支持しない顧客層を囲い込むことが可能なのです。アンチ・マーケット・リーダーという『ブランド』も、立派な一つのブランドです。</p>

<p>むしろ、競争相手をあからさまにセットすることで、何に投資をすると効果的な差ができ、投資をしても大した差が生まれないものは何か、が浮かび上がって来ます。この過程を繰り返すことで、自社の特長が明確になり、自然と業界内での差別化戦略が実行されます。さらに、マーケット・リーダーに攻め入ることを旗印にすることで、社内の士気を最高潮に上げ、社員ひとり一人のベクトルを同じ方向に向かせる効果もあります。これらのプロセスを経験することが、自社のブランド構築につながることは、言うまでもないでしょう。</p>

<p>最後に、『孫子の兵法』には、もう一つ重要な言葉が書かれています。<br />
「戦う前に有利な条件を作らなければ、決して勝つ事は出来ない」<br />
至って当然のことでしょう。<br />
しかし、それは、誰と戦うのかを決めた時に初めて、有利な条件も見えて来ることなのだと思います。</p>

<p><br />
（*1）参考文献：勝間和代　『勝間式「利益の方程式」』　東洋経済新報社　2008年<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review49.html</link>
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            <pubDate>Fri, 08 May 2009 19:02:58 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>デル社に見る急成長戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>昨年ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマン教授。<br />
先日の会見では、今後のアメリカ経済は、日本の失われた10年よりも厳しいとの認識を示しました。まさに、米型資本主義の崩壊であり、景気回復は長期戦の様相を深めています。仮に、景気が戻っても、消費マインドの変化は避けられそうにありません。<br />
コンピュータメーカーのデル社においても、直近の業績は軟調です。しかし、今回は、ガレージから創業し、今や6兆5,550億円の企業になった急成長の経緯に焦点を当てたいと思います。そこには、デル社が得意とするチャレンジャー戦略があります。</p>

<p>今回は、急成長を生むブランド戦略手法である、チャレンジャー戦略をお話ししたいと思います。</p>

<p><br />
チャレンジャー戦略は、私たちハルグループが最も得意とするブランド戦略です。<br />
その手法は、実にシンプルです。マーケット・リーダーに対してあらゆる面で対抗するポジショニングを取る戦略です。自身が業界リーダーでなく、チャレンジャーであれば、どのような企業でも導入できるブランド戦略です。</p>

<p>ブランド戦略は、最初のポジショニングで全てが決まると言っても、過言ではありません。<br />
例えば、デル社の場合。創業当初から打倒IBMを掲げていました。当時、受注生産と直販型を採用すれば、PCは安く生産・販売できることを発見。にもかかわらず、なぜIBMのPCは、デルの何倍もしながら買われているのか？消費者はおかしいと思わないのか？<br />
このシンプルな疑問の追求がデル社のポジショニングとなり、PC市場に新たなブランドが誕生するきっかけとなりました。当時のマーケット・リーダーであるIBMに対してチャレンジャー戦略を仕掛けたデル社は、ガレージからスタートし、今や6兆5,550億円の売上をあげる企業に急成長することとなったのです。</p>

<p>一方、チャレンジャー戦略を仕掛けられたIBMは、その後、PC事業のさまざまな資産を売却。最後の砦であったThinkPadブランドのレノボ社への売却で、2004年、事実上PC市場から撤退することになったのです。創業以来、20年間に及ぶデル社のチャレンジャー戦略が勝利した瞬間です。</p>

<p>しかし、ストーリーはここで終わりません。<br />
マイケル・デル氏が当初、「うまく行かない」と言っていたレノボ社のThinkPadは、市場予想に反して好調を維持。業界2位のHPも加わり、今度はデル社に対してチャレンジャー戦略を仕掛けることになります。追う側から追われる側へ。自らがリーダーとなった時、IBMが居た頃のチャレンジャー戦略は使えません。生態系は崩れてしまったのです。その結果、2006年にはHPに首位の座を明け渡すことになります。</p>

<p>しかし現在、デル社は、再びサーバ市場で、チャレンジャー戦略を仕掛けています。<br />
先月、IBMがSunの買収に乗り出すと報道されると、CEOのマイケル・デル氏は「むしろデルにとってチャンス」と述べ、かつての打倒IBM魂に火が付いたようです。サーバー市場においても、デル社のチャレンジャー戦略が勝利し、業績が好転する日が来るのかも知れません。</p>

<p>このように、チャレンジャー戦略は、業界内の2番手以降からリーダーに昇るプロセスにおいて、非常に効果を発揮します。また、とても明解なため、社内がまとまりやすく、市場にも理解され易い明確なブランド形成が可能です。<br />
チャレンジャー戦略は、いたるところで見られます。マイクロソフトに対するGoogle、GAPやLimitedに対するユニクロ、ブリティッシュエアウェイズに対するヴァージンアトランティック、ドコモに対するソフトバンク、スーパーや百貨店に対する楽天など。もっと大きな業界で見れば、インターネット広告そのものが、既存の広告業界に対するチャレンジャー戦略であると言えます。</p>

<p>したがって、昨今の不況下において、不調な企業は多数存在しますが、好調な企業には共通点があります。それは、明確に『戦う相手』をセットしているという点です。企業自らが、戦う相手を決定せずにいて、どうして社員たちが上手に戦うことができるでしょうか？どうやって社内の士気をまとめ上げ、一つの方向に進むことができるでしょうか？</p>

<p>このチャレンジャー戦略は、先に述べた通り、自社が業界リーダーでないのであれば、どのような企業でも採用できるブランド戦略です。<br />
次回は、なぜチャレンジャー戦略が効くのか、その構造をもう少し詳しくお話ししたいと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review48.html</link>
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            <pubDate>Fri, 17 Apr 2009 16:34:35 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>マクドナルドの過去最高益更新に学ぶ</title>
            <description><![CDATA[<p>マクドナルドやユニクロが強い。そう聞くと、<br />
「やはり不況時は安売りか・・・」<br />
と、落胆する方もいるでしょう。しかし、好景気と不景気は、長くても3年周期でやってくるもの。その度に行き詰まっていては、本物のビジネスとは言えないでしょう。<br />
安い100円マックが売れるのは納得できます。しかし、メガマックや、ダブルクォーターパウンダーが、低価格路線でないにもかかわらず、売れているのは何故でしょう。</p>

<p>今回は、過去最高益を更新したマクドナルドの戦略について考えたいと思います。</p>

<p><br />
2004年に原田泳幸氏が社長に就任。<br />
以降、マクドナルドの業績を短期間で立て直す戦略が策定されました。低迷した収益の改善だけでなく、極度の安売りで失墜したマクドナルド・ブランドを再生する計画。その試みは見事に成功を収め、2008年は3年連続の過去最高益更新という記録に到達し、2009年も4年連続を狙う計画です。</p>

<p>結論から述べると、この戦略のポイントは、『価格帯の拡大』と、『商品バリエーションの拡大』であると言えます。<br />
従来は、定番メニューをどこよりも安く販売する、いわゆる価格破壊一辺倒の戦略でした。しかし、原田泳幸氏が就任以降は、価格的な魅力だけでなく、価値的な魅力を創出する戦略が取られます。低価格もあれば高価格もあるという『価格ラインアップの充実（価格帯の拡大）』、そして、定番バーガーだけでなく幅広い客層を取り込むための『商品ラインアップの充実（商品バリエーションの拡大）』を行う。これにより、縦軸・横軸ともに、マーケットを大きくカバーする戦略です。</p>

<p>2005年に投入された「えびフィレオ」のヒットを皮切りに、健康志向の女性や子供を呼び込むための「ガーデンサラダ」などのメニューを開発。一方で、2006年には、100円バーガーの種類を広げ、価格に敏感な学生層の顧客にも対応しました。さらに、2007年のメガマック戦略、2008年のクォーターパウンダー戦略は、健康志向、価格志向とは相反する、カロリー志向の働く男性層の獲得に成功します。<br />
価格ラインアップは、100円のハンバーガーから、800円前後のダブル・クォーターパウンダー・チーズ・セットまで、およそ8倍の幅があり、カロリーでは、サイドサラダの10kcalから、先のセットで1400kcalのラインアップになります。</p>

<p>こう見ますと、定番メニューを軸に戦っていた過去と比較して、価格力、商品力ともに、現在の戦略の方が遥に柔軟性に富んでいることが分かります。メニューに対するターゲット・セグメントが明確になり、商品の採算性や売れ行きの管理が容易になったことは間違いありません。<br />
通常、ブランディングを行う過程で、複数のターゲットを同時に囲い込むことは不可能とされている中、マクドナルドの戦略は、メイン顧客層はあくまでも家族連れや子供とし、その周辺ターゲットを囲うことで、顧客層の幅を広げているのです。</p>

<p>たとえば、家族でマクドナルドに行った時を想像してみましょう。子供達はハッピーセットを注文し、お母さんは健康志向のヘルシーメニューを、お父さんはクォーターパウンダーに挑戦と、家族それぞれの個人的志向に合わせて楽しめる情景が思い浮かびます。しかも、価格は経済的なのです。<br />
さて、この構図。ユニクロの戦略に非常に良く似ていると思いませんか？ユニクロも、家族全員で着られるように、サイズと色、デザインが豊富にある上、ヒートテックのような健康に配慮した高機能素材にも力を入れています。</p>

<p>不況の時代、価格が安いことは重要な競争力です。<br />
しかし、不況になってから定番商品の安売りを始めたのでは、いつかマクドナルドが苦労したブランドの失墜につながりかねません。では、どうすれば良いか。今回のマクドナルドの事例は、いくつかのヒントを与えています。価格帯の柔軟性、個の時代にふさわしい商品ラインアップの充実、そして健康・家族といったメガトレンドを押さえることです。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review47.html</link>
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            <pubDate>Wed, 18 Mar 2009 11:27:34 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>サントリーの過去最高益更新に学ぶ</title>
            <description><![CDATA[<p>史上空前の世界同時不況。<br />
大企業が1000億単位の赤字に陥り、かつてない大幅な生産調整を強いられています。飛ぶ鳥を落とす勢いだった高級ブランド企業も、一転して、従来の戦略を見直す事態に発展しています。<br />
しかし、100年に一度の大不況と言われる時代でも、元気な会社はあるものです。サントリーは、先日、過去最高益を更新すると発表しました。</p>

<p>今回は、サントリーの競争力である「おもしろさ」について考えたいと思います。</p>

<p><br />
「『もうかるか』いうことだけやなしに、『おもろいか』という尺度で考える経営者がもっといていい」<br />
サントリーの元会長である佐治敬三氏の言葉です。その『おもろいか』という発想が、今、サントリーを大いに儲けさせています。<br />
2008年12月期の連結売上高は、前期比1.2％増の1兆5129億円。純利益は33.2％増の320億円と、共に過去最高を更新しました。その大きな要因が、ビール事業の黒字化です。通常のビール市場や発泡酒市場が、毎年縮小して行く中、高級ビール市場は大きく伸びています。今や高級ビールの代名詞である、サントリーのプレミアムモルツは、5年前と比較して、20倍以上の出荷数、約1300万ケースを生産しています。まさに、右肩上がりの高成長ぶりです。</p>

<p>佐治敬三氏がビール事業に参入したのが、1963年。実に、45年目にしての黒字化が、今回の最高益に貢献した格好です。<br />
しかし、45年も赤字の事業を続けて行くことは、並大抵な精神ではありません。会社としてそのような挑戦が許される風土でなければ、到底不可能なことです。<br />
ここに、サントリーの偉大なブランド力があります。<br />
「おもろいやないか。やってみなはれ。」<br />
佐治敬三氏の有名な言葉ですが、実は、父であり創業者である信治郎氏から、再三言われた言葉だそうです。<br />
理屈を並べていても、物事は運ばない。実行をまず第一に考える。そこからいろいろ学んで行けばいい。サントリーの社内では、上司も部下も、面白いならまずやってみよう、というところから話を始めると言われています。</p>

<p>面白いことはやる、というサントリーのブランド力は、広告、PR活動に対しても同じ情熱を向けられています。<br />
創業者の信治郎氏は、創業当初から「宣伝広告や！」といって、広告のためには金を惜しまなかったと言われています。マーケティングという言葉もない、明治40年当時の話ですから、その先見の明には驚きです。<br />
事実、酒類メーカーであるサントリーが、広告やPR活動にお金をかける行動は、非常に理にかなっています。なぜなら、お酒という商品は、成分表などを見比べて購買を決めるものではないからです。アルコール度数が5.0%か5.5%かで買うことを迷う人はいないでしょう。また、おいしいかどうかに関しても、実は、人間は絶対的な味覚を持っていません。最終的には、イメージこそが、購買の決定的な条件になるのです。したがって、イメージ作りにお金をかけることは、サントリーにとって、最も有効に資金を運用していることにつながっているのです。</p>

<p>しかし、サントリーの広告は、一目見て「この広告はサントリーらしい」と思うのは、なぜでしょう？<br />
1994年の長塚京三さん出演のサントリーOLDのCMでは、中年男性の切ない恋の一幕が紹介されています。</p>

<p>「課長の背中見るの好きなんです」<br />
「やめろよ」<br />
「しばらく見ていてもいいですか？」<br />
「やめろよ」<br />
--恋は、遠い日の花火ではない--</p>

<p>昔からサントリーの広告は、人情味が溢れ、人間や人生にフォーカスしたものが多く見られます。商品そのものの特性をアピールするのでなく、商品の背後に広がるシーン、つまり、人生そのものに対しての深い愛情が伝わるような表現を好んでいます。日常に潜む喜びや切なさを広告の題材として取り上げることで、一貫して人間に焦点を当てた芸術的・文化的なイメージを作り上げています。その芸術や文化に対する想いは、1961年にサントリー美術館設立など、以降、音楽・文化の活動を広げ、サントリーホール、サントリーミュージアムなどを運営を通して、広告の世界を越えてメッセージを発し続けています。</p>

<p>佐治敬三氏はこう言っています。<br />
「商売だけに凝り固まっておったんでは、先細りになっていく」<br />
『やってみなはれ』の精神、イメージ作りへの情熱、そして文化活動。サントリーのブランドは、この３つの要素に確実に支えられています。そして、この３つは、すぐに明日の売上や利益として、跳ね返って来るものではありません。<br />
しかし、2008年12月期の最高益更新は、これら長年のブランド創りへの執念が、実を結んだ瞬間であると言って、間違いはないでしょう。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review46.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review46.html</guid>
            <pubDate>Fri, 06 Feb 2009 11:10:09 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2009年のキーワード</title>
            <description><![CDATA[<p>今年最後のレビューは、恒例の来年に向けてのビジネス界の展望です。<br />
2009年は、どのような時代になるのか。企業として、ビジネスマンとして、または個人として、どのような心構えが必要なのか。ブランド戦略の視点を交えて、重要となるであろうキーワードを考えたいと思います。</p>

<p><br />
2008年は、ジェットコースターに乗っているような年でした。<br />
欧米ファンドの派手な攻勢から、サブプライム問題を発端にした焦げ付きにより、逆にアジアやアラブのファンドに支援される事態に。あげくの果てに世界同時不況で、グローバルな投資マネーは一気に凍り尽きました。<br />
国内では、不動産価格の下落から、買い控えがマンション、建設関連企業に直撃。さらに、自動車業界では大幅減産を強いられ、勝ち組と言われたトヨタでさえ2009年度は赤字に下方修正するなど、波乱な年末となりました。<br />
その中でも、2008年を通して勝ち続けたのは、任天堂のWii、ユニクロ、H&M、アップルといった企業でした。</p>

<p>2009年は、この流れを引き継ぎ、キーワードは、『現実的』です。<br />
膨れ上がった投資マネーによって、世界中に築き上げられた「儲け話」が、一気に崩落した2008年の最後。人々は、否が応でも、現実的にならざるを得ない状況です。</p>

<p>節目となる時期が、1月のオバマ大統領の誕生と、自動車販売台数の下落が止まった時でしょう。<br />
オバマ大統領が、どう米国の威信を取り戻し、世界に微かな希望を与えられるのか？また、一般大衆にとって比較的大きな支出である自動車の買い控えが、どの時点で落ち着くのか？それまでは、現実志向が続くはずです。</p>

<p>さて、ブランド戦略の基本は、１）差別化、２）価値創造、３）顧客視点です。<br />
これは、好景気でも、不景気でも、同じことです。ただ、違う点は、好景気なら『夢』を追うような価値創造を。不景気なら、『現実』を見据えるような差別化を、それぞれ実行する必要があります。それが、真の顧客視点というものです。</p>

<p>『夢』から『現実的』に人々のマインドが入れ替わる時、大きなビジネスチャンスがやってきます。<br />
今までの消費行動を見直し、支出をリ・フォーメーションするからです。旅行を控えてWiiを購入する、中途半端なブランドをやめてユニクロやH&Mを活用するなど。決して節約した予算が全て凍り尽くわけでなく、どこかが減った分、どこかが増える構図です。要するに、トレンドに合わせて『現実的』提案のラインアップを拡充することで、当面の活路は十分確保できる可能性があります。<br />
それは、値引きではなく、あくまで『現実的』な提案です。</p>

<p>ブランド・アイデンティティは、好景気でも、不況でも、絶対に変えてはいけません。それは、人格と同じだからです。<br />
しかし、人格は変えずとも、時代によって、うまく生き抜く振る舞いはあるものです。2009年は、市場が落ち着くまでは、ほんの少し『現実的』路線なブランド表現も利用する。そのような、柔軟な取り組みが、成果を分ける年になりそうです。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review45.html</link>
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            <pubDate>Tue, 23 Dec 2008 12:55:43 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>値下げ競争に勝者はいるのか？</title>
            <description><![CDATA[<p>世の中は今、金融危機による影響の話題で持ち切りのようです。<br />
米年末商戦が順調な滑り出しだったことが、唯一のグッドニュース。他は、毎日のように減産、撤退、解雇といった話が聞こえて来ます。<br />
その中で、近頃良く目にする言葉が『値下げ』です。</p>

<p>値下げ競争は、賢い戦略なのか。勝者はいるのか。<br />
今回は、売上が伸び悩む中で、『値下げ』戦略が有効なのかを考えたいと思います。</p>

<p><br />
海外高級ブランド最大手のルイヴィトン。<br />
円高・ユーロ安という名目で、平均7%の値下げを発表しました。海外高級ブランドは、ここに来て日本国内の売上を大きく落としています。2008年のルイヴィトンの業績は、すでに前年比マイナスの傾向。リーマンブラザーズの破綻で、金融危機が本格化した今年の秋以前から、減収の兆候が現れていたのです。すでにフェラガモ、カルティエといった老舗ブランドが10%の値下げを発表しており、ブランドの威厳を傷つけずに、何とか『値下げ』で巻き返しを図ろうという作戦も見え隠れします。</p>

<p>国内の百貨店、スーパーも値下げ作戦に参加しています。<br />
高島屋は、円高還元という名目で輸入衣料品を最大で20％値下げする方針を打ち出しました。西友も、競合店のチラシを持ち込めば値引きするキャンペーンを開始。イオンやイトーヨーカ堂も、値引き対象品目を大幅に広げて、価格志向の強い顧客を囲い込もうとしています。いつしかのダイエーが辿った道が思い起こされるような状況です。</p>

<p>値下げは賢い戦略なのか。それとも自爆なのか。<br />
冷え込んだ消費マインドを掘り起こすには、価格志向に訴えることが最もシンプルです。特に、今回の金融危機のように、突発的かつ急速な消費意欲の減退局面では、当面のキャッシュフローを確保するためにはやむを得ない手段でしょう。しかし、この作戦はあくまでも短期でなければなりません。『値下げ戦略』と『低価格戦略』は、別物です。ユニクロやH&Mのように、低価格を武器にこの時期に拡大できる理由は、ビジネスの構造自体が低価格に耐えられるように設計されており、それでも莫大な利益を生み出すことができるからに他なりません。そのような構造を持っていない企業が、長期的に値下げを行った場合、財務体質を悪化させることは、誰の目にも明らかです。</p>

<p>現在の消費マインドは、いわば弱気の方向にオーバーシュートしている状況です。私たちの給料は大幅に下がったでしょうか？私たちの会社は危機的な状況でしょうか？いいえ、実際にそれほど大きな変化は起こっていないはずです。しかし、人の心理は大きな流れに巻かれ易い性質があります。だから、トレンドができたり、マーケティングが可能になったりするのです。現在は、明らかに弱気トレンドであり、自分の身に危機的なことが起きていないのに、漠然と将来に対して不安が広がり、大勢の人がこの弱気トレンドに乗っていた方が、かえって『安心』という、不思議な状況になっています。したがって、このオーバーシュート気味の弱きトレンドは、どこかの時点で改善されると考えられます。</p>

<p>明らかに言えることは、弱気トレンドはメガトレンドではない、ということです。<br />
世界経済が下降している間は弱気でも、下降にメドが出て来た時点でオーバーシュートした心理は改善し始めます。こうなると、価格一辺倒の競争から、再び付加価値の戦いにステージが変わって来ます。付加価値とは、前回の記事でご紹介した通り、『デザイン』、『健康』、『美容』、『長寿』、『生き甲斐』といった、メガトレンドのことです。<br />
もし、値下げ戦略で利幅が縮小し、財務体質が悪くなった状況で、今度は付加価値創造のために資金が必要となった場合、どうなるでしょう。これこそ自爆への道と言えます。</p>

<p>このような局面で、最も強いのは、キャッシュがある会社です。<br />
例えば、来年は２割縮小すると言われる携帯電話市場で、NTTドコモが、KDDIやソフトバンクからあれほど攻められながら健在している理由の一つには、現金が約1兆3000億円（2008年3月末時点で売掛金含む）に対して、借り入れがわずか約4700億円であり、毎年キャッシュは増加し、有利子負債は減少するという、好財務体質に支えられているからです。（KDDIは、2008年3月末時点で現金+売掛金約5200億円、有利子負債約5700億円）<br />
同様に、新興のマンションデベロッパーや不動産会社が姿を消す中で、大手デベロッパーや大手建設会社が危機的な状況という話を聞かない理由は、潤沢なキャッシュがあり、短期的な弱気トレンドを乗り越える体力があるからでしょう。一般に、レバレッジを利かせ過ぎる新興企業は、キャッシュがショートしやすい体質を持っています。</p>

<p>このように、キャッシュが潤沢にあり、財務体質が良いならば、短期的な値下げで利幅を縮めてでも売上を確保する方法は、弱気トレンドの中で有効であると言えます。<br />
他方、キャッシュが不足しているにもかかわらず世の中のムードで安売りを仕掛けたり、値下げ作戦をそのまま長期的な戦略に置き換える方法は、一つ間違えると破滅につながる可能性があります。ビジネス構造を低価格戦略に耐えうる形に変革するならば別です。が、行き当たりばったりに価格志向に訴える方法は、賢い方法とは言えないでしょう。</p>

<p>次回は、どのようなビジネスなら値下げ圧力から逃れられるのか、を考えてみたいと思います。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review44.html</link>
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            <pubDate>Fri, 05 Dec 2008 15:05:41 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>好景気と不景気のブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>世界的な株価の下落。米国の景気後退に対する失望感。<br />
グローバル経済は、減速の様相を強めています。</p>

<p>その中で一人勝ちの会社があります。ユニクロを展開するファーストリテイリングです。<br />
2008年8月期の売上高は5864億円。経常利益、当期利益ともに30％以上の成長です。来年の利益目標をほぼ今年で達成してしまった好調ぶりです。<br />
ユニクロ・ブランドが、不景気時の節約志向に大きく響いた格好です。</p>

<p>好景気に躍進するブランド。不景気に強いブランド。<br />
今回は、景気変動とブランド戦略について考えたいと思います。</p>

<p><br />
ユニクロは、間違いなく不景気に伸びるブランドです。<br />
ここ数年のブランドの不調は、世の中の好景気と重なっており、景気に影が差して来ると、再びブランドが脚光を浴びる格好です。もちろん、ファーストリテイリング自身の業務改善によるところもあるでしょうが、不景気に起こる消費者の節約志向の波を上手に掴んでいることは事実でしょう。<br />
『節約するなら、ユニクロ』<br />
これはまさに、ブランドが確立している証拠です。</p>

<p>一方、好景気に伸びたブランドもあります。<br />
レクサス、BMW、ベンツなどの高級車ブランド。各社とも、北米市場を最重要戦略拠点とし、アメリカの景気拡大の波に乗りました。しかし先日、トヨタは北米市場の需要減などにより、異例の業績見通しの引き下げを検討し始めたところです。<br />
たとえ不景気でも、BMW１シリーズのような手頃な価格帯の車種が売れるのでは、と思う方もいるでしょう。しかし、手頃と言えども価格は300万円～500万円。節約志向の消費者が、あえてこの時期に考えるには、随分と見栄の張った車です。そもそも、『BMW』というブランド自体が『高級』を連想させるブランドであり、『１シリーズ』がどれほどエコノミーなサブ・ブランドとして設計されていても、消費者にしてみれば、とても『マネーセービング』を連想させるブランドには見えません。</p>

<p>このように、ブランドには、そのアイデンティティが好景気向きであったり、不景気向きであったりと、２種類あることがわかります。<br />
問題は、ユニクロのような不景気に強いブランドは、好景気時は泣いて待つしかないのか。また、好景気に強いブランドは、不景気が過ぎ去ることを心待ちにするしかないのか、ということです。</p>

<p>これを避ける方法が、一つあります。<br />
新しいメガトレンドに乗せることです。<br />
高級ブランドでも、低価格ブランドでも、行き詰まったときは、自身のブランドと一番相性の良いメガトレンドを探し、商品を改革することで再び回復が可能であると考えられます。</p>

<p>ユニクロは、不調な時期に、あれほど創業以来、柳井氏がこだわっていた『ベーシック（定番）』戦略を修正し、デザイン性を打ち出す商品開発にベクトルを向けました。なぜなら、H&Mの急成長に見られるように、消費者は価格や機能性だけでなく、デザインを重視する世界的なメガトレンドがあるからです。<br />
実際に、ようやくユニクロのデザイン性が認知され始めた昨年後半から業績回復は始まっており、今年の景気後退で一層拍車がかかった格好になっています。仮に、不景気の神風が吹かなくても、ユニクロの業績はそこそこ回復したことでしょう。</p>

<p>同じように、これからの景気後退で難しい局面に立たされる高級ブランドも、どこかでメガトレンドをからませてくるでしょう。<br />
世界のメガトレンドには、『デザイン』の他に、『健康』、『美容』、『長寿』、『生き甲斐』など、様々なテーマがあります。これらをブランドのエッセンスとして取り入れることで、ブランドを再び活性化し、人々の興味を集めることが可能です。</p>

<p>最もしてはいけない戦略は、じっと待つという方法です。<br />
なぜなら、これは誰にでもできる方法だからです。戦略とも呼べません。<br />
「人事を尽して天命を待つ」ということわざがあるように、ビジネスの運命を天に任せてじっと待つ前に、すべきことが沢山あるでしょう。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review43.html</link>
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            <pubDate>Fri, 17 Oct 2008 10:17:46 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>H&amp;Mのブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>A Strong Brand. <br />
先日、銀座に国内１号店をオープンしたH&M。<br />
その企業が目指す姿は非常に明確です。『強いブランド』です。</p>

<p>年間売上1兆4356億円。<br />
同じように、売上1兆円を越える世界的なライバルは、GAP、ZARA (INDITEX)、Limited Brandsの３社です。<br />
その中でもH&Mは、突出した収益性を誇り、2007年度は2116億円の利益。利益は率は15％となっています。</p>

<p>今回は、アパレル業界の本命と言われるH&Mのブランド戦略について考えたいと思います。</p>

<p><br />
H&Mが本命と言われる所以は、その収益性の高さです。<br />
収益性が高いと何が良いのか？<br />
それは、苦戦する競合他社が白旗をあげた時に、M&Aができるからです。事実、EU内で販売不振に陥っていたGAPが、一部地域から撤退した時に、H&Mはそのすべての店舗を買取り、比較的にシェアを伸ばしました。このような頂上決戦の中では、収益性の高い企業が、最終的にすべてを手にすることは容易に想像できるでしょう。</p>

<p>なぜH&Mだけが収益性に優れているのか。<br />
高収益で有名なユニクロのファーストリテイリングでさえ、利益率は13.5％です。その利益額は791億円ですから、H&Mとは3倍近くの開きがあります。<br />
同じSPA（販売小売）方式を駆使してビジネスモデルを洗練させて来たライバルの中で、H&Mだけが違った方法を取っていること。それはフロントの戦略。つまり、ブランド戦略です。</p>

<p>H&Mはライバルの中でも、自社のブランドのあるべき姿に、強烈なこだわりがあります。<br />
特に最先端のモードやデザインへのこだわりは群を抜いており、SPA型のアパレル企業と言うよりは、メゾン型の高級ブランド企業と言った様です。</p>

<p>■一貫したブランド・イメージ<br />
広告、雑誌、PRイベント、ファッションショー、コレクションなど、すべてのコミュニケーションに一貫したメッセージを持たせています。H&Mの広告は、他のライバル他社と間違いようがないほど、H&Mのスタイルを貫いています。H&Mが掲げる、"fashion and quality at the best price"を表現すべく、あたかも高級ブランドの一角であるようなコミュニケーション戦略と、実際に店舗に出向いて見る価格の安さとのギャップに、H&Mの巧みなブランド戦略が秘められています。</p>

<p>■創造性の追求<br />
H&Mには100名以上のイン・ハウス・デザイナーが在籍していますが、H&Mの創造性の高さを最も有名にしたのが、著名デザイナーとのコラボレーションです。<br />
シャネルの大御所カール・ラガーフェルドやステラ・マッカートニーと言ったモード界の第一線で活躍するデザイナーが、H&Mのために特別にデザインするキャンペーンを繰り広げています。本来、彼らのような高級ブランドのデザイナーの作品は、１点あたり数十万円はするはずにもかかわらず、H&Mでは数千円から買えるという夢のような話です。<br />
これらのキャンペーンが示す通り、H&Mの通常商品もモードへの意識が強く、SPA型アパレル大手とは一線を画した形になっています。</p>

<p>H&Mは、SPA型の大手アパレル企業と位置づけられていますが、こう見て来ると、真のライバルはGAPやユニクロではなく、メゾン型の高級ブランドではないかと考えられます。<br />
確かに、価格帯はGAPやユニクロと同じですが、アメリカン・ベーシックを主体とするGAPを好む人が、最先端モードを意識するH&Mに乗り移るには、趣向のハードルが高いからです。しかし、ドルチェ＆ガッバーナやジョルジオ・アルマーニといったモード系を好む人が、H&Mを自身が保有するファッションに組み込むことは容易です。実際にコーディネートしてみても、素材の善し悪しは高級ブランドとは歴然の差ですが、一見したデザイン性はそこまで差を感じることはありません。</p>

<p>つまり、GAPやユニクロをはじめとした従来のSPA型のアパレル企業が、『普段着を安く買う』ことを掲げているのに対し、H&Mは、『高級ブランド服を安く買う』という考えを提唱していることが分かります。どちらが、よりバリューが大きいかは明らかです。<br />
私は、消費者が期待する高級なイメージと、実際の価格の安さの差をバリュー・ギャップと呼んでいます。このバリュー・ギャップが大きければ大きいほど、価格設定が自由になり、利幅も大きくになります。つまり、バリュー・ギャップの大きさは、その企業の競争力に直結するのです。<br />
私が、５年前にニューヨークのSOHOにあるH&Mを初めて訪れた時、このバリュー・ギャップの大きさに驚愕したことを今でも覚えています。</p>

<p>現在、日本では低収益に悩む企業が増えています。<br />
それの理由を、不況の性にすることは簡単ですが、本当はバリュー・ギャップが縮小しているために、競争力が低下し、低収益に陥っていることに気づかねばなりません。安いからと言って売れるわけではなく、高品質だからと言って認められるわけではない現代社会が示す通り、目の肥えた消費者の心を引くには、人々が感じるバリューに焦点を定める必要があります。</p>

<p>モダンなイメージ、高いデザイン性、高品質で低価格。これによって、人々が感じる価値、バリュー・ギャップを最大化する。<br />
H&Mのブランド戦略は、多くの日本企業にとって非常に参考になるヒントを与えてくれています。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review42.html</link>
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            <pubDate>Thu, 18 Sep 2008 15:21:57 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>差別化のメソッド</title>
            <description><![CDATA[<p>映画「オーシャンズ13」で、日本酒の久保田で乾杯するシーンがあります。<br />
サブプライム不況の中枢にあるアメリカ。しかし、今、空前の日本食ブームが巻き起こっています。<br />
レストランの出店数は大きく伸び、フレンチやイタリアンなどの西欧料理の世界にも、「和」のエッセンスを取り入れ、新しい価値を提供しようとする動きが活発化しています。不景気など、どこへやらの様相です。</p>

<p>一方、日本国内では景気減速が顕著になっています。<br />
不動産市況の悪化とサブプライムの追い打ちを受け、経済ニュースでは、挑戦的な企業の話題より、景気悪化の渦に飲まれる話が増えています。</p>

<p>不景気の中でも、差別化でビジネスを拡大するアメリカ。<br />
いつも全体の景気変動に連れてしまう日本。<br />
今回は、不景気でも事業を伸ばす、差別化の重要性とそのメソッドについてお話ししたいと思います。</p>

<p><br />
マンハッタンのスターシェフ、Jean Georges氏。<br />
数少ないNYのミシュラン３つ星レストランの一つです。<br />
彼の料理の特徴は、「和」です。キュウリの冷製スープ、カボスの風味、昆布だしのソース、そして松茸や秋刀魚。和食の伝統的なエッセンスと、フレンチを融合したその料理は、ヌーベル・フレンチという新たな世界を切り拓いています。</p>

<p>Jean Georges氏の料理は、差別化の極みです。<br />
伝統的で保守的なフランス料理と一線を画し、異文化への理解と融合を通して、時代が求める新しい世界観を創り出しました。その戦略は、非常にシンプルなものですが、同時に、勇気のいる試みです。しかし、その姿勢が結果的に、ミシュラン３つ星という形で評価を得る。これは、自らのアイデンティティを突き通した、ブランド戦略の成功とも言えるでしょう。</p>

<p>一方、現在、日本企業の多くが、差別化に苦戦しています。<br />
その証拠に、今回のような景気後退局面に入ると、ほとんどの企業が元気を失ってしまいます。景気の上昇局面では、他社と同じように潤い、後退するとまた、他社と同じように不調に陥る。これは、他社と差別化が出来ていないことを示しています。</p>

<p>多少の景気変動に左右されず、自社の成長を安定的にドライブさせるには、Jean Georges氏のような差別化の追求が重要です。<br />
ここで、私が日頃クライアントに行う差別化のメソッドを簡単にご紹介したいと思います。</p>

<p>１）競合他社の調査<br />
まず、差別化（Differentiation）とは、相対的な比較によって価値を生み出す方法であり、絶対的な価値を追求するオンリーワン的な発想とは、全く違うものです。日本人の気質は、技術の追求を通してとかく『BEST』を目指したがりますが、モノ余りの成熟社会で勝つにはむしろ『DIFFERENT』の方が重要なキーワードです。Jean Georges氏の料理は、フランス料理のBESTではありませんが、明らかにDIFFERENTです。業界内の競合他社と比較して、いかに『DIFFERENT』になれるかがポイントです。</p>

<p>２）市場調査・ターゲット調査<br />
成熟したマーケットでは、業界そのものが頭打ちになっている場合があります。つい決断力が欠け、幅広い顧客ターゲットを追うがために、特化した商品やサービスが作れないでいる。このようなケースが多く見られます。<br />
自社のターゲットを明確にする方法として、雑誌を有効に使うことができます。例えば、女性誌は、究極のターゲットマーケティングです。10代、20代など、各年代ごとに発行されているだけでなく、同年代でもCanCam、ViViなど、趣味趣向の差に注目しています。これらの雑誌と自社商品を重ね合わせることで、自社のターゲットが明確に視覚化されます。ターゲットとは、それほど明確に選定しなければならないものなのです。</p>

<p>３）東から西へ、西から東へ<br />
最後に、私が日頃注目している差別化の方法は、『東から西へ、西から東へ』です。<br />
Jean Georges氏の成功は、まさに東のエッセンスを西の文化と融合させた点にあります。<br />
このように、例えば、関西でビジネスを立ち上げるならば、関東のエッセンスと組み合わせて作ったり、東京で事業を行うのであれば、NYのトレンドを意識したりすることが重要です。つまり、文化の差と、時間軸の差を利用して、ノウハウ的なサヤを取るわけです。</p>

<p>以上が、大まかな差別化のフローです。<br />
幸いなことに、私が担当させて頂いているクライアントを見る限り、不況の影響は今のところ感じられないようです。<br />
是非、ご参考にして頂ければと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review41.html</link>
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            <pubDate>Fri, 29 Aug 2008 13:41:28 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>Wホテル・ブランドに見るビジュアル・トレンド</title>
            <description><![CDATA[<p>都会の喧噪と異空間。<br />
そのエントランスをくぐると、ガラス天井から水が四方の壁をつたって滝のように流れ落ちます。<br />
エレベータでロビー階へ上がると、昼間でも薄暗いフロアに、レッド、ピンク、ブルー、グリーンといったナイトクラブ風の照明。足元から広がるスタイリッシュな白いラウンジソファーの群れ。鮮烈な赤色を放ったバックライトに照らされる艶やかなチェックインカウンター。中央には色彩豊かで、どこか切ないモダンアートのオブジェ。</p>

<p>これは6年前、ニューヨークのタイムズスクエアにある、Wホテルを訪れた時のワンシーンです。<br />
Wホテルは、デザインホテルの代表として、スターウッド・ホテル＆リゾートが世界で展開するブランドです。日本国内第一号が、2011年2月に横浜に完成します。<br />
そして今、スターウッドからは、『エレメント　by　ウェスティン』と『アロフト A Vision of W Hotels』の２つの新ブランドがスタートしています。</p>

<p>今回は、Wホテル・ブランドに見るビジュアル・トレンドについて考えたいと思います。</p>

<p><br />
Wホテル・ブランドは、1998年に開業したニューヨーク店から始まります。<br />
現在、世界に25拠点存在し、今後３年間に27拠点がオープンする予定です。その内の一つに、横浜が決まっています。</p>

<p>Wホテル・ブランド誕生のきっかけは、1984年にカリスマ的なホテリアであるイアン・シュレーガー氏が建てたモーガンホテル・ニューヨークであると言われています。<br />
イアン・シュレーガー氏のキャリアは、まず、Studio 54というナイトクラブのプロデュースで一躍脚光を浴びたところから始まります。アンディ・ウォホール、ミック・ジャガーといった当時のセレブリティを集め、最先端なニューヨークの夜のライフスタイルを提案したことで有名です。<br />
その後、イアン・シュレーガー・ホテルグループを設立。先のモーガンホテル・ニューヨークを皮切りに、マイアミ、ロス、サンフランシスコ、ロンドンと拠点を拡大し、いわゆるブティックホテル（デザインホテルの英訳）の先駆けとして再び脚光を浴びる立場となります。現在、イアン・シュレーガー氏本人は世界最大のホテルグループであるマリオット・インターナショナルと組み、新ホテルブランドのプロデューサーとして活動していると言います。</p>

<p>Wホテル・ブランドは、イアン・シュレーガー氏と直接関係はありませんが、その世界観を大いに引き継いでいるようです。<br />
先のタイムズスクエアのWホテルに見られるように、水や石といった自然素材と、ウォホールなどのモダンアートを連想させるエキセントリックなデザインは、このブティックホテル業界の大きなビジュアル・トレンドとなっています。</p>

<p>日本でも、有名なインテリアデザイナーである森田恭通氏も、ブティックホテルのデザイン・トレンドを押さえているようです。ラウンジスタイル、ナイトクラブ風、モダンアート。フランス料理の巨匠ジョエル・ロブション氏のレストランや六本木ヒルズ、そして香港Wホテルが森田恭通氏に依頼しているように、イアン・シュレーガー氏から始まったブティックホテルと現在の商業店舗デザインは、大きな流れとして一体となっています。</p>

<p>そして現在、スターウッドは、『エレメント　by　ウェスティン』と『アロフト A Vision of W Hotels』という２つの新ブランドをスタートさせました。<br />
『エレメント　by　ウェスティン』は、エコをテーマにしたホテルで、そのサービス品質は名前にあるように、ウェスティン・ブランドで保証されています。エコ、ヘルシー、リラックスといったキーワードをもとに、長期滞在もできるリーズナブルな価格設定でポジショニングされています。近年、エコがひとつのブームですが、確かにエコに特化したホテルはありませんので、差別化の大穴と言えるでしょう。<br />
一方、『アロフト A Vision of W Hotels』というブランドは、名前の通り、Wホテルが保証するファミリー向け長期滞在施設です。Wホテルのモダン・ラグジュアリーな世界観を、手軽な価格で体験できるブランドとして、裾野を広げる戦略です。</p>

<p>このように見ると、モダンアート的なビジュアル・トレンドは今後も継続しながらも、新しいコンセプトが生まれて来ていることがわかります。その一つがエコやファミリーなどのコンセプトです。<br />
また、ハイアットの新ブランド『ANdAZ』第一号は、ロンドンのリバプールストリートにありますが、ここはモダンなデザインとアットホームなコンセプトで作られており、刺激的なWホテルとはひと味違った居心地やヒーリングを重視しているようです。</p>

<p>モダン・デザイン＋より顧客ニーズに特化したテーマ。<br />
これが今後のトレンドになるでしょう。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review40.html</link>
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            <pubDate>Wed, 06 Aug 2008 18:14:11 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>なぜスターバックスは減速し始めたのか</title>
            <description><![CDATA[<p>先日、米スターバックスが、業績不振の６００店舗の閉鎖を計画しているというニュースが流れました。<br />
スペシャルティ・コーヒ―の先駆けとして急拡大を遂げ、世界に６０００店舗以上を展開するスターバックス。その創業者でありCEOのハワード・シュルツ氏が、日本の第一号店の開店に合わせて来日し、こう言ったことを覚えています。<br />
「人々はスターバックスのブランドに魅了されている」<br />
しかし、ここに来て本国アメリカでは、減速が顕著になって来ています。魅了されていたはずの人々が夢から覚めたのか。もしくは、強いブランドにも弱点があったのか。</p>

<p>今回は、スターバックスがなぜ減速し、本来どうすべきだったのか、を考えてみたいと思います。</p>

<p>「スターバックスは、ブランド力がある」<br />
これは、ハワード・シュルツ氏だけでなく、世界中の誰もが感じたことでしょう。<br />
洗練された商品、創造的なビジュアル、一貫したブランド・アイデンティティ。<br />
しかし、その凄まじい神通力も、創業20年を前にブレーキがかかろうとしています。<br />
この減速の理由は何か？<br />
ブランド戦略の視点から、いくつか指摘できます。</p>

<p>第一の理由は、あり過ぎるほど拡大した店舗数です。<br />
発祥地シアトルでは、どこに行ってもスターバックスがあります。街の1ブロックに1～2店舗、オフィスビルにもスタンドが入っています。街を歩けばバス停よりも多いことが分かるはずです。<br />
この強烈な出店攻勢は、初期の戦略としては正しいと言えます。コーヒーショップは、参入壁が低いビジネスなので、タリーズやSBCなどの追い上げをかわすには、競合他社よりも早く拡大し、シェアを広げる必要があります。同時に、あらゆる場所でスターバックの看板を見かけることは、人々の潜在意識へのブランドの刷り込みとしても機能します。ブランドの噂は、人から人へと伝わり、スターバックスを知っていることが、あたかも流行通であるかのようになります。</p>

<p>しかし、これを20年弱も続けて来ますと、さすがに飽きます。<br />
マーケットとは、飽きる生き物なのです。<br />
スターバックスは、強烈な出店攻勢を通して、自らのブランドをコモディティ化してしまいました。一貫したブランドが強みであったわけですが、さすがに同一なものを20年弱も拡大させれば、あえて人に紹介する必要がなくなるほど、日用品になってしまいます。この時点で、もはやスペシャルではないのです。<br />
長期間にわたって変わり映えのしなかった店舗とメニュー。これが第二の理由と言えます。</p>

<p>顧客が他の人に紹介したくなるほど強い支持があれば、その企業は成長し続けると言います。<br />
裏を返せば、顧客がもう紹介したくない、といった時、その成長は止まるのです。</p>

<p>では、どうすれば良かったのか？<br />
一貫したブランド・アイデンティティは正解です。<br />
しかし、変わり映えのない実行戦略は問題です。</p>

<p>ブランドとは、常に若々しく、エネルギッシュに見せて行かなければなりません。<br />
ルイヴィトンは、デザイナーのマーク・ジェイコブスによる芸術的なラインで人々の目を引く一方で、定番商品を売るビジネスモデルが確立しています。定番商品だけでは、変わり映えのない実行戦略に陥りますが、創造的な新作を投入することで、ブランド全体を活性化させることができます。また、ブランド拡張の方法として、これまで手掛けなかった、時計やジュエリーに進出したことも、ブランドにフレッシュなイメージを保たせ続けることができています。</p>

<p>Appleのように、次々と新作を発表し、その度に長蛇の列を生み出す方法もあります。<br />
つまり、マーケットを飽きさせない、ということがポイントです。そのためには、新しいことに挑戦する姿を、ブランドとして常にアピールしていく必要があります。</p>

<p>スターバックスの今後にも、チャンスは大いにあります。<br />
数字の上では、不採算店を閉鎖すれば、解決するように見えるでしょう。しかし、問題は、コモディティ化から抜け出たわけではないことです。スターバックス・ブランドを使った新業態への拡張戦略など、挑戦する姿を見せることで、ブランドに再び力を取り戻すことが可能であり、これが既存業態の活性化策になります。<br />
たとえば、"STARBUCKS/DOLCE" というスウィーツ＆カフェはどうでしょう。<br />
スターバックスが持つカフェの連想と、有名パティシエとのコラボレーションによるブランドの掛け合わせ戦略で知名度を上げ、『スタンド・スウィーツ』といった新しいトレンドを作り、ブランドに若さを取り戻すことができるはずです。</p>

<p>このように、ブランド戦略の視点から考えることで、コモディティ化を脱出する方法は、いくらでもあります。ブランドの『拡張』と『掛け合わせ』を使えば、その方法は無限にある、と言っても過言ではないでしょう。<br />
</p>]]></description>
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            <pubDate>Wed, 16 Jul 2008 10:20:09 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ターゲットで変わるコミュニケーション戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>ブランド展開の最初の関門。<br />
それはコミュニケーション戦略です。実行にはターゲットを決めなくてはなりません。<br />
世界が男性と女性で構成されている以上、そのどちらをターゲットにするかは、マーケティングの専門家でなくても、商品企画の時点で大方決まっていることです。さらに、その商品を販売展開する場合、男性向け商品は、男性的なコミュニケーションを行い、女性向け商品は、女性的なアプローチが必要なことは、多くの人が頭に描くことができるでしょう。しかし、実際に、男性に響くコミュニケーションとは、何か？女性が振り向くポイントは、どこか？具体的な方法論について心得ている人は少ないのではないでしょうか。</p>

<p>今回は、ターゲットによって、コミュニケーション戦略を使い分けることについて考えたいと思います。</p>

<p><br />
結論から言いますと、男性と女性では、響くポイントが違います。<br />
したがって、コミュニケーション戦略も、それぞれのターゲット特性に合わせて、変えて行く必要があります。</p>

<p>男性は、一般に闘争心が強い性質を持っています。<br />
男性が外で仕事し、女性が家庭を守るという構図は、世界中の歴史の中に刻まれている現象です。もちろん、近年、女性のビジネス界での目覚ましい活躍を考えると、闘争心が強いのは男性だけとは言い切れない、新しい時代の兆候が見られます。しかし、いずれの場合も、ビジネス界で活躍するには、ある程度の『戦い好き』な性格が必要です。<br />
例えば、ビジネスソリューションのような男性的な商品を販売する場合、雰囲気や共感で売ることは非常に困難です。逆に、いかにその商品が戦いに役立つのか、確立した理論的と説得力、明確な将来像が必要です。特に、男性は、夢やロマンを描く性質を持っていますから、ブランド・コミュニケーションには、この将来像が欠かせません。乗り心地の悪いポルシェやフェラーリに憧れたり、都内の一等地にオフィスを持つと言う採算性の悪いことを夢見るのは、戦利品を誇示したいと言う、いたって男性的な感覚です。女性には、到底、意味の分からない行動ですが、男性向けのコミュニケーション戦略を立案する場合、この点が非常に重要になるのです。</p>

<p>一方、女性をターゲットにしたコミュニケーション戦略とは、どんなものでしょうか？<br />
メソッドやロジックを好む男性に対して、女性は『共感型』であると言われます。<br />
例えば、サマンサタバサというブランドがあります。ビヨンセやマリア・シャラポア、蛯原友里をプロモーション・モデルとして起用し、急成長を遂げたバッグ・ブランドです。ビヨンセが使っていて可愛い、という『共感』の感覚が、そのまま購買に結びつきます。この場合、商品のスペックや耐久性は関係ありません。誰がその商品を使っているのか、が重要なのです。<br />
一方、サマンサタバサのメンズラインである、サマンサキングズには、プロモーション・モデルがいません。男性は共感型ではありませんので、誰が身につけているかでは買いません。たとえ、ブラッド・ピットやジョージ・クルーニーがモデルになったとしても、それに共感するのはやはり女性であり、男性の購買の理由にはならないのです。</p>

<p>このように、ブランドのコミュニケーション戦略は、ターゲットの性別によって、大きく２つに分類できることがわかります。<br />
男性がターゲットであれば、スペック、理論、将来像、夢など、男性的なキーワードを中心にコミュニケーション戦略を構築する必要があります。<br />
一方、女性をターゲットにしたコミュニケーション戦略は、共感を軸に展開します。その場合、共感できる『モデル』の存在が重要です。このモデルは、有名人であればあるほど威力を発揮しますが、身近な人物でも共感を呼ぶことができます。重要なことは、誰がその商品を使っているのか、を伝えることです。最も避けるべきは、商品そのものにしか焦点を当てない、男性的なコミュニケーション方法です。</p>

<p>このように考えると、あらためて自社が扱っている商品と、そのコミュニケーション戦略を見比べ、ターゲットに合ったアプローチができているか、少なからずヒントになると思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review38.html</link>
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            <pubDate>Mon, 30 Jun 2008 12:08:08 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>顧客ロイヤルティとブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>先日、私は会社の社員から学びました。<br />
社内のことで恐縮ですが、いつもと趣を変えてお話ししたいと思います。</p>

<p>それは、社員の知人が私どもの会社に入社を希望している、という話がきっかけでした。<br />
誠に、ありがたいことです。私どものような小規模で、都心から外れた職場で働きたいとは、ある意味普通の感覚ではなく、貴重な心意気です。<br />
が、残念なことに、会社は、既に今期の業績が確定しており、新入社員を採用する予算枠がありませんでした。その旨を伝えると、ある社員がこう言いました。<br />
「可能であれば採用してあげて欲しい。そのために必要であれば、私たちのボーナスをカットしてください」<br />
驚きました。私も会社員の時代がありましたが、その時の私と全然違う。到底、自分を犠牲にするようなことを言えないばかりか、考えもつかなかったことでしょう。</p>

<p>米国大手コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニー名誉ディレクターであるフレデリック F. ライクヘルド氏は、ロイヤルティについてこう定義しています。<br />
「ロイヤルティとは、顧客や従業員などが金銭的もしくは個人的な犠牲を払ってまでも、企業とのリレーションシップを強化したいと望むことである」※</p>

<p>今回は、顧客や従業員とのリレーションシップを通した、ロイヤルティついて考えたいと思います。</p>

<p><br />
先のライクヘルド氏は、成熟産業で成長を持続するには顧客ロイヤルティに頼るしかない、と断言します。ロイヤルティの高い顧客は、みずから無償で新規顧客を集めてくれ、企業を成長させるのです。<br />
例えば、ある既存の顧客が、別の新規顧客を紹介してくれたとします。この既存顧客の企業に対する心理は、次のうちの3番目に位置することになります。</p>

<p>１）満足しているが、特に意見はない<br />
２）機能的・経済的に大変満足している<br />
３）自らの信用を担保にしても紹介したい</p>

<p>このように見ると、紹介してくれる顧客が、いかに自己犠牲の精神のもと、寛大な行動を取っているかが理解できるはずです。<br />
先の、私どもの社員の話で恐縮ですが、万一、入社側が不出来であったり、会社側が評判通りでなかったならば、採用を進言した社員の信用に関わることです。そのリスクを取ってまでも行動を起こす。ロイヤルティの尊さを、あらためて感じます。</p>

<p>しかし、ロイヤルティは、コントロールができません。<br />
それは、顧客が感じることであり、従業員が思うことです。ブランド戦略は、比較的企業側主導で進められる作戦ですが、その3大テーマの一つであるロイヤルティつくりに関しては、イニシアティブは相手にあるのです。意図的につくろうとして、出来上がるものではないのです。さらに、ロイヤルティがあるからと言って、直近の売上高に貢献するとも限りませんから、企業側として大変取り組みにくいテーマの一つです。<br />
しかし、ライクヘルド氏は、こう言います。<br />
「顧客ロイヤルティさえ確保すれば成長できるとは限らないが、顧客ロイヤルティが低い企業が利益成長を遂げることはまずない」<br />
彼の長年の調査によると、熱心な支持者が顧客全体に占める比率は、ほとんどの業界で成長率と直接関係している、と判明したそうです。</p>

<p>では、ロイヤルティとは、どのようなことがきっかけで、生まれてくるのでしょうか。<br />
ライクヘルド氏は、企業トップが重要だと言います。トップが、ロイヤルティに基づくリレーションシップを目指す必要があると。なぜなら、ビジネスの性格上、すべては収益性を追求する活動であり、これを究極に突き詰めると「人よりも金を重視する血の通わない組織」が出来上がってしまうからです。これを防ぐには、企業トップ自身の人間的な姿勢が鍵になります。<br />
トップと従業員のリレーションは、その先の従業員と顧客のリレーションに引き継がれます。これが顧客と企業のリレーションになり、最後はロイヤルティとして跳ね返ってくるのです。収益性を高めるという大義名分のために、従業員に圧力をかけ、サプライヤーに無理を言い、顧客から搾り取る。このような理性が欠如した企業が、長期的に成功するはずがありません。企業トップは、自らの信念や正義を明確にし、かつ、思っているだけでなく、メッセージとして各ステークホルダーに発信することが重要です。<br />
こう考えますと、どこかブランド・アイデンティティの構築手法と似ており、やはり、ロイヤルティつくりはブランド戦略の一環であることがわかります。</p>

<p>さて、冒頭の話の続きが気になるところですが、結局、入社してもらうこととなりました。もちろん、社員のボーナスをカットすることはしません。<br />
しかし、ビジネスとは本当に奥の深いものであり、いつまでたっても自分たちの未熟さを感じます。数字を追いかけているだけでは、成功しない。だからこそ、ビジネスの面白さ、取り組み甲斐を見つけることができるのだと思います。<br />
私たち人間にとって、働くことの喜びは、ロイヤルティにあると言っても、過言ではないでしょう。</p>

<p><br />
※参考文献：DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部　『儲かる顧客のつくり方』　ダイヤモンド社　2007年<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review37.html</link>
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            <pubDate>Wed, 11 Jun 2008 18:10:25 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>A380とシンガポール航空のブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>「最新鋭の翼とやさしいおもてなし」。<br />
シンガポール航空のブランド・コミットメントです。<br />
そのシンガポール航空が、文字通り「最新鋭の翼」、エアバスA380を導入し、先日、東京-シンガポール間を就航しました。総二階建て、650席（最大850席）、構想から16年を費やした世界最大級の旅客機です。その桁外れの機内の大きさから当初は、客席の他にラウンジやエンターテイメントルームも併設されるのでは、との噂がありました。しかし、シンガポール航空が取った戦略は、ファーストクラスを越える完全個室『スイートクラス』を設けることでした。高級ホテルのような贅沢なリネンと、一流の料理、そしてきめ細やかなサービスとともに。<br />
今、航空業界は、その歴史の中で最も厳しい競争に直面しています。高騰する燃料、激しい価格圧力、成熟による差別化要素の欠落。顧客の目から見ると、ほとんどの航空会社のブランドは基本的に同じであり、新鮮さも活力も感じない状況にあります。その価格競争が支配する業界に、一筋の光を注いだのが、A380とシンガポール航空の挑戦です。これにより、今後の航空ビジネスには、新しいニーズの広がり出て来ると考えられます。</p>

<p>今回は、A380によってシンガポール航空のブランド戦略が、今後どう強化されて行くのかを考えたいと思います。</p>

<p><br />
度重なる納入延期でメディアを賑わせ、本当に完成するのかと言われ続けた、エアバスA380。<br />
その期待値の高さもあってか、第一号を就航させたシンガポール航空にも、世界中の注目が集まりました。<br />
シンガポール航空は、いち早い最新鋭機の導入で有名な航空会社です。保有機就航年数も平均約5年と、業界でも大変短いサイクルを誇っています。また、高いサービスレベルにも定評があり、安全性、快適性、ともにトップレベルのブランドと位置づけられています。<br />
先のブランド・コミットメントに見られるように、シンガポール航空が、最新鋭機と高いサービスにこだわる背景には、独自の弱点があるためです。それは、路線です。シンガポールは、人口430万人の小さな国。アジアの経済拠点とは言え、実際にシンガポールを行き来する人は限られています。したがって、その利用用途は、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアを繋ぐ中間経由基地としての役割になります。たとえば、日本からヨーロッパに行くには、直行便もありますが、多少時間がかかるものの、シンガポール経由で行く方法もあるのです。しかし、単に時間がかかるだけでは、全ての人が直行便を選んでしまいます。シンガポール経由に振り向いてもらうためには、何か特別なメリットが必要です。それが、「最新鋭の翼とやさしいおもてなし」です。</p>

<p>シンガポール航空のA380機で、最も注目すべきは『スイートクラス』です。<br />
ファーストクラスを越える席。そのような席は、これまで世の中に存在しない未知の席です。12室限定のこの個室は、スライドドアで仕切られた完全なプライベート空間をつくり、シートは独立型のベッドに変身。ベッドメイキングもしてくれると言いますから、至れり尽くせりです。ジバンシーのリネンとパジャマ、フェラガモのアメニティなど、高級ブランドとのコラボレーション。一流シェフの食事はブランド食器で運ばれ、ドン・ペリニョンやクリュッグといった世界屈指のシャンパンが楽しめる。飛行機の常識を超えた、空飛ぶ高級ホテルと呼んだ方が正しいでしょう。</p>

<p>このスイートクラス。どれほど素晴らしい体験を約束してくれるのか。一度乗ってみたいと思う人は、世界に大勢いることでしょう。そのためのシンガポール経由であれば、飛行時間の問題は、逆に、優雅で特別な旅に置き換わるはずです。しかも、スイートクラスは、エアバスのA380の生産遅延で、当分の間はシンガポール航空が独占する貴重なサービスになる予定です。このあたり、運が良いのか、それとも全てを見越した戦略なのか。いずれにしても、A380=シンガポール航空=世界初の『スイートクラス』という、強烈なブランド・メッセージを世界に知らしめたことは事実です。</p>

<p>今回のスイートクラスに関して、ブランド戦略的に優れた点が2つあります。<br />
まず第一に、ファーストクラスの上にもう一つクラスを作った、という点です。人間は、絶対的な価値判断はできません。何が素晴らしくて、何がそうでないのか。明確に判断できる人は僅かです。しかし、「ファーストクラスよりも上」ということであれば、大方の人は想像が付くのではないでしょうか。どれほどスイートクラスが特別な体験なのかを。これが、当初の噂通り、ラウンジなどにスペースを使っていたとしたら、全く価値判断が出来なかった可能性があります。比較対象としてファーストクラスを用いたところがポイントです。<br />
もう一つは、これでシンガポール航空は世界で唯一スイートクラスを持つ航空会社になり、会社全体のプレミアムが上昇したことです。いわゆるフラッグシップ戦略です。これまでシンガポール航空を知らない人でも、今回のA380とスイートクラスの報道により、高いレベルのブランドであると、多くの人々が再定義したことでしょう。今後、他の航空会社も順次A380を導入予定ですが、仮に他社でスイートクラスを設置しても、シンガポール航空ほどのインパクトを出すことは無理でしょう。一番に挑戦した者が、すべての名声を持って行くのです。</p>

<p>路線の弱点が、他社との明確な差別化を促し、ブランド強化につながった。<br />
価格競争に明け暮れる航空業界において、非常に興味深い事例です。もし、シンガポール航空に路線の弱点がなかったら。もしかしたら、同社のブランド・コミットメントも変わり、他社同様に価格競争をしていたかもしれません。自社の弱点に向き合い、それを克服するほどの価値提供を考えることで、自ずと差別化が実現され、ブランドが強化される。そのような意味では、どのような企業にも、今以上にブランドを強化するチャンスは、いくらでもあると言って良いと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review36.html</link>
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            <pubDate>Tue, 27 May 2008 18:18:54 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>プラダ携帯に見る共同ブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>プラダ携帯が６月に発売されます。<br />
パートナーは、LGとドコモ。プラダが持つファッション性を、ハイエンド携帯市場で展開する共同ブランド戦略です。</p>

<p>共同ブランド戦略（co-brand strategy）は、どうして起こるのか。<br />
それは、特定の市場にブランドと製品が溢れる程投入され、他社製品はもちろんのこと、自社内の製品とも差別化が困難になった時に起こります。他製品と一線を画すことで、新たな認知を呼び戻し、また、成熟した市場で再び活力を取り戻すために行う、ブランド戦略の一手法です。</p>

<p>今回は、プラダ携帯のブランド戦略を通して、共同ブランド戦略のメリットとリスクについてお話ししたいと思います。</p>

<p><br />
現在、国内の携帯電話台数は、5230万台。携帯メーカーは、海外勢も含めて20社に上ります。今後、Appleから話題のiPhoneが投入されることもあり、携帯市場は、ブランド数（携帯メーカー数）、製品数ともに増加し、各社の競争は明らかに厳しさを増す傾向です。<br />
この中で発表されたプラダ携帯は、典型的な共同ブランド戦略です。</p>

<p>共同ブランド戦略のメリットは、資源と時間の短縮にあります。</p>

<p>LGの資金力と技術力をもってすれば、プラダと提携しなくても、ハイエンド機能とファッション性を兼ね備えた携帯電話を創り出すことは十分できるはずです。しかし、この場合、一から独自ブランドを浸透させるために、膨大な労力と時間が必要になります。携帯市場の製品サイクルの速さを考えると、このようなスピード感が乏しい方法は採用できません。また、高級ブランドの顧客のような、表から見えにくいニッチ層に対し、LGがピンポイントでマーケティングを仕掛けられる可能性も未知数です。このような状況を考えると、LGにとってはプラダと提携することで、ブランド認知時間の節約、顧客層の共有という、２つのメリットを享受できます。また、今回の高級ブランドとのコラボレーションが、LG自体のステイタス性を向上させる効果も期待できます。</p>

<p>では、プラダにとってのメリットは、どこにあるのでしょうか？<br />
実は、世界のファッション市場も飽和状態にあります。ジョルジオ・アルマーニやルイ・ヴィトンといった巨大高級ブランド企業の成長が緩やかになる中、躍進が止まらないドルチェ＆ガッバーナや、次々と参入する若手デザイナーブランドが追い上げています。その影響もあるのか、例えばアルマーニの事業展開は、ファッションに留まらず、家具事業、レストラン事業、ホテル事業と、ファッション以外の市場に参入を試みています。また、ルイ・ヴィトンにおいては、インドでの拡大方針を打ち出しており、収益拡大の矛先を新興市場へと向け始めています。<br />
プラダにとっても、この流れは全く関係のないことではないでしょう。業界は違えども、状況は携帯市場と非常に似ています。<br />
プラダのメリットは、事業拡張の可能性の模索と、若年層へのプラダ・ブランドの認知、この２点にあります。<br />
今回のプラダ携帯は、プラダ・ブランドのライセンス貸しではなく、LGと共同で開発をしたという熱の入れ具合です。ファッション以外の市場に対して、プラダ・ブランドが拡張可能なのか、プラダ自身が真剣に力を注いで挑戦する姿勢が見て取れます。また、他の老舗ブランド同様、主力顧客層の高齢化に伴い、事業が先細りになる危険性があります。携帯電話という、比較的若年層に馴染みがあるマーケットでプラダの名を広めることで、世代交代をスムーズに進め、この状況を乗り切る狙いもあるでしょう。</p>

<p>ドコモのメリットは、ドコモ・ブランドの活性化と、高価格帯携帯市場のシェア拡大です。<br />
auの追い上げ、ソフトバンクの参入により、苦戦が続くドコモです。ブランドとしてエネルギーを取り戻すべく、活性化要素をプラダ携帯に求めることができます。また、ドコモ自身のブランド・エッセンスとして、法人取引に代表されるように、ハイエンドユーザーへの強みがあります。このエッセンスが、高価格帯携帯市場と重なるため、シェア拡大に向けて相乗効果を生みます。続くiPhoneも同じ理論の上で展開されるはずです。</p>

<p>このように、競争が激化したマーケットでは、共同ブランド戦略はひとつの有効策です。<br />
一方、リスクも同時にあることを忘れてはいけません。共同ブランド戦略は、上手く行けば「最高」、上手く行かなければ「最低」になる戦略です。つまり、失敗した場合、自らのブランドを傷つける結果を招きます。<br />
たとえば、今回のプラダ携帯は、ver.2、ver.3と続くのかです。もし続かないのであれば、今回購入したプラダ・ファンは、次はどこの携帯買って良いものか、困惑する可能性があります。振り返れば伝説となり、大切な顧客が振り回されなければ良いのですが、それも今回の第一弾の売れ行き次第といったところでしょう。<br />
もう一つのリスクは、ファッション・ブランドのプラダにとって、本当に携帯電話市場が、ブランド拡張の矛先として最適な場所なのかです。アルマーニのように、家具、レストラン、ホテルであれば、ラグジュアリー・ライフスタイルという関連性があります。もちろん、考えようによっては携帯電話もライフスタイル・ツールの一つですが。このハイテク路線へのブランド拡張が正解かどうかを見極めるには、もう少し時間が必要なようです。<br />
しかし、今後、携帯電話を中心に個人のライフスタイルが変わって行く時代です。その大きなトレンドの中で、世界的なファッション・ブランドとして先手を打った理由は、リスク以上のリターンがあると考えたからに他ならないでしょう。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review35.html</link>
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            <pubDate>Thu, 15 May 2008 10:21:34 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>フラッグシップ戦略でステイタス性を創る</title>
            <description><![CDATA[<p>一杯、2万1000円のカクテル。<br />
先日、ホテルオークラ神戸が、市内で開かれるルーブル美術館展にあわせて発表しました。フランス産の高級コニャック、ルイ13世を使ったオリジナルカクテルです。<br />
「こんな高額なものを頼む人がいるのか」<br />
と思われる方もいると思いますが、答えは、頼む人はいません。では、なぜ、ホテルオークラ神戸は、このような発表を行ったのか。彼らの狙いは別にあるからです。</p>

<p>少なくとも、この企画は、２つのことを達成しています。<br />
１つ目は、常識はずれの価格設定によって、多くのメディアが興味を持ち、記事になりました。人が驚くようなニュースを自ら創作することで、無料の宣伝を行ったのです。良く見かけるPRの方法です。<br />
２つ目は、誰も頼まない2万1000円のカクテルですが、ホテルとしての格を上げることに役立ちます。高級な演出ができることを示すことで、ホテルオークラ神戸のステイタス性を強化することになります。実は、４ヶ月前には、名古屋東急ホテルが同様のルイ13世のカクテルを、一杯5000円で発表しました。これは、実際に飲んで頂くための価格設定であることが分かります。しかし、ホテルオークラ神戸は、あえて普通の人が手が出ない価格を打ち出すことで、プレミアム感の創出を狙ったのです。</p>

<p>さて、今回は、ブランドのステイタス性を築くための手法について考えたいと思います。</p>

<p><br />
ステイタス性を築く手法を、私は、フラッグシップ戦略と呼びます。<br />
自社のブランド・ポートフォリオ内に、あえてフラッグシップとなる商品を据え、全体のプレミアムを向上させる戦略です。分かり易い事例は、ホテルのスイートルームです。</p>

<p>どれほど高額なスイートルームが用意できるかが、そのホテルの格を表すと言います。プレジデンシャル・スイート（他の呼び方をする場合もあります）は、最も高額な部屋で、通常１泊100万円。最高級ホテルでは、１泊200万円～250万円となります。<br />
「そんな高い部屋に誰が泊まるのか」<br />
と思われるでしょう。しかし、先のルイ13世のカクテル同様、日常的に宿泊してもらわなくて良いのです。実際に、有名ホテルに本日のプレジデンシャル・スイートに空きがあるか聞いてみて下さい。多くの場合、空いていると思います。つまり、ホテルのステイタス性を高めるために保有をしている部屋なのです。<br />
では、空きがもったいないから全てリーズナブルな価格で販売したらどうでしょう。これがビジネスホテルです。効率は高まりますが、ステイタス性は消え、競争のポイントは機能と価格に重点が置かれます。同じホテル業界ですが、全く違う戦い方になります。</p>

<p>このフラッグシップ戦略。よく見ると、意外に幅広い業界で展開されています。<br />
輸入車業界では、ベンツのSクラス、BMWの7シリーズ、アウディのA8は、いずれもフラッグシップ・カーと呼ばれるラインです。しかし、各社にとって、これらの車種は、主力ブランドではありません。ベンツの最販売車種は、Eクラス。BMWの中心顧客は、3シリーズのオーナーです。そして、BMWが1シリーズに力を入れているように、各社とも低価格戦略車を充実させる方向にあります。合理的に考えれば、これらのコア・ターゲットに経営資源を集中するべきでしょう。しかし、ブランド戦略を熟知している彼らにとって、最上級車の存在は、ブランドのステイタス性を維持するために、どうしても必要な道具なのです。仮に、BMWが3シリーズだけに絞ってしまうと、国産車やアルファロメオと比較され、ブランドの強さが半減してしまうでしょう。</p>

<p>ルイヴィトンにおける、マーク・ジェイコブスのブランド・ラインもフラッグシップ戦略です。彼が生み出す奇抜なバッグは、実用性に欠け、普通の人は買いません。しかし、彼の作品が究極のポジションを取ることで、他のLV商品にプレミアム感が広がり、全体のステイタス性が高められています。<br />
クレジットカードや航空会社のポイントカードなども、簡単ですが、フラッグシップ戦略が使われています。アメックスのブラックカードは、有名なフラッグシップ・カードであり、JALマイレージバンクにおいても、クリスタル、サファイヤ、ダイヤモンドと、利用頻度によってサービスに差が付けられています。</p>

<p>このように、自身のブランド内で垂直なライン・アップを用意することで、誰でもフラッグシップ戦略を用いることが可能です。<br />
売上が伸びない、商品の魅力が落ちて来た、などの状況に直面している場合は、この手法を試されると良いと思います。その場合に重要なことは、上に向かってライン・アップを作ることです。下に向かって作ると、既存商品がフラッグシップになるため、全体のブランド価値が下がります。今、主力で売っている商品よりも、上位の商品を作ることがポイントです。いずれにしても、フラッグシップ商品は、そうそう売れません。しかし、既存商品との対比が明確になり、逆に今売っている主力商品に割安感が生まれてきます。こうなれば、ブランド全体のステイタス性が高まる上に、既存商品の活性化にも役に立ちます。　不思議な現象ですが、これが私たち人間の感覚なのです。世界中で行われているブランド戦略では、あえて顧客の上を行く、フラッグシップ戦略が使われています。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review34.html</link>
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            <pubDate>Thu, 01 May 2008 13:42:01 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>Googleに学ぶインターナル・ブランディング</title>
            <description><![CDATA[<p>"We don't just want you to have a great job. We want you to have a great life. We provide you with everything you need to be productive and happy on and off the clock."（我々はあなた方に、良い仕事に出逢うだけでなく、素晴らしい人生を見つけてもらいたい。そのために必要なものはすべて提供する）<br />
グーグル創業者のラリー・ペイジ氏が、入社希望者に語った言葉です。<br />
素晴らしい一言であり、いかにもグーグルらしい社風を物語っています。この壮大で魅力的なインターナル・ブランドに、多くの若者達が心を引かれています。米FORTUNE誌によると、全米で最も働きたい企業ベスト100社の中で、グーグルは２年連続トップを獲得しています。世界中から優れた人材が集まるグーグルにとっては、人材募集の苦労もどこ吹く風といったようです。</p>

<p>グーグル以外の企業でも、同じようなメッセージを発すれば若者達の心を掴むことができるかも知れません。しかし、果たして、本当に同じようなことを言うことができるかが課題です。あなたや私の会社は、「必要なものはすべて提供する」と宣言できる潔さがあるでしょうか。もし、宣言できないのであれば、私たちの会社は、優秀な人材確保という点において、いつもグーグルに負けていることになります。</p>

<p>さて、今回は、グーグルの社風を通して、21世紀のビジネス・マーケットで優れた人材を獲得する、インターナル・ブランドについて考えたいと思います。</p>

<p><br />
企業のブランドとは、何で構成されるのか。<br />
一般には、『顧客』、『従業員』、『株主』の、３つのステークホルダーへの対策で構成されています。日頃、考えられている企業のブランド戦略とは、『顧客』向けの対策が大部分を占めていますが、実は、残りの２つのステークホルダー向けも、重要な要素になります。なぜなら、これら３つのブランド構成要素は、互いに影響し合い、一つのブランド・アイデンティティを形成しているからです。先のグーグルの入社希望者へのメッセージは、『従業員』向け対策であることは明らかですが、その精神は『顧客』が感じるブランドと重なり合い、相乗効果をもたらしています。</p>

<p>『従業員』向けのブランド対策は、社内のことであるがゆえに、実は、おろそかになりがちです。特に、働き手不足に悩む多くの日本企業が、足元の社風を改善しないまま、優秀な人材が来てくれたらと願っている姿は、誰の目にも矛盾に映るでしょう。お金をかけた求人広告や、素敵なキャッチフレーズに引かれるのは、自己確立が未熟で、意思がはっきりしない層の人材であり、本当に優れた層は自身のアイデンティティがしっかりとした人たちです。このような自己を明確に持っている優秀な人材を獲得するには、企業側の社風も明確なアイデンティティを備える必要があります。これを、インターナル・ブランディングと言います。</p>

<p>インターナル・ブランディングは、今後、日本企業にとって非常に重要な課題になることが予想されます。<br />
その理由は、３つあります。</p>

<p>まず、10年前と比べて日本の役割が変化しました。<br />
労働型産業は中国とインドが担い、日本は頭脳型産業へ移行する必要があります。この過程で、当然、働く人々の意識や、社風にも進化が求められます。<br />
しかし、すべての日本企業が、この変化に対応できているわけではないようです。依然として、ミッションやノルマは上層部で決定し、大部分の社員は黙々と与えられた仕事をこなして行く。ホワイトカラーの仕事でさえも、工場労働的な発想で捉える傾向があります。<br />
このような過去の慣習を乗り越える方法として、グーグルの有名な『20%ルール』があります。すべての従業員は、自身の勤務時間の20%を創造的な研究活動に使って良いというものです。週５日勤務であれば、1日は自分の専門分野の開拓やキャリアアップにつながる研究を行うことができます。つまり、ノルマが降ってくる労働的な働き方ではなく、自らミッションを見つけ出し、自分の意思で実行する働き方に導く制度です。<br />
よく考えればわかりますが、本当に優秀な人材は、「言われなければやらない」や、「何をして良いかわからない」といったことはあり得ないでしょう。そのため、グーグルでは、優秀な人材の要素として創造性を重視するとともに、自分で見つけたミッションを最後までやり抜く『強い意志を持っている人』を望んでいるようです。</p>

<p>次に、優秀な人材は、向上心が強いゆえにキャリアアップを望みます。<br />
しかし、同時に、それは好条件での転職の機会を与えることになり、これに対して日本企業は寛容でない点があげられます。一度仕えたら死ぬまで離れない話は、戦国時代のことであり、今後は日本もグローバルな常識に適応して行く必要があります。コンサルティング会社のマッキンゼーによれば、優れた人材は、20年、30年先まで用意されている安定雇用よりも、5年先までしか見えなくても刺激的な仕事がしたい欲求があるという調査結果が発表されています。実力に自信がある人材ならば、企業を渡り歩くことは当然であり、これに対して企業側が柔軟でなければ、その企業にはいつも安定指向で挑戦を嫌う、極々普通の人材が集まることになります。したがって、優れた人材を自社に引き寄せるためには、彼らのキャリアアップを手伝い、成果によっては大幅な好条件を提示する社風をつくることが求められます。</p>

<p>最後に、日本企業は、優秀な人材も、普通の人材も、一緒くたに扱う傾向があります。職位や報酬においてあまり差を付けない。これが日本流の『秩序』というものですが、グローバル・マーケットで人材獲得競争が激化する中、この秩序がどこまで維持できるかが問題です。日本企業がこの秩序を守る背景に、一度入社してしまえば社員は『身内』であるという意識が少なからずあり、身内に大きな差を付けることは日本の慣習としてやりにくいことです。しかし、近年、企業業績が復調しても、会社員の平均給与は減少傾向をたどっています。これは、日本市場が依然と低成長で推移する中、もしものためのキャッシュフローを潤沢に用意しておきたいという企業側の姿勢です。ただ、実力に自信がある人材であれば、この状況をずっと見守っているはずはないでしょう。海外の条件の良い企業へ流出する可能性は大いにあり、彼らを引き止める何らかの対策が必要です。</p>

<p>普通の人材が100人辞めるよりも、優れた人材を1人失う方が、企業にとってダメージが大きい時代に入りました。人海戦術で勝利できるのは、今後は中国かインドだけでしょう。これからの時代は、優れた人材を魅了する企業は、ますます優れた人材で構成され、そうでない企業とは大きな競争力の差が生まれると考えられます。これは全世界で起きている人材の争奪戦であり、それゆえにインターナル・ブランド戦略が重要な役割を果します。世界的にも数が少なく、自己のアイデンティティを確立している優秀な人材を振り向かせるには、顧客マーケティングと同様のブランド戦略が大切であると言えます。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review33.html</link>
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            <pubDate>Tue, 15 Apr 2008 02:04:09 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ジャガー買収に見るインド・タタ自動車のブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>イギリスの伝統を誇る自動車ブランド、ジャガーとランドローバー。<br />
先週、インドのタタ自動車が、不振が続くフォードから23億ドルで買収しました。そして今週、タタ自動車は、今夏にも東京証券取引所に上場予定であることが判明しました。資金調達規模は1000億円を越えると言われています。</p>

<p>タタ自動車と言えば、今年初めに28万円の超低価格自動車の発表をした、大手財閥タタ・グループの自動車部門です。グループの総帥であるラタン・タタ氏は、フォーチュン誌の"25 most powerful people in business"において、2007年に最も影響力のあった人物として、19位にランキングされています。25位のルイヴィトン・モエ・ヘネシー会長のベルナール・アルノー氏を越えてのランキングであることを考えると、世界的にも相当な存在感が出て来ている人物です。</p>

<p>欧米の歴史あるブランドを、次々と買収する新興国の企業グループ。<br />
今回は、インド・タタ自動車のブランド買収を通して、新興国企業が展開するブランド戦略の勝算について考えたいと思います。</p>

<p><br />
インド国内において、あらゆるビジネス領域で展開し、常にその上位に君臨するタタ・グループ。<br />
自国のすべてを手にしたラタン・タタ氏にとって、次なる野望は、当然ながらインド国外への挑戦です。すでに鉄鋼分野では、昨年の英鉄鋼大手コーラス買収で大きな注目を集め、メジャーの仲間入りを果たしました。今後は、自動車分野での世界進出を成功させるにあたり、ラタン・タタ氏がどうしても手に入れなければならない武器が、『ブランド力』です。</p>

<p>人は、知らないものは買わない---<br />
これは世界共通の人間の深層心理であり、ブランド構築の基本的な考え方です。<br />
インド国内であれば、業界２位のタタ自動車の名を知らない人は少ないはずです。しかし、国外から見れば、自動車メーカーとしては小規模な企業（売上高8000億円）であり、最も世界の注目を得た28万円の超低価格乗用車の発表が、多くの人がその名前を知った最初の機会でしょう。これまでも韓国の自動車メーカーとの提携や、ニューヨーク市場への上場など、タタ自動車に関する情報は度々あったものの、世界に激震を与えたニュースは先の超低価格車のプレス発表です。したがって、タタ自動車の認知は、極々最近、世界で始まったと言って良いでしょう。<br />
しかし、今後、28万円の超低価格車を世界各国で販売するにあたり、さらなる知名度と、信頼感を得て行く必要があることは明らかです。つまり、ブランド力の向上です。そのツールとして最適だったのが、今回のジャガーとランドローバーというプレステージ自動車メーカーの買収であると考えられます。この２つのブランドの補充により、世界の自動車業界の中で『知っている感』を創出し、タタ自動車をグローバル・ブランドとして認知させて行く、大きな一歩を踏み出すことが可能になります。</p>

<p>また、この買収作戦は、今後予定されている東京証券取引所への上場にも好影響をもたらすはずです。新しく得たブランドの知名度を大いに活用し、日本国内での資金調達をスムーズに進めることができます。つまり、ブランド力の強化は、各国での売上高に貢献するだけでなく、資金調達も容易にさせます。調達資金を、次のブランド買収に投入することで、さらなるブランド力の向上を生み出し、それをテコにまた次の資金調達を行う。ブランド戦略を利用したエクイティファイナンスが成立します。</p>

<p>さて、このタタ自動車ですが、どこまでブランド買収を重ねて行くつもりなのか。<br />
ブランド・ポートフォリオの観点から見ると、ジャガーとランドローバーのブレシテージブランドは、自動車の購買層におけるトップレイヤーをカバーします。一方、28万円の『ナノ』ブランドはボトムレイヤーを独占する勢いになるでしょう。したがって、ブランド・ポートフォリオとして完成させるには、今後はミドルレイヤーを狙えるブランドの補充が必要です。今夏に予定されている東京市場への上場も、日本のミドルレイヤー向けの自動車メーカーへのM&A攻勢では、との声も聞かれます。同じ日に、トヨタがスバルへの出資を最大17％に引き上げる方針を発表したことも、単なる偶然でしょうが、非常に興味深いタイミングです。いずれにしても、タタ自動車が、日本の自動車メーカーに興味あるか否かにかかわらず、近い将来ブランド・ポートフォリオの足りない部分をM&Aで足して行くことは、理論上、最も起こりうることと言えます。</p>

<p>一方、今回買収したジャガーなどの慢性的な赤字会社の再建を、疑問視する声もあります。<br />
ブランド・ポートフォリオが完成するまで、タタ自動車のM&Aは繰り広げられることが予想されますが、その過程において買収したブランドが依然と赤字を出し続けるようでは、資金調達とブランド戦略の好循環が終わる日が来るだろう、という意見です。<br />
このような見方に対し、中国Lenovoによる、IBM ThinkPadの買収事例が、一つの参考になります。買収後のThinkPadは、中国国内の旺盛な需要により、Lenovoが当初予想した以上の好業績をあげています。今回のジャガー再建も、右肩上がりのインド国内の需要をダイレクトに掴むことで、誰も成し遂げなかった黒字化が実現することさえあります。これら世界第一位と第二位の人口を誇る２大新興国の需要は、これまで世界が出会ったこともないほどのスケールであり、サブプライム危機で多少の水が差されたとしても、これで終わるはずはありません。逆に、サブプライムで引き上げられた投資資金が、再び向かう先は間違いなく、世界で最も高い成長を遂げている新興国でしょう。このような背景から考えても、タタ自動車のブランド買収戦略には追い風が吹いており、大きな勝算があると言えます。タタ自動車が、そのブランド・ポートフォリオを完成させる日は、私たちの想像以上に早く訪れるかも知れません。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review32.html</link>
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            <pubDate>Thu, 03 Apr 2008 15:05:51 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>米国における未公開企業の最前線（後編）</title>
            <description><![CDATA[<p>昨年の米国ベンチャー企業の成長ランキングでは、サブプライムローンに関わる会社が上位に食い込んでいます。<br />
これは、サブプライム危機が表面化する前の成績です。このことからも、サブプライムはベンチャー企業にとっても空前のバブルだったことが分かります。しかし、現在、これらの中には存続すら危うい会社もあるでしょう。まさに、天国から地獄へ、といった状況です。その企業の多くが、金融の中心地であるNYを含めた東海岸を拠点としています。<br />
金融サービスはもちろん、それに関わる広告・マーケティング、人材サービス、設備、ITなど、これらサブプライムで潤った未公開企業は、今年の成長ランキングで姿を見ることはないでしょう。したがって、今後の米国ベンチャーの動向を見るには、東海岸のビジネスを除いて考える必要があります。</p>

<p>もともと、アメリカの東海岸と西海岸では、ビジネス風土が大きく異なります。<br />
さて、今回はこの風土の違いと、西海岸的なビジネスについて考えたいと思います。</p>

<p><br />
先日、このビジネスレビューの読者であるS氏から、西海岸のベンチャーについて興味深い情報を頂きました。<br />
彼は、現在、シリコンバレーで新しいビジネスの発掘を行っています。その一つに、Kiva.org（<a href="http://www.kiva.org/" target="_blank">http://www.kiva.org/</a>）というベンチャー企業の話がありました。</p>

<p>Kiva.orgは、『マイクロファイナンス』のネット企業であり、現在、注目を集めているそうです。<br />
マイクロファイナンスとは、一般の人が$10、$20のレベルで事業投資することです。Kiva.orgは、サイトを軸に世界中の人々と起業家を結び付ける、SNS型の投資プラットフォームを提供しています。例えば、アフリカに住む起業家がクリーニング屋さんを始めたいとした時、kiva.orgに登録している一般投資家に5%～8%の配当を払ってお金を調達した方が、地元の銀行から10%で借りるよりも得になります。一方、一般投資家にとっては、$10、$20のレベルでの投資が可能になり、これまでにない、新たな投資機会を得ることができるというビジネスモデルです。<br />
普通の一般人がこのSNSサイトを見て、興味を持った企業に気軽に投資したり、投資を受けた起業家の方も事業概況報告をブログで行ったりしています。ブログですから、普通に日記と写真です。何ともカジュアルな投資活動に感心しますが、さらに驚くことに、この企業は、NGOであり、そのミッションは世界平和を掲げています。つまり、富を持つ先進国の人々が、発展途上の起業家にパーソナルなレベルで資金提供することにより、富を再分配しようということです。</p>

<p>この事業が、画期的なベンチャービジネスとして注目されるのは、いかにも西海岸的なビジネス風土です。東海岸の権威的なビジネス風土では、このような不安定要素の多い投資サービスを認めるはずがありません。（とは言え、サブプライムローンは認め、大火傷を負っていますので、いささか矛盾していますが）<br />
しかし、この会社のプロジェクトには、既に、他の多くの企業が参画しています。YouTube、Google、Yahoo、Microsoft、 Lenovo、 paypalなどの企業です。例えば、Kiva.orgサイトのハードウェアはMicrosoftが提供。決済手段は、paypalが提供しています。</p>

<p>西海岸の目の付けどころは、目先の『儲け』から入るのではなく、『世界にあったら良いだろう』といった理想論的な発想が特徴です。YouTube、Google、Yahooなど、その背景に同様のアイデンティティが存在します。これが、西海岸ビジネスにおけるブランド・イメージの根底を支えていることがわかります。<br />
一方、東海岸は、より権威的な事業を好み、資金力を活かした資本主義的なビジネス風土を育んでいます。『儲け』と『社会貢献』を混同することは、まずあり得ません。したがって、SNSのようなビジネスを理解するには、ビジネス風土があまりにも違いすぎていると言えるでしょう。</p>

<p>S氏によると、シリコンバレーは、まだ、サブプライムの影響をそれほど受けていないようです。<br />
今後、米国は、サブプライムの震源地である東海岸から、ビジネス風土が異なる西海岸へ、成長の拠点が大きくシフトする可能性があります。広告・メディア業界においては既に、東海岸を拠点とする従来型のTV、新聞、雑誌といった媒体から、Yahoo、Google、Youtube、Facebookなどの西海岸のインターネットメディアへ、確実に影響力が移っています。そこに東海岸ビジネスの中心である金融サービスに打撃を受けたわけですから、しばらくはこの地域での成長期待は遠のくでしょう。<br />
逆に、西海岸に資本と人材が流れ、これまで以上に活性化するシナリオも考えられます。今後の西海岸のベンチャービジネスに注目をしたいところです。</p>]]></description>
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            <pubDate>Wed, 26 Mar 2008 17:25:29 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>米国における未公開企業の最前線（前編）</title>
            <description><![CDATA[<p>ベンチャービジネスの中心地である米国。<br />
その最前線の動向を知るには、Inc（インク）という雑誌があります。<br />
日本にもベンチャー系の雑誌がいくつかありますが、Incがそれらと大きく違うところは、全米の未公開企業を対象に、成長率上位5000社のデータを毎年発表している点です。このデータを利用すれば、総合順位から、今どのような業種が成長率が高いのか、また、各業種別においてどのようなビジネスが頭角を現わし始めているのか、時代に先駆けて発見することができます。<br />
例えば、2007年の米国の広告業界で急成長した企業の特徴は、YahooやGoogleに代表されるPay Per Click（クリック課金）方式の広告ではなく、Pay Per Lead（引き合い獲得課金）方式を手掛けていたベンチャーでした。この事実が示しているものは、クリック課金型広告がコモディティ化の時代に入ったことと、顧客は広告にさらなる高い精度を求める傾向が顕著になっていることです。そして、2008年には、さらにPay Per Lead方式の広告ビジネスが、米国内で大きくシェアを伸ばすことが予想できます。</p>

<p>今回は、最前線の米国ベンチャービジネスの成長動向を通して、今後のビジネス・トレンドを考えたいと思います。</p>

<p><br />
さて、このIncという雑誌。<br />
私も定期購読でここ数年、アメリカから取り寄せているのですが、非常にユニークな雑誌です。<br />
まず、未公開企業の成長率ランキングを算出するには、各社の決算情報が必要なはずです。上場企業のデータならば、証券取引所を通して発表されるため入手は簡単ですが、まだ公開していない、いわゆる草の根のベンチャー企業の決算情報をどうやって集めるのか。最初の疑問です。<br />
しかし、Incの情報収集の仕組みは、至ってシンプルです。<br />
１）全米の未公開企業がIncに対して、過去３年分の決済情報を送る<br />
２）Incはそれを元に、成長率ランキングを算出し、発表する<br />
不思議なことは、未公開企業が好んで自社の機密である決算情報をIncに提供する点です。これにも理由がありました。</p>

<p>米国は、ムーディーズやS&Pに代表されるように、格付を重視する国です。<br />
フォーブスのビリオネア・ランキングは有名ですが、この他にも、住みたい都市のランキングや、上司にしたいCEOランキングなど、米国には様々な格付が星の数ほどあります。そして、この格付によって、企業や自治体、プロフェッショナルたちの評判が左右され、個々の収益や業績にも大きく跳ね返って来る。そのため、米国のベンチャー企業にとって、Incのランキングに掲載されることは、社会的評判と信用力の向上につながり、さらなる成長へ向けてのステップになるというわけです。</p>

<p>さて、今回は2007年に急成長した、広告・マーケティング業部門のベンチャー企業を見て行きましょう。<br />
先ほどお話しした通り、Pay Per Lead方式のビジネスが躍進を遂げています。ランキング上位に入った<a href="http://www.hydranetwork.com/" target="_blank">HydraMedia</a>は、従業員40名のビバリーヒルズにあるベンチャー企業ですが、この３年間の成長率は6,000%。売上は70万ドル（約7,500万円）から4300万ドル（46億円）に跳ね上がっています。この成長を主導したのが、『You pay only for Result』のキャッチコピーが示す通り、Pay Per Lead方式のビジネスです。同じカリフォルニアにある<a href="http://vantagemedia.com/" target="_blank">Vantage Media</a>も、同様の手法で、売上高を160万ドル（約1億7000万円）から4800万ドル（約51億円）に伸ばしています。<br />
Pay Per Lead方式の広告ビジネスには、いくつかの種類があります。Vantage Mediaの場合は、検索エンジン、ポータル、アフィリエイト、メールの各広告媒体を研究し、最も投資対効果（ROI）が高い資金配分方法を解明し、このマトリックスを独自システムを通して顧客に提供することで、ある一定以上の成果を保証しています。<br />
日本国内のネット広告代理店の多くは、検索エンジン広告への単純な出稿代行が主業務であり、頭脳よりも体力を使った営業に終始していますが、今後米国と同様に、クリック課金型広告の貧弱なROIの認識が顧客サイドで高まるにつれ、何らかの手を打つ必要が出て来るはずです。その場合、Pay Per Lead方式への移行が有力ですが、同時に、最適な資金配分を可能にするマトリックスの解明と、実行する独自システムが必要になります。これまで、ネット広告代理店とは言え、営業マンが手動で取り次いで来たアナログな国内のネット広告代理事業。今後は、真にテクノロジーを利用し、人間の能力を超えたサービスができるかが課題でしょう。または、Vantage Mediaのような米国ベンチャーのロジックを、ロイヤリティを払って使わせてもらう方法も残されています。</p>

<p>このような新しいビジネスのトレンドを知ることは、ブランド戦略にとっても重要です。<br />
『新しい』ということは、企業にとって、ブランド活性化要素となるからです。逆に、『古い』ということが、ブランドを強化することはありません。歴史や伝統は、立派なアイデンティティの一つですが、それだけではブランド力はとは言えないからです。やはり、ルイヴィトンが伝統的なモノグラムを作る一方で、毎年、斬新な新作を発表する絶妙なバランスが、その企業のブランドの奥深さを創り上げています。したがって、既存事業を拡大させながらも、時代のトレンドを読み、新しい発想を絶えず仕入れておくことが重要であると思います。</p>

<p>次回は、急成長している他の業種も見て行きたいと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review30.html</link>
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            <pubDate>Wed, 27 Feb 2008 18:32:05 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>米大統領選に見るブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>『CHANGE』<br />
何とシンプルなメッセージなのか。<br />
2008年の米大統領選は、民主党内で２大候補が接戦をするという、異例の事態に世界中の興味が集まっています。実績を訴えるヒラリー・クリントン氏に対し、変革を叫ぶバラック・オバマ氏。マーケット・リーダ－対チャレンジャー。この競争構図の分かり易さが、多くの人々の興味を引き付ける要因になっています。</p>

<p>その中で、『CHANGE』という、誰にでも理解できる、たった一言を掲げるオバマ氏の戦略。<br />
立候補当初はなかった、この一言が、今、着実に彼の躍進の追い風となっています。<br />
明確なブランド・アイデンティティを作り出し、一貫した情報発信を行う。ブランド戦略の基本中の基本を押さえた手法です。<br />
なぜ、この明確さが必要なのか。その理由の一つに、米大統領選は、広大なアメリカ合衆国全土を舞台にした、壮大な競争であることがあげられます。ニューヨークからシアトル、サンフランシスコまでの、東西南北の合計距離は、実に日本からインドまでの距離と同じです。物理的に細かな政策を語り歩くことは不可能であり、単純かつ強いメーッセージが、最終的に威力を発揮します。</p>

<p>今回は、米大統領選の民主党候補者争いにおける、オバマ氏とクリントン氏のブランド戦略について考えたいと思います。</p>

<p><br />
企業にとっても、個人にとっても、自身のことを一言で表現することは難しいことです。<br />
様々な経験や長い歴史が重なり合い、今の自分を構成しているからです。その膨大な構成要素を整理し、一言に集約することは、並大抵の努力ではありません。しかし、社内にしろ、顧客にしろ、人の支持を集めるには、この難題を実行するところに真の強さが生まれてきます。これが、ブランド・アイデンティティです。</p>

<p>バラック・オバマ氏は、これを見事に実行しています。<br />
『CHANGE』。この言葉は、小さな子供でも理解できるほど、単純でストレートです。本来は、「どうCHANGEするのか」という、その内容の質が問われても良いはずですが、オバマ氏の『CHANGE』は、内容以前の競争威力を生み出しているように見えます。それは、『オバマ氏＝CHANGE』、『クリントン氏＝NOT CHANGE』という、両者のブランド・アイデンティティの競争です。実際に、クリントン氏が、『NOT CHANGE』なわけでも何でもありません。初の女性大統領は、大きなCHANGEになることでしょう。しかし、オバマ氏の『CHANGE』キャンペーンが繰り広げる一貫した強いメッセージが、あたかも両者をそのようなイメージの対立に見せているのです。</p>

<p>ブランド戦略の驚異的な力は、このアイデンティティが人々に伝染するところです。<br />
以前、お話ししたアップルやヴァージンの事例。消費者が、これら革新的な企業の製品を持ったり、関わったりすることで、あたかも自分自身も先進的でクールな存在になった気になり、『自分＝クール』というアイデンティティの欲求が満たされます。<br />
同様に、オバマ氏の『CHANGE』も、人々のアイデンティティに伝染します。オバマ氏を支持することで、自分自身も『CHANGE』というアイデンティティを手に入れることができるのです。先にお話ししたように、個人にとって、自身のことを一言で表現することは難しいことです。自らのアイデンティティを明確に把握して生きている人は極々僅かです。そこに、『CHANGE』という、単純で強いアイデンティティの持ち主が現れたらどうでしょう。是非そのアイデンティティを自分も共有したい、と感じることは、至って普通のことなのです。</p>

<p>一方、クリントン氏は、その組織力、資金力を活用したキャンペーンが最大の特徴です。前大統領のビル・クリントン氏が側にいることから、ブランド戦略的に見ると、マスターブランドは、ビル・クリントン・ブランドとなります。成功した政治家ファミリーであり、今や代表的な『老舗ブランド』です。今回の候補者争いでは、明らかにマーケット・リーダーの立場であり、多くのマーケット・リーダーが実践するように、そのブランド・アイデンティティを、豊富な実績と経験、安心と信頼、洗練された知識などで構成しています。要するに、権威的なイメージの創出です。</p>

<p>このように両候補のキャンペーン活動を注意深く見ると、それぞれのポジションと戦略がはっきりしてきます。<br />
もちろん、両陣営には、このブランド戦略を取り仕切るコンサルタントがいるはずです。<br />
オバマ氏の場合、その若さゆえに、クリントン氏よりも経験力で弱みがあります。しかし、この点を逆手に取り、『CHANGE』キャンペーンを行う、『若き変革者』の姿を演出しています。また。変革者にふさわしい、斬新なCMの放映、Youtubeの利用、先進性が感じられるウェブサイトやロゴマークなど、一貫したブランド・イメージにも気を配られていることが分かります。<br />
一方、クリントン氏は、老舗ブランドとしての権威が強みです。同時にそれは、変革から遠いイメージという点で、弱みでもあります。このイメージをどう払拭し、老舗ブランドの強さをアピールできるかが、今後のポイントでしょう。<br />
実際に、どちらの候補が勝つのかと言う点については、政治の話になりますのでここでは避けますが、ブランド戦略的に見ると両者の戦略には学ぶところがたくさんあります。<br />
特に、このところのオバマ氏の躍進は、『CHANGE』を軸にしたブランド戦略が効いていることは明らかです。最終的に、強いブランドは、活力があり、エネルギッシュであると言われています。そのような意味でも、今後のオバマ氏の『CHANGE』戦略に注目したいところです。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review29.html</link>
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            <pubDate>Mon, 18 Feb 2008 11:43:44 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>視点による価値創造をどう進めるのか</title>
            <description><![CDATA[<p>健康エコナのヒットは、花王の事業戦略に大きな可能性をつくりました。<br />
それは、新たな収益源を得たというだけでなく、『花王＝健康』というブランド・イメージを確立することに成功したからです。その後に投入された、健康エコナ マヨネーズタイプ、健康エコナクッキングオイル、ヘルシア緑茶は、このブランド・イメージを最大限に活用したものです。しかし、もっと驚くべきことは、この健康エコナ誕生のきっかけとなったのが、全く別の部門である工業用品の研究だということです。工業用の油を研究しているうちに、消費者向け健康油の製品化に成功した。まさに、技術と発想を組み合わせた、『視点による価値創造』が実現された瞬間です。</p>

<p>視点による価値創造は、どのようにして起こるのか。今回は、優れた技術を持つ日本企業にとって、今、最も必要とされる着眼点について考えたいと思います。</p>

<p><br />
技術と発想を組み合わせて誕生した、花王の健康エコナ。<br />
工業用油の研究の過程で発見したとはいえ、それを消費者向け製品に活かすとは、相当な発想力が必要です。しかし、この『発想力』とは、明らかに技術的な発想力ではありません。技術的な発想力であれば、工業用油を産業界を越えて消費者用に使おうという考えも浮かばないでしょう。では、どのような発想力なのでしょうか。</p>

<p>それは、マーケットの視点に基づく発想です。<br />
『視点による価値創造』とは、マーケットの『視点』です。近年、顧客視点が重要であると叫ばれていますが、顧客の目線で考えることは間違いなく重要です。しかし、上の事例を見る限りでは、単に顧客視点を意識するのであれば、産業界の顧客に限定してしまい、健康エコナが消費者向けの製品として誕生する理由は説明できません。このことが示すように、顧客視点の重要性は変わらないものの、視点による価値創造を行うには、より広い視点、つまりマーケットの視点が必要であることがわかります。</p>

<p>では、マーケットの視点とは、どのように開発するのか。</p>

<p>IBMを再建した人物として有名な、ルイス・ガースナー氏。90年代前半に瀕死のIBMを立て直した方法は、サービス事業の強化でした。それまでのIBMは、世界一のスパコンに代表される技術力が価値創造の源泉でしたが、急速な日本の技術力の台頭により、従来のような競争優位を維持できない状況に陥っていました。一方、時代は、企業運営においてITが根幹となるにつれ、技術の単品販売ではなく、より経営視点から見た総合的なサービスを求めるようになります。ルイス・ガースナー氏は、このトレンドを読み、ハードのIBMを、サービスのIBMへと進化させて行きました。ガースナー氏が作ったこの流れは、今日のIBMでも健在であり、様々な分野でのコンサルティングを用いた上流過程からアプローチ手法は、今やIBMのブランド・アイデンティティとなっています。<br />
昨年の12月に、日本HPの社長に就任した小出伸一氏も、ルイス・ガースナー氏の手法を評価し、「顧客が経営やビジネスに困ったとき、最初に相談してみようと思われる戦略的パートナーになりたい」と話していることからも、ガースナー氏は誰よりも早くマーケット・ニーズを読んだことが分かります。</p>

<p>このことが示すように、マーケットの視点を開発するには、まず、トレンドを読むことです。<br />
時代はどう進むのか。企業や消費者のニーズは、どのような傾向があるのか。特に、世界中で起きているメガトレンドは、最重要トレンドであると言って良いでしょう。健康エコナにおける『健康トレンド』や、IBMにおける『経営戦略トレンド』も、どちらもメガトレンドです。トレンドは、マーケットに影響を及ぼし、マーケットは顧客に影響を与えます。したがって、顧客視点は重要ですが、同時にそれは今現在のニーズを切り取った形であると割り切り、大きな時代の流れの中で先手を打つには、より広い視点が必要です。</p>

<p>例えば、BtoB企業の場合、日本が持つ高度な技術力に、経営戦略相談のような知的サービスを合体させることにより、世界が求める上流アプローチが可能になります。優れた技術であっても、それは一つのアウトプットに過ぎず、時代はより本質的な課題を相談できる戦略バートナーを求めています。顧客が、自社の技術に興味を抱くまで待っているのか、それとも、顧客と経営視点を共有しながら課題を解決し、その過程で自社の技術を導入するのかでは、大きな違いが生まれます。<br />
このようなアプローチは、顧客の本質的課題とダイレクトに接するため、『視点』が磨かれ、次のマーケット・ニーズを予測することにも貢献します。また、仮に将来、中国やインドといった新興国が日本と同等な技術力を持ったとしても、日本が経営視点から解決するインテリジェンスを蓄積するのであれば、脅威にさらされたり、真っ向から競争することは避けられるでしょう。今現在の競争力を強化する上でも、また、将来の競争力を維持する上でも、有効であると言えます。</p>

<p>「日本は欧米に並んだ」と言う人もいます。『技術による価値創造』は、その通りでしょう。しかし、一歩進んで『視点による価値創造』においても並んだのか、と言うと、この点においては私たちは全く歩き始めたばかりと言えます。ビジネスにおいてトレンドを読むことが重要なのであれば、新しい価値創造のトレンドも、必ず日本に訪れることでしょう。</p>]]></description>
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            <pubDate>Fri, 08 Feb 2008 15:29:22 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>国内市場再生の鍵となる価値創造のトレンド</title>
            <description><![CDATA[<p>「日本マーケットには、もはや魅力がない」<br />
世界からはこのように見られていると、最近の新聞やニュースコラムで盛んに言われています。<br />
では、どこのマーケットであれば、魅力があるのか。経済評論家やコラムニストが口を揃えて言うのは、中国やインドをはじめとしたBRICsマーケットです。彼らの理由は簡単です。中国やインドは、２ケタ近い成長を続けています。世界の３分の１を占める膨大な人口も、年々増加しています。つまり、経済と人口がともに拡大しているところに投資が集まるという、至ってシンプルな理由です。一方、日本の状況は、対局にあると。人口減少は続き、経済成長も良くて数パーセント。北米や中国、インドの成長に、運良く連れ高している状況であると言います。<br />
確かに、数字上は、このまま日本マーケットの魅力が薄れて行くように見えます。ただ、前提条件として、我々日本人が、全く暢気で、お人好しで、知恵を絞って努力することができないのであればの話です。</p>

<p>パイの大きさが固定化している国内市場でどう事業を広げるのか。そして、引いては海外展開を進め、日本マーケットに再び魅力を取り戻すことができるのか。今回は、グローバルマーケットの視点から、国内マーケットの攻略方法を考えたいと思います。</p>

<p><br />
まず、経済成長していないマーケットは、パイの大きさが決まっているということを、念頭に置かなければなりません。現在の国内市場は、成長が止まっていますから、パイの大きさは昨年も、今年も、来年も変わらないと考えることができます。むしろ、人口減とともに、緩やかにパイは縮小するでしょう。<br />
このような環境で、自社の事業を拡大し、毎年売上を向上させるということは、同時に他の誰かが売上を減らし、その事業が縮小しなければ成立しません。国内市場の大きさは固定化されており、椅子取りゲームのような状態になっているからです。日本のマーケットで売上を増やすということは、他社から売上を奪うという、大変人聞きの悪い話になります。しかし、露骨に低価格を押し進め、競合他社の売上をストレートに奪うばかりが方法ではありません。グローバルマーケット全体のトレンドを見ると、もう少し有効な方法が見えてきます。</p>

<p>限られたパイの中で、自社の事業を拡大し、売上を上げるには、『新しい価値を創造』が重要です。『新しい価値の創造』とは、よく企業のトップがビジョンに掲げる言葉ですが、具体的には以下の３つの要素で実現するものと考えられます。<br />
１）価格<br />
２）技術<br />
３）視点</p>

<p>『価格』において新しい価値を創造するということは、低価格ということです。従来1000円したものを、500円で売る。現在の中国やインドの台頭を支えているのは、この価値です。先日、インドのタタ自動車が10万インドルピー(約28万円)の超価格破壊なクルマを発表した背景にも、価値の根源を『価格』に置く戦略が見えます。<br />
『技術』においての新しい価値は、現在の日本が得意とする分野です。高画質DVDのブルーレイ・ディスクに代表されるように、日本企業は世界的な支持を集める優れた技術を持っています。技術立国の日本と言われる理由です。<br />
『視点』の新しい価値とは、現在のアメリカが得意とするやり方です。たとえば、グーグル。学生だった創業者のラリー・ページ氏とセルゲイ・ブリン氏が、世界で最も優れた検索エンジンの技術を生み出しただけでは、今のような巨大な企業にはならなかったでしょう。その後の広告事業という『視点』を加えたことにより、はじめて彼らの技術はビジネス的な価値創造を生み出すこととなりました。そのような意味では、アップルも技術だけではなく、視点で価値を作る戦略です。最近の日本企業では、任天堂が唯一、この視点の価値創造によって、Wiiのヒットを実現させた代表です。</p>

<p>もうお分かりだと思いますが、ここからグローバルマーケットのトレンドが見えてきます。<br />
経済の近代化の流れは、米国→日本→中国・インドの順で起こっています。これに価値創造のトレンドを重ねると、視点（米国）→技術（日本）→価格（中国・インド）となります。つまり、近い将来、『視点を軸にした価値創造』は、必ず日本に来るということです。</p>

<p>優れた技術を保有しながらも、低成長に甘んじている日本に、首を傾げているのは私だけではないでしょう。しかし、少し引いてグローバルマーケット全体の流れを見ると、まだまだ私たちがキャッチしきれていないトレンドがあるようです。パイが決まっている国内市場においても、『視点』に価値創造を求めることで、従来商品のリプレイスを実現し、事業拡大を行うチャンスは山ほどあると考えられます。なぜなら、多くの日本企業は依然として『技術』に価値創造の軸を求めており、次の価値創造の軸は『視点』となるはずだからです。Wiiの成功は、その大きなトレンドの序章です。優れた技術を追求すると同時に、優れた視点も加える必要がある。我々日本人が、国内市場を視点による価値創造で戦い、その最先端の手法をアジアや世界に広げることにより、再び日本に注目を集めることができるのではないかと考えています。</p>

<p>次回は、この『視点による価値創造』を行うにあたり、具体的にどのように進めるかを考えてみたいと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review27.html</link>
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            <pubDate>Thu, 31 Jan 2008 14:06:07 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>所得格差がマーケティング戦略を変える</title>
            <description><![CDATA[<p>NYで働く知人が、先日、ショックな話をしてくれました。<br />
それは、テレビで日本の所得格差に関するニュースが流れていた時の話です。</p>

<p>「アメリカの中流層って、具体的にどのくらいの世帯所得か知っていますか？」<br />
とっさに私は、日本ならば年収500万円から1000万円くらいだろうか、と頭に浮かび、そう答えると、知人は首を横に振り、こう教えてくれました。<br />
「年収5万ドルから25万ドルが、アメリカではミドル（中流層）と定義されているのですよ」</p>

<p>5万ドルは日本円で530万円ですから、ひとまず正解でした。が、25万ドルは2650万円にもなります。<br />
世帯年収2650万円以下は中流である、という事実。彼の話はこう続きます。<br />
アメリカでは、ミリオン（つまり億）単位の所得を取っている人たちも大勢いるため、あえて中流層を定義すると25万ドル近辺までを含むことになると。ただ、中流層といっても5万ドルと25万ドルでは大違いであり、マーケティングの視点からは全体を2つのグループに分けて考えるそうです。それが、アッパーミドル（上級中流層）と、ロワーミドル（下級中流層）。この２つのグループに働きかけるマーケティング戦略は、同じ中流層向けでも全く種類が違うと言います。</p>

<p>さて、日本でも所得格差が注目であり、いつかはアメリカを追うことになるかも知れません。今回は、所得格差によって変わるマーケティング戦略について考えたいと思います。</p>

<p><br />
まず、アッパーミドルとロワーミドル、この2つのグループの特性を見てみましょう。</p>

<p>アッパーミドルは、収入面で何らかの成功を収めた人々です。企業の幹部、医療・法律・金融など各分野でのスペシャリスト、中小企業の経営者などが、このグループに属します。彼らがここまでの成功に至った理由の一つに、他よりも多くの知識を得て来たことが挙げられます。1日24時間という同じリミットの中で、他よりも成果を出すには、時間ではなく、頭脳で稼ぐしか方法がないと知っている人々です。したがって、このグループの特性は、『教育』に非常に興味を持っていることです。子供の教育はもちろん、自分自身においても、常に教育的な視点を持っています。<br />
もう一つの特性は、『価値を見抜く』ことを心がけていることです。価値やチャンスが見抜けずに、アッパーミドルに到達する人は稀でしょう。したがって、この層は、自分の価値観がはっきりしているグループです。あまり世間の流行や、他人の意見に左右されることはありません。野球のバッターに例えるならば、いろいろなボールに手を出さず、打つべきボールだけ、必ず打ちに行くタイプです。</p>

<p>一方、ロワーミドルは、一般のホワイトカラーから、自営業者、中小企業の管理職が含まれます。このグループの特徴は、年収5万ドルに近づくにつれ、世間の流行や他人の話に関心があることです。自身の価値観はあるものの、それとは別の次元で、むしろ社会との協調性を重んじるタイプです。したがって、同世代が家を買うと、同じように家を探し、車を買い替えると、同じように新しい車が気になります。また、この協調性は、家庭では『家族思い』や『ファミリー志向』として発揮されることがあります。<br />
もう一つの特性は、『節約志向』であることです。価値よりも、価格に引かれるグループです。これは、将来の家族の増加や、老後の人生設計を考えた場合、節約を重視することは当然と言えるでしょう。したがって、高価なものよりも、お得なものを好む傾向があり、賢い出費を心がけます。勤勉に働き、節約を心がけ、幸せな家族を持つ。これが、このグループの特性と言えます。</p>

<p>さて、次に、この2つのグループに効果的なマーケティング戦略を考えてみましょう。</p>

<p>アッパーミドルをターゲットにする場合、マーケティングで効果を上げるには、『教育的視点』と『洗練された価値観』に応える戦略である必要があります。教育的視点とは、単に商品の魅力をアピールするだけでなく、それが必要とされる背景や、時代を先行する考え方などについて、明確な理論をもって教えてあげることが必要です。その商品を購入することで、他よりも知識レベルでアドバンテージが得られる。つまり、知的な側面から組み立てる脱コモディティ化の手法です。<br />
もう一つの『洗練された価値観』に応えるには、商品やプロモーションのアイデンティティを際立てさせることが重要です。アッパーミドルの価値観はそれぞれ明確ですが、その種類は多種多様あり、マス・マーケティングが通用しません。彼らは、マス・マーケティングのような売り込みには応えず、自ら商品を選ぶ姿勢が強いため、数ある商品の中から選ばれるほどの商品個性の強さが必要です。</p>

<p>対照的に、ロワーミドルには、マス・マーケティングが効きます。協調性が強いため、皆が買うものは、自分も欲しくなります。TVコマーシャルのほとんどが、このロワーミドルを狙ったマーケティング戦略であることは明らかです。コマーシャルで紹介される商品は、お得な価格帯、ファミリー志向、社会の流行を前面に出したものが多く見られます。これらはロワーミドルの特性を押さえた戦略と言えるでしょう。このグループをターゲットとしたマーケティングを行うには、絶えず流行やライフスタイルのトレンドを追いかける必要があります。逆に、トレンドさえ押さえ続ければ、マーケティング戦略の成功率は高まるということです。</p>

<p>まとめると、アッパーミドルには、『知的アドバンテージ』を。ロワーミドルには、『トレンド』を、ということが戦略の基本になると考えられます。<br />
これは、BtoCだけでなく、BtoBにおいても同じことが言えます。商品が高額になるほど、決済者はアッパーミドルに属するため、『知的アドバンテージ』でのアピールが重要になります。一方、小額商品は、ロワーミドルに属する決済者になるため、『トレンド』を前面に出した説明が効果的です。</p>

<p>欧米では、その歴史的背景から、クラス社会が存在しており、階層に合わせたマーケティング戦略やブランド戦略が巧みに練られています。日本は中流層が主体となって来ましたので、マス・マーケティング一辺倒でしたが、ここに来て近年の所得格差により、所得グループに合わせたマーケティングが徐々に確立しつつあります。マーケターとしては、変わりゆく日本の所得層に対して、常に最適な戦略を投下できるように、アメリカ型の所得階層マーケティングを参考にするのも一つの方法と言えるでしょう。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review26.html</link>
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            <pubDate>Wed, 23 Jan 2008 10:22:59 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2008年日本市場のキーワード</title>
            <description><![CDATA[<p>今年最後のレビューは、来年に向けてのビジネス界の展望です。<br />
2008年は、何が求められるのか。企業として、ビジネスマンとして、または個人として、どのような心構えが必要なのか。ブランド戦略の視点を交えて、重要となるであろうキーワードを考えたいと思います。<br />
「2008年に注目される言葉は、すでに2007年に兆候が見られる」という仮説のもとに予測をしたいと思います。<br />
来年初めて起こる事象は、さすがに現時点で言い当てることは不可能です。したがって、今年の兆候が来年増幅する、もしくはピークをを迎えるという視点から、2008年に訪れる潮流を捉えたいと思います。</p>

<p>まず、「グローバル」という言葉。もう何年も前から叫ばれてきたキーワードですが、2008年はさらに加速します。これまでグローバルと言えば、海外マーケットのことでした。国内から見ると海の向こうの話であり、国内マーケットへの影響は軽視されてきました。しかし、2007年は中国の躍進に加え、インドの本格的な台頭、ロシアの復活と、次々と成長市場が生まれる中、世界から見た日本市場の地位は徐々に低下の傾向にあります。事実、日本のGDPの世界ランクは、年々下がっています。さらに、追い打ちをかけるような、国内の少子化による人口減少。2055年には日本の人口は1億人を割る試算が出ています。GDPは人口と相関関係がありますから、日本市場はますます先細りの状況が続く予定です。</p>

<p>一方、金融をテコに海外で攻勢をかける欧米企業。2007年は、アジアの成長市場に積極的な投資を進めるかたわら、弱体化した日本市場の資産を端から買い拾う動きも顕著化しました。外資系金融グループによる、国内ホテルやゴルフ場の買収は、その一例に過ぎません。日本国内で展開する再生ファンドの多くが、その原資を欧米の投資家から調達しており、日本のM&Aは海外マネーによって繰り広げられているのです。</p>

<p>しかし、ここに来て米国のサブプライム問題が勃発しました。しかも、終結のメドが立たないと言う、米国の金融グループにとっては前代未聞の危機です。急速な資金力の低下は、中国やアラブの政府系ファンドに助けを求めるという異例の事態にまで発展し、もはや世界を駆け巡る投資マネーのオーナーが誰なのか分からなくなって来た状況です。時代は、まさにグローバル乱闘劇です。</p>

<p>圧倒的な人口で支える新興アジアの成長力と、欧米の金融攻勢とオイルダラーに挟まれた日本市場。もはや、世界第２位の経済大国という自負に浸っている状況は、刻々とタイムリミットを迎えようとしています。<br />
しかし、逆境の中にこそチャンスは存在すると言います。2008年の日本企業の動きは、まさにこの逆境を克服する動きが強まるでしょう。その例として、日本の代表産業である大手電機企業は、すでに手を打ち始めています。例えば、東芝は経営資源を自社の強みである半導体事業へ集中させるため、大胆な事業編成を行っています。東芝EMIなど、ノンコアである音楽や映像事業を売却し、逆にソニーから半導体製造ラインを1000億で買いました。「半導体の東芝」という、自社のブランド・アイデンティティの洗練です。その努力は、今年の同社の株価の推移を見れば、市場に評価されていることがわかります。一方のソニーも、ロボット事業の撤退や半導体製造ラインの売却などを経て、自社の強みである高品質なオーディオビジュアルに資源を集中する動きがあります。2008年は、ソニーにとってもブランド復活となる大きな年になると予想できます。また、日立も「世界で勝てない事業は続けない」と宣言しており、グローバル視点からコア・コンピタンスを高める方向にあります。</p>

<p>このような流れから、2008年は、『選択と集中によるブランドの復活』が、最大のテーマになると考えられます。現時点では、電機業界の動きが目立ちますが、今後は他の製造業はもちろんのこと、銀行や証券、建設などサービス分野にもこの動きが波及することでしょう。グローバル化の加速の流れから、日本だけ例外な市場を維持することは不可能です。世界の中の企業として、その存在意義を考えるならば、自ずと選択と集中を行い、自社のブランド・アイデンティティを高める道が見えて来るはずです。そのような意味で、日本の2008年は、大きく復活する企業と、行動に移せずジリ貧になる企業が顕著化する年になると考えられます。</p>

<p>また、ビジネスマンとして、私たちにも同じことが言えます。<br />
私たちは、グローバル乱闘劇の時代に生きているのです。外は混沌としています。団塊の世代が生きた、高度成長期とは全く違う状況です。このような時代を生き抜くには、社会での存在意義を見直し、自らのアイデンティティを定め、それに徹底して取り組む姿勢が重だ要と思います。つまり、個人にとっても選択と集中が必要なのです。じっとして混沌な時代に埋もれてしまうか、それとも立ち上がって光り輝くか。それは、ひとえに、私たち個人のビジョンと行動にかかっています。<br />
このレビューを読んで下さるユーザは、向上心の高い方々だと思います。是非、2008年を素晴らしい飛躍の年とするために、アイデンティティの洗練と徹底した行動をもって、自分たちのビジネスに向かって行きましょう。逆境にこそチャンスありです。長年の夢をかなえる、大きな一歩を踏み出しましょう。<br />
</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review25.html</link>
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            <pubDate>Thu, 27 Dec 2007 14:53:40 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>強いブランドの共通点</title>
            <description><![CDATA[<p>今年も残りわずかとなりました。<br />
今回は、これまでの総集編として、強いブランドとは何かを整理したいと思います。</p>

<p>結局、強いブランドの共通点は何なのか。<br />
顧客を魅了し、優秀な人材を引きつけ、社会に注目される要素。これまでブランドについて、様々な視点からお話しして来ましたが、私は次の一言だと思います。<br />
それは、『徹底した挑戦』です。<br />
強いブランドは、常に挑戦的です。新しい価値を生み出そうとする活力。社会のルールを大きく変えようとする姿勢。強いブランドに、消極的な企業は存在しないのです。<br />
そして、強いブランドは、ただ挑戦するだけではありません。徹底的に挑戦するのです。その勢いに、競合他社は翻弄し、顧客は熱狂するのです。</p>

<p>今回は、今年のまとめとして、強いブランドを実現するためには何が必要なのかを、もう一度確認したいと思います。</p>

<p><br />
「欧米企業は、やる時は徹底的にやる」<br />
先日、ある金融機関の方とお会いした時の話です。<br />
欧米のファンドと、日本のファンドの大きな違いは、戦略の徹底ぶりにあると言います。今日100万株売りたい。100万株という単位は、市場の値段を動かしてしまうボリュームですが、とにかく今日売りたい。その時に違いが現れると言います。<br />
欧米ファンドは、ストップ安になろうが、その日『売る』と決めたら、一気に売り切るそうです。100万株全部売って、ポジションをその日から変える。一方、日本のファンドはというと、同じ100万株を売る場合、希望の値段で売れない時は翌日に持ち越すため、結局その日は10万株程度しか売れない。全体の10%です。残りの90万株は明日以降の仕事となります。しかし、この方法だと明日も10万株しか売れませんから、最終的に全ての保有株が売れる時期は10日後となるわけです。<br />
注目したいのが、日本のファンドがチョロチョロとやる中、欧米ファンドは徹底して仕事に臨む点です。やらないなら、やらない。しかし、やる時は、徹底してやる。<br />
このような姿勢の違いは、各国のブランド戦略でも見られる現象です。</p>

<p>レビューにも度々登場しますが、アップルの徹底ぶりは世界中で賞賛されています。<br />
iPodを初めてリリースした時、上記と同じような状況を目にしたことを覚えているでしょうか。一気に仕掛けるアップルに対して、競合他社は類似品の開発を試みました。しかし、アップルは、数ヶ月後に、自社の製品をも否定するような全く異なる新作を発表します。この時点で最初に出したiPodは古くなってしまうわけです。それを追いかけていた競合他社は、類似品開発が無意味化し、戦意を失うことになります。つまり、競合がチョロチョロと進む中、アップルの徹底したマーケティング戦略が圧倒的にライバルを引き離し、最終的に市場を制した事例です。</p>

<p>実は、日本にも、この種の会社が存在します。<br />
携帯通信企業としてのソフトバンクです。ボーダフォンを買収しての参入ですが、『ソフトバンクの携帯』は今年で定着してしまいました。見事なブランド戦略と言えます。話題性のある料金体系や機種、ブランドイメージを表現する広告を次々と打ち出し、市場での存在感を一気に高めました。そこには、携帯電話市場に切り込もうとする『徹底した挑戦』が見ることができます。今回のソフトバンクの姿勢と比較すると、競合他社の戦略が、非常におとなしく見えます。</p>

<p>また、任天堂のWiiの徹底ぶりは、見事です。市場のルールを大きく変えてしまいました。その徹底した挑戦が、任天堂のブランド・イメージとなり、顧客はWiiを買って楽しむだけでなく、同じ挑戦的なアイデンティティを自らの人生で共有することができるのです。</p>

<p>そして、かつて日本の代表ブランドと呼ばれたソニー。その後の事業の多角化で、惜しくもブランド・アイデンティティが迷走していました。しかし、私は、今回のブルーレイでソニーブランドは復活すると見ています。その理由は、もともとソニーのブランド・アイデンティティは高品質なAVにあったので、それをもう一度会社をあげて経営資源を集中させているからです。つまり、徹底的にやる決意で臨んでいるため、ブランド戦略が成功し、いずれ業績にも現れて来るはずです。</p>

<p>徹底した挑戦。<br />
私は、それが強いブランドと、そうでないブランドを分けるものだと思います。<br />
しかし、徹底した挑戦を行うには、自らのアイデンティティを知る必要があります。ソフトバンクも、任天堂も、ソニーも、世の中から何を期待されているのか把握し、アイデンティティを研ぎすました結果、現在のような行動が現れていると言えます。同じブランド戦略を多額な予算をかけて進めているにもかかわらず、なぜ競合他社はチョロチョロとやっているように見えてしまうのか。それは、ひとえにアイデンティティに迷いがあるからです。自分の人格に迷いがあれば、その行動にも一貫性が現れません。ブランド戦略とは、一貫したメッセージを発信する作業の繰り返しです。そのためには、企業としての心を定める必要があります。そして、定めた心に『徹底して挑戦』する。それが、強いブランドを実現する鍵であると思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review24.html</link>
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            <pubDate>Thu, 20 Dec 2007 16:23:55 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ブランディングが効果を発揮する成長ステージ（後編）</title>
            <description><![CDATA[<p>インターネットの採用活動に異変が起きています。<br />
求人サイトに出しても、応募はたくさん集まるものの、採用したいような優秀な人材は来ない。これは、一体どうしたことでしょうか。<br />
原因は、求人サイトによる採用手法がコモディティ化してしまい、もはや選りすぐりの人材を獲得する方法ではなくなっていることが考えられます。能力に自信のある優れた人材が、誰でも応募できるサイトから、わざわざやって来るはずがありません。</p>

<p>シリーズ最終回は、拡大期のブランディングについてです。<br />
拡大期の企業が、最も悩む課題は、優れた人材の採用と育成です。このステージでは、事業が順調に拡大している一方で、人材が追いついて行かない状況が多く見られます。追い風が吹いているにもかかわらず、優秀な人がいないために絶好のチャンスを逃すようでは、悔しい思いをするばかりです。驚異的に増大する仕事量を効率的に処理し、同時に増える顧客対応も向上させるという、拡大期特有の神業を行うには、優れた人材なしには実現できません。拡大期のキーワードは、まさに優秀な人材の獲得なのです。</p>

<p>コンサルティング大手のマッキンゼー＆カンパニーは、こう言います。<br />
「今日の人材マーケットでは、自分を売り込むのは、会社の方である」(*1)</p>

<p>今回は、拡大期のブランディングとして、人材戦略を中心にお話しをしたいと思います。</p>

<p><br />
優れた人材を獲得するには、どうすれば良いのか。<br />
マッキンゼーは、「明確なブランドのメッセージによって、製品が恩恵を被るのと同様の効果」が必要だと言います。<br />
つまり、企業のブランド力によって、優秀な人材が、この会社に入りたい、という気持ちを抱くということです。これを実現するには、製品のブランディングや市場戦略と同じような手法を、人材戦略にも応用する必要があります。ブランド戦略を、採用活動にも使う。これは、グローバルに進む、人材戦略のメガトレンドなのです。</p>

<p>さて、具体的に、どのようなブランディングを行うことができるでしょうか。<br />
ここで、採用ブランドを構築するとして、ブランドの基本であるアイデンティティを作ってみたいと思います。ブランド・アイデンティティは、自社、他社、市場と、３つの方向から検討し作り上げるというお話を、これまでもしてきました。<br />
今回は、この中の市場ニーズを見てみましょう。</p>

<p>先のマッキンゼーの調査によると、優れた人材が働き場所として企業を選ぶ場合に、優先順位は以下のようになっています。</p>

<p>１位　刺激的でやり甲斐があり、熱意を持って取り組める会社<br />
２位　一流の企業で働きたい<br />
３位　自信の努力に十分応える報酬体系<br />
４位　自分の能力を高めるスキルトレーニングがある会社<br />
５位　自分や家族の時間が確保できる仕事</p>

<p>優秀な人材の特性は、『待遇』よりも、『やり甲斐』を望んでいる点です。<br />
やり甲斐とは、何でしょうか。ひとつは、『社会を変える威力を持つ挑戦』だと思います。アメリカのグーグルには、飛び抜けてIQの高い人材が集まっています。グーグルほどの知名度になれば、優秀な人材もあつまるだろう。そう感じる方もいると思いますが、知名度であればGMやフォードもあります。GMやフォードになくて、グーグルにあるもの。それは、紛れもなく『社会を変える威力を持つ挑戦』という、企業ビジョンです。グーグルの根底にある、この挑戦的なアイデンティティこそ、優秀な人材を呼ぶ原動力であると言えます。グーグルの一員になれば、この偉大なアイデンティティを共有することができるのです。まさに、ブランド戦略の手法が活かされた、人材獲得です。</p>

<p>したがって、市場ニーズから見ると、優れた人材を獲得するには、企業は偉大なビジョンを掲げる必要があります。ビジョンが明確でない企業は論外であり、今日の人材獲得競争では、より挑戦的・改革的なビジョンを掲げねばなりません。そして、そのビジョンが言うところを、具体的に仕事の実績として示す必要があります。企業によって、それは革新的な技術力であったり、販売数であったり、成長率であったりします。しかし、シェアが大きいことや、研究所が充実していることを主張しても、挑戦的なビジョンが欠落していては、やり甲斐を求める優秀な人材には、ぬるま湯に思えてしまいます。本当に優れた人材は、お金のためになど働かないのです。</p>

<p>このように、拡大期における優秀な人材の確保も、ブランディングが重要な軸になります。売上が伸びている拡大期は、商品のブランド戦略は順調であると言えます。一方、これまで販売戦略に経営のウェイトを置きすぎた分、人材戦略は手つかずになっている場合が多くあります。拡大期の企業は、この段階で採用ブランドを構築することにより、その後の人材不足による業績の失速を避け、スムーズな成長軌道を描くことができると考えられます。</p>

<p><br />
(*1)参考文献：エド・マイケルズ、ヘレン・ハンドフィールド-ジョーンズ、ベス・アクセルロッド　　『ウォー・フォー・タレント』　翔泳社　2002年</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review23.html</link>
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            <pubDate>Thu, 06 Dec 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ランディングが効果を発揮する成長ステージ（中編）</title>
            <description><![CDATA[<p>先日、私の知人の方から貴重な質問を頂きました。<br />
「宮崎さんがブランディングを行うにあたって、これは難しい、と思う企業はどのようなタイプなのか？」<br />
日頃、私は、あまり意識はしていませんが、強いて言うならば、成熟期の事業のブランディングは、他よりもパワーが必要だと感じています。</p>

<p>私の仕事は、理論的に物事を整理し、企業が注力できるポイントを定めることなので、取りかかる時点では、ほとんどのケースがパズルを解く前のような状況です。そのような意味では、どのケースも取り組み甲斐があり、時間の問題でパズルは完成することも確信しています。しかし、パズルの中にも絵が見え易いものや、過去に私が手掛けたケースに似たものなどは、比較的スムーズに運びます。事業の創成期は、どれも革新的なアイディアや、活力やエネルギーを持っており、このステージのクライアントには似たような特徴があります。一方、成熟期の事業はどうかと言うと、時に、パズルの絵が見えなかったり、複雑なピースに出会う機会もあります。これは、長年の事業の間に、社内の古い意識や業界の慣習と言った、様々なしがらみに囲まれており、まず、『活力』を取り戻すところから取り組みを始めるため、余分にパワーが必要になってくるのです。</p>

<p>今回は、この成熟期におけるブランディングについてお話ししたいと思います。</p>

<p><br />
事業が成熟期に入ると、どのような問題が出てくるのでしょうか。<br />
まず、自社の製品・サービスが、他社と代わり映えしなくなり、業界内でコモディティ化が進行します。顧客の要求は高くなる一方、価格上昇の余地はない。むしろ、競合他社と差別化するには、価格を低く設定する必要性が高まり、価格競争へと突入します。価格競争は、当然、事業の採算性を悪化させ、利幅の縮小トレンドを描き始めます。そして、いつか利幅がゼロになるのではないか、という不安を抱えながらも、今日もまた足元の事業を、昨日と同じように回さなくてはならない。そのようなジレンマに陥った状態が、成熟期です。</p>

<p>成熟化は、社内のモーチベーションにも影響します。<br />
「他社はこんなに安いのに、あなたの会社の価格は高い。なぜだ」<br />
顧客からこのような厳しい価格要求が重なれば、営業の第一線も胸を張ることができません。価格面でしか見られない自分たちの仕事に、どのように誇りを持てば良いのか。普通の人間なら、誰しもそう感じることです。また、価格競争によって採算性が悪化すると、薄利多売の方法を取らざるを得なくなり、「もっと売れ、もっと売れ」というかけ声が、会社側から聞こえて来ます。このような過度のプレッシャーは、優秀な社員ですら追いつめ、社内の意識全体を萎縮させてしまいます。</p>

<p>顧客からも敬意を払われない。社員からも支持されない。<br />
成熟期の事業は、まさに末期の様相を深めています。</p>

<p>有能な経営者ならば、このとんでもなく間違った状況を打開しなければ、と感じるはずです。<br />
「ならば、顧客が勝手に、こちらに振り向いてれる方法はないのだろうか」<br />
その一つの方法が、ブランディングです。成熟期の事業の場合は、リ・ブランドと言った方が良いでしょう。</p>

<p>リ・ブランドとは、文字通り、もう一度ブランドを再構築することです。<br />
その鍵となるのが、『活力』を与えることです。この要素をブランド戦略用語では、『ブランド活性化要素』と言います。ブランド戦略の権威である、デービッド A. アーカー教授はこう言います。<br />
「成功しているブランドには明らかに活力がある（*1）」<br />
新鮮、若々しい、モダン、ダイナミック。これらの要素を、自社の事業に与えることにより、成熟期のブランドでも活性化させることが可能になるのです。これら活性化要素を、既存事業のあらゆるところに埋め込む。これが成熟期のブランディング手法です。</p>

<p>では、具体的に、どのあたりに要素を効かせるかについてです。<br />
まず、製品・サービスのコンセプトに『活力』を与えることが、最初のステップです。良く誤解されますが、高性能であることと、活力があることは、全く違う話です。多くの成熟期の事業は、製品コンセプトが『高性能』に偏っています。つまり、生産者の視点でしか考えられていない。しかし、顧客視点に立てば、「それを使ってどれだけ喜びが増えるのか」ということが本当の重要ポイントです。<br />
アップルのiPodは、確かに高性能ですが、あの程度の技術であれば日本のメーカーもつくれます。しかし、iPodが私たちに与えてくれるような『活力』はどうかというと、これはアップルの方が一枚も二枚も上手なのです。LVMHのベルナール・アルノー氏によって再生されたDiorも、見事に若々しく、フレッシュに生まれ変わり、グループの中核を担っています。国内では、ファーストリテイリング元社長玉塚元一氏のリヴァンプによるロッテリアのリ・ブランドと事業再生が注目を集めています。</p>

<p>このように、ブランディングで『活力』を与えれば、成熟期の事業を強化するばかりか、事業再生をもできる時代に入っています。<br />
日本国内には、多くの優れた技術が存在します。伝統工芸ひとつとっても、素晴らしい技術があるにもかかわらず、ただ成熟期から脱出する方法がわからないだけで、埋もれてしまっている財産が山のようにあります。また、先端技術においても、日本企業がリードする分野はまだまだありますが、欧米のブランド戦略の上手さに引けを取っていることも事実です。<br />
もっと私たちがブランドというものを認識し、その仕組みを最大に利用することに努力するならば、日本も今よりはるかに大きな成果が出せるだろうと思います。世界に一つでも多くの活力に満ちたブランドを生み出すことが、私自身のテーマですが、私も日本人ですので、できればこの動きが日本から活発化する日が来たらと、願ってやまないのです。</p>

<p>次回は、拡大期のブランディングについてお話ししたいと思います。</p>

<p><br />
（*1）参考文献：デービッド A. アーカー　『ブランド・ポートフォリオ戦略』　ダイヤモンド社　2005年</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review22.html</link>
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            <pubDate>Wed, 28 Nov 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ブランディングが効果を発揮する成長ステージ（前編）</title>
            <description><![CDATA[<p>創成期、拡大期、成熟期。<br />
これは、企業の成長過程を表す、３つの大きなステージです。個別の製品・サービスにおいても、同じ成長過程を歩みます。この３つの中で、ブランディイングが最も効果を発揮するステージは、『創成期』です。<br />
私たちのブランド戦略コンサルティングを依頼される企業も近年増えて来ましたが、この創成期の製品・サービスのブランディングが圧倒的な数になります。</p>

<p>ブランド戦略の権威である、カリフォルニア大名誉教授デービット A アーカー氏は、こう言います。<br />
「新興ブランドは最初に差別化を行っており、また、衰退ブランドを示す第一の指標は差別化の喪失である（*1）」</p>

<p>つまり、一般的に、新しい企業、または、新製品・新サービスは、ターゲットとする市場を十分研究し、自社の価値を差別化・明確化した上で、市場へ参入するものです。何の気もなくマーケットへ飛び込んでは博打であり、そのような経営者は皆無であると言って良いでしょう。しかし、長年事業を続けると、当然のように競合が増え、顧客の要求も厳しくなり、差別化が困難になっていきます。当初は、高い付加価値を誇っていても、徐々に特徴が見えにくくなる。デービット A アーカー氏は、その時が、『衰退』の最初のシグナルだと言っているのです。</p>

<p>創成期、拡大期、成熟期によって、ブランディングの手法が異なります。<br />
今回は、この３つのステージで、それぞれどのようなブランディングが求められるのか、について考えたいと思います。</p>

<p><br />
新しい事業に資本投下し、これから羽ばたこうとしている創成期の企業。<br />
この時期に、万一、競合他社との差別化に苦慮したり、自社のアイデンティティが薄かったりしたならば、当初の事業プランに遅れを取ることになります。多くの経営者は、こういった状況を十分理解しています。したがって、ブランディングはマーケット・インする創成期に行われることが多く、また、最も効果を生むタイミングであると言えます。<br />
私たちのブランド戦略コンサルティングにおいても、創成期のブランディングは、最も効果を発揮します。なぜなら、新しい製品・サービスは、そもそも既存商品との差別化を軸に発想されているからです。つまり、企業サイドから見た差別化の要素は考えられており、後は、顧客サイドから見た価値を分析し、最終的にブランドとして力を持たせれば良いのです。<br />
創成期のブランディングにおいて、あえて専門チームを結成する理由には、以下の３つがあります。</p>

<p>１）客観的な視点から自社の強みを発見するため<br />
　　社内で自社の競争力を検討すると、知らずの内に社内の視点から逃れられなくなり、市場（顧客）ニーズとのズレが生じることがあります。自社の強みは、競合他社と差別化する一方、市場ニーズと合致していなければ広がりが小さくなります。ビジネススケールに広がりを持たせるためにも、客観的な強みの発見が重要なポイントとなります。</p>

<p>２）自社の強みを一言に集約するため<br />
　　市場のグローバル化・成熟化によって、顧客の選択肢は山ほどあります。これら多種多様な商品の中から、自社の製品・サービスを発見してもらうためには、小さな特徴を山ほど積んでもアイデンティティは強くなりません。顧客の心を掴むには、圧倒的な強さを一言で表現する必要があるのです。</p>

<p>３）長期間にわたり維持可能なブランドを確立するため<br />
　　ブランドと呼ぶには、長期間にわたって維持可能な強さが必要です。この強さが積み重なることにより、ブランドが確立されます。毎年のようにブランドの方向性が変化するような戦略は、短期的なマーケティング戦略であり、おおよそブランド戦略ではありません。一方で、創成期にこの先10年、20年と維持可能なアイデンティティを定義する必要があるため、社内のメンバーだけでなく、ブランド戦略の専門家を加えたチームで対応する方が、当然、確実性が増すと考えられています。</p>

<p><br />
さて、創成期に続き、拡大期、そして成熟期のブランディングは、やや難度が増して行きます。<br />
拡大期の最大の課題は、人材の育成や確保。事業が順調に伸びても、人が付いて行かない状況に陥ります。これをブランディングでどう解決するか。また、成熟期のブランディングは、まさに、リ・ブランドです。衰退のシグナルが見える中、もう一度、ブランドを活性化させる戦略が必要となります。<br />
次回は、この２つのステージについてお話ししたいと思います。</p>

<p><br />
（*1）参考文献：デービッド A. アーカー　『ブランド・リーダーシップ』　ダイヤモンド社　2000年</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review21.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review21.html</guid>
            <pubDate>Wed, 21 Nov 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>後発企業でも勝てるポジショニング戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>ポジショニング戦略があれば、どのような業界でも、切り込むことができます。<br />
一方、自社のポジションが明確でなければ、ポジショニング戦略を駆使する他社にとって、格好の餌食になることも事実です。</p>

<p>先日、リッツカールトン・ホテルが、次の国内拠点として京都を選んだと、発表しました。<a href="review12.html">以前、レビューで、ハイアットリージェンシー京都に触れましたが、</a>またも外資系ホテル・ブランドの参入となります。しかも、世界最高峰のプレステージ・ホテルです。<br />
リッツカールトン京都は、ポジショニング戦略で言う、『チャレンジャー』として京都マーケットに参入します。競争戦略の権威である、ハーバード・ビジネス・スクール教授のマイケル・Ｅ・ポーター氏によれば、ポジショニング戦略には大きく分けて、『リーダー』、『チャレンジャー』、『フォロアー』、『ニッチャー』の４つのポジションが存在すると考えられています。</p>

<p>今回は、ポジショニング戦略により、後発企業でも先発企業に勝つ方法が十分ある、という点について考えたいと思います。</p>

<p><br />
４つのポジションを、いつものようにスペシャルティ・コーヒー業界に例えてお話ししましょう。<br />
『リーダー』は、その名の通り、マーケット・リーダーを意味します。スペシャルティ・コーヒー業界では、スターバックスが、このポジションに当たります。『チャレンジャー』は、文字通り『リーダー』に対抗することで自身の価値を示すポジションです。タリーズをはじめとした、上位２～３社がこのポジションです。残りのその他大勢のコーヒーショップは、『フォロアー』です。上位企業がマーケット全体を広げてくれることにより、消極的ですが、似たようなビジネスモデルでも十分収益が上げられるというポジションです。最後の『ニッチャー』は、メインストリームの競争から距離を置き、独自の価値提案を、限られた顧客に対して行うポジションになります。つまり、ニッチなあまりに、メインストリームの競合があえて参入して来ない領域です。</p>

<p>後発企業にとってのポジショニング戦略は、意外にも簡単です。<br />
『リーダー』を除く、３つのポジションから選択すれば良いのです。そして、自身に以下のように問いかけると、ポジションが見えて来ます。</p>

<p>１）業界やマーケット・リーダーが提供する価値に疑問があるか？自社は、もっと良い価値が提供できるか？<br />
　　→『チャンレジャー』<br />
２）業界が拡大しているので、波にうまく乗りたい。特別、リーダーに対抗する気はない。<br />
　　→『フォロアー』<br />
３）業界が見落としている顧客層がおり、ここへの価値提供に注力したい。<br />
　　→『ニッチャー』</p>

<p>先の、リッツカールトンの京都進出は、これまでプレステージな価値を提供するホテルがない地域への参入です。京都の外資系ホテルは、ウェスティン都ホテルとハイアットリージェンシー京都、国内系はホテルグランヴィア京都と、メジャープレーヤーは３つ程度しかありません。そのどれもが、ミドルレンジの顧客層をターゲットにした、ホテルです。ここにアッパーレンジのリッツカールトンが参入するわけですから、ポジショニング戦略上、勝算は十分あると言えます。また、2008年には、アマンリゾートが京都に進出する予定ですので、この地域のプレステージ化は一層進むことでしょう。</p>

<p>私が京都にいるならば、『フォロアー』として、この地域のプレステージ化の波に乗りたいところです。リッツやアマンに宿泊する顧客と対象とした、プレステージな観光ツアーを企画する旅行業も流行るでしょう。夜は、京都の和をモダンに表現した、ジャパニーズ・ラグッジュアリーなレストランの経営も魅力的です。</p>

<p>このように、マーケットでは、プレーヤーそれぞれに役割があります。<br />
自身のポジションを見極め、最短でチャンスを掴む方法が存在するのであれば、利用する価値は大いにあると言えます。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review20.html</link>
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            <pubDate>Wed, 14 Nov 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ブルーオーシャン戦略とブランド戦略（後編）</title>
            <description><![CDATA[<p>ブルーオーシャンと言えども、ライバルが押し寄せれば、いずれレッドオーシャンになるのではないだろうか。<br />
また、レッドオーシャンに陥ってしまってから、再びブルーオーシャンを発見することは可能なのか。</p>

<p>ネット検索で、『ブルーオーシャン戦略』と引いてみると、任天堂のWiiの話が出て来ます。<br />
『ブルーオーシャン戦略』の著者である、Ｗ・チャン・キム氏も、Wiiはブルーオーシャン戦略を見事に実現していると評価しているようです。確かに、 Wiiは、競合他社と全く違う発想を持ち、従来のゲーム業界での競争を無意味化してしまいました。また、これまでゲームをしなかった子供や大人も興味を示し、顧客層を大きく広げたことが、現在の任天堂の成功に結びついています。</p>

<p>しかし、現時点ではWiiの突出ぶりが目立ちますが、いずれライバルが同様の発想を備えたゲーム機を投入しないとは言い切れません。むしろ、ソニーもマイクロソフトも、次回発表のゲーム機の目的として、Wiiが開拓した新たな顧客層を狙いに行くことが、一般的なマーケティング戦略になるでしょう。そうなると、今回のブルーオーシャンは、市場の競争原理から、時間の問題でレッドオーシャン化してしまうのではないでしょうか。<br />
<a href="review18.html">前回お話しした、スターバックス</a>も、同様の道を辿っています。</p>

<p>今回は、任天堂のWiiにように、レッドオーシャンの中からブルーオーシャンを発見するには、何を手がかりにすれば良いのか。そして、ライバルの追随を許さず、ブルーオーシャンを守り通すには、どうのような行動が必要なのかについて、ブランド戦略の視点から考えてみたいと思います。</p>

<p><br />
任天堂は、いかにしてWiiという、ブルーオーシャンの発見に至ったのか。<br />
その内情は誰も知ることはできませんが、仮説として以下のようなストーリーが想像できます。</p>

<p>まず、Wiiの投入以前のゲーム業界は、ライバルとの熾烈な競争により、すっかりレッドオーシャン化していました。ハイスペックなCPUを搭載したゲーム機の開発。それに伴い莫大な投資が必要な高機能ゲームソフト。コストの増大にもかかわらず、価格競争は熾烈さを極めていました。まさに、負のスパイラルに陥っていたのです。明日倒れるのは、我が身ではないか。そう考えつつも、目の前の競争に打ち勝たなければ、誰もが先がないと信じていた時代です。ゲーム業界のレッドオーシャンとは、文字通り、消耗戦の様相を強めていました。<br />
このままでは、業界自体がダメになってしまう。<br />
このような状況下で、任天堂は、全く従来と異なる発想で、ゲーム業界に新たな道を切り開くことはできないか、と考えたはずです。新しい価値を提供し、これまでの競争を無意味化する方法。つまり、ブルーオーシャン戦略です。</p>

<p>問題は、どこから手をつけるべきか、という点です。<br />
全く新しい取り組みには、リスクが伴います。青い海を探す作業は、いつしか『青い鳥』を探す旅となり、いつ発見できるか見当もつかない迷路に入り込む可能性があります。また、仮にブルーオーシャン市場を発見したとしても、実行してみるとオンリーワン企業になるどころか、ロンリーワン企業（つまり、想定したニーズが得られない状況）に陥る場合も否定できません。全くの新しい市場を探すことは、トレジャー・ハンターさながらの犠牲が伴います。踏み出すには、勇気以外に、確たる『信念』が必要です。</p>

<p>私は、その『信念』を、任天堂は自身のブランド・アイデンティティに求めたのではないか、と考えています。つまり、これからブルーオーシャン戦略を仕掛けるにあたり、その根拠となる理由を、社会における自社の存在意味に対して、もう一度向き合うところから始めたのではないか、ということです。これは、ブランド戦略の基本である、ブランド・アイデンティティの再定義です。<br />
任天堂は、もともとは、トランプや花札といった、大衆的な遊び道具を提供していた企業です。子供から大人まで、誰でも楽しく遊べる玩具。これが、この企業の原点であると言えます。しかし、ゲーム業界の競争に明け暮れる中、いつしかその製品は、一部のゲームマニアのために生産することとなってしまいました。ゲームの高度化とともに、顧客の専門性が高まり、ターゲットも狭まっていきます。この流れは、任天堂の原点とは、大きく異なる方向にあります。<br />
もう一度、原点と向き合う。子供でも大人でも、ゲーム好きでもゲームをしなかった人でも、誰でも楽しめる製品を生み出す。それが、任天堂として本来あるべき姿であり、社会で存在する意味なのではないだろうか。その使命感と信念が、社運を賭けたブルーオーシャン戦略の挑戦、つまり、Wiiの開発に至ったと考えられます。</p>

<p>この任天堂のケースは、私たちにブルーオーシャン戦略を行う手がかりを教えてくれています。<br />
『ブルーオーシャン戦略を行うにあたっては、自社のブランド・アイデンティティを再定義する』ということです。社会的な存在意味を問い、それを突き詰めた先に、青い海がある可能性があります。</p>

<p>これは、Wiiに限った話ではありません。<br />
<a href="review14.html">以前レビューで取り上げた、ポルシェ</a>。経営危機に陥っていた同社に就任したヴェンデリン・ヴィーデキング氏は、『クルマの本質とは何か』に向き合い、壊れないスポーツカーの地位を確立しました。これが、ポルシェの顧客層を大幅に広げたばかりでなく、ビジネスエリートが通勤に選ぶプレステージ・スポーツカーであれば、ポルシェ以外に選択の余地がない独占状況を作り出しました。これも、ブルーオーシャン戦略です。<br />
また、<a href="review08.html">アップルは、スティーブ・ジョブズ氏の帰還</a>により、再びブランド・アイデンティティを取り戻し、iPodというブルーオーシャンを築き上げました。技術の追求よりも、優れた発想で勝負するという点で、Wiiの例に非常に良く似ています。ともに、社会にとって必要なことは、技術者の目線ではなく、消費者の目線であるということを、証明した製品です。</p>

<p>最後に、ブルーオーシャンを維持するには何が必要か、という話です。<br />
これは、アップルのケースが参考になります。<br />
以前、<a href="review07.html">トレンドにはリズムがあるという話</a>をレビューで取り上げました。【イノベーション】→【類似品】→【発展版】→【さらなるイノベーション】という流れです。ブルーオーシャンは、このトレンド内の【イノベーション】にあります。【類似品】から【発展版】は、レッドオーシャンです。<br />
アップルが未だに衰えない理由は、レッドオーシャンになる前に、次々とイノベーションを起こしてしまうことです。つまり、他社が追随しようとしても、アップルの方が先に新製品を出してしまい、競争自体が無意味化する状況です。この実行には、自らトレンドを引っ張り、コントロールする、優れたマーケティング技術の他に、スピードが必要です。私は、このスピード感が、ブルーオーシャンを維持する鍵ではないかと考えています。そして、このスピード感がある企業としてのブランド・イメージは、多くの人々から期待を得て、熱狂させ、ファンにさせていく力もあります。</p>

<p>今回は、ブルーオーシャン戦略を行うにあたっての最初の手がかりを、ブランド戦略の視点から考えてみました。<br />
ブルーオーシャンはどこにあるのか。それは、意外にも、自身のアイデンティティの中に存在するのかも知れません。</p>

<p><br />
参考文献：Ｗ・チャン・キム、レネ・モボルニュ　『ブルーオーシャン戦略』　ランダムハウス講談社　2005年</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review19.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review19.html</guid>
            <pubDate>Fri, 09 Nov 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ブルーオーシャン戦略とブランド戦略（前編）</title>
            <description><![CDATA[<p>ブルーオーシャン戦略。<br />
仏欧州経営大学院のＷ・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏が提唱する、『競争のない新しい価値を創造する』ための戦略です（*1）。この発想が、世界中の多くのトップ・マネジメントの心を掴んでいます。その背景には、競争に明け暮れる現代企業の行く末に、誰しも少なからず不安を抱いているからに他なりません。グローバル化によるコストダウン、社会の成熟化によるモノ余り現象。このような薄利多売を助長する市場環境に対して、何らかの対策を打つことはできないのだろうか。その答えの一つが、ブルーオーシャン戦略だと言えます。</p>

<p>しかし、『競争のない新しい価値』を、本当に創ることができるのでしょうか。<br />
ブランド戦略の世界的な権威である、デービッド A. アーカー氏は、競争がない市場は存在しない、と言います。<br />
「例外はおそらくパナマ運河の管理会社ぐらいであり、競合企業の不在を謳歌している企業はほとんどない」（*2）<br />
価格競争に抵抗するには、ブランド構築しか方法はない、と言います。</p>

<p>ブルーオーシャン戦略なのか。それとも、ブランド戦略なのか。<br />
皆がブルーオーシャンに移行したら、そこはレッドオーシャンになってしまうのではないだろうか。<br />
今回は、『競争のない世界』という、誰もが憧れる理想郷は本当に創造可能なのかについて、ブルーオーシャン戦略とブランド戦略の双方を照らし合わせ、その実現性を考察したいと思います。</p>

<p>ブルーオーシャン戦略が、2005年に発表されて以来、多くの支持を集めた理由として、容易に理解できる素晴らしい視覚的な表現があげられます。<br />
ブルーオーシャンとは、競争のない穏やかで広大な恵みを秘める青い海を象徴し、対するレッドオーシャンとは、凄まじい競争の末に血で染まった赤い海を表しています。この２つの海のどちらが好きかと聞かれれば、子供でさえも青い海と答えるでしょう。この分かり易さが、ブルーオーシャン戦略をより身近な話題として捉える助けとなっています。</p>

<p>さて、ブルーオーシャン戦略が提唱する『競争のない世界』は、誰しも夢見る理想郷です。多くの人は、そのような世界が存在すること自体、考えもし得なかったことでしょう。実際に、ほとんどの企業は、何らかの競争にさらされており、そこで働く人々は、その日々の競争に打ち勝つことに、明日の生活がかかっています。このように身をすり減らしながら前進する自身の姿に、ため息がこぼれることもあるでしょう。しかし、それも無理はありません。その多くが、レッドオーシャンにいるからだと、ブルーオーシャン戦略は説明しています。</p>

<p>では、どのようにしたらレッドオーシャンに別れを告げ、ブルーオーシャンに移行できるのでしょうか。<br />
1987年にハワード･シュルツ氏によって展開を開始したスターバックスコーヒーは、まさにブルーオーシャン戦略で言う、『新しい価値の創造』を実現した企業です。当時、私もシアトル（スターバックス発祥の地）に住んでいましたので、スターバックスの店舗がみるみると広がって行く様を、この目で見ていました。それは、コーヒーの味においての革命にとどまらず、アメリカ人のライフスタイルを大きく変えた、イノベーションそのものでした。それまでのコーヒーは、いわゆるアメリカンコーヒーと呼ばれたもので、カップの底が見えるほど色が薄く、お世辞でもおいしいとは言えないものでした。私のアメリカ人の友人は、よく、日本のコーヒーは濃くてうまい、と言っていたことを覚えています。したがって、アメリカの人々も、アメリカンコーヒーがうまいから飲んでいたのではなく、それしかなかったからどうにも仕方がなかったことが分かります。<br />
このような隠れたマーケットニーズに対して、ハワード･シュルツ氏は本場イタリアのエスプレッソにヒントを得た濃くて香り高いコーヒーを投入し、圧倒的な支持を集めることになったのです。今考えると、これがブルーオーシャン戦略の第一歩と捉えることができます。<br />
また、ハワード･シュルツ氏は、もともとマーケティングの専門家でしたから、マーケット分析によって潜在的なニーズを見抜き、個性的な店舗デザインと独特の香り高いコーヒーの味が生み出されたのだと考えられます。その意味では、徹底的な調査と差別化が功を奏した結果であり、これはブランド戦略であるとも言うことができます。<br />
したがって、ブルーオーシャン戦略とブランド戦略には、共通点があることが推測できます。</p>

<p>しかし、ここで一つの疑問が出て来ます。<br />
皆がブルーオーシャンに移行したら、そこはレッドオーシャンになってしまうのではないだろうか、という点です。</p>

<p>スターバックスコーヒーの成功を目の当たりにした他の企業は、我れ先にと、ハワード･シュルツ氏が創ったこの新しいマーケットに乗り込んで来ます。タリーズコーヒーやシアトルズ・ベストコーヒーが、その代表格です。そして、瞬く間に、スターバックスに次ぐ地位を確立することとなり、市場競争が始まります。日本においても上の２社に加え、ドトールのエクセシオール・カフェ、JR東日本のBECK'Sなど、スペシャルティ・コーヒー市場はもはやブルーオーシャンではなく、明らかなレッドオーシャンへと変貌を遂げます。<br />
このように、ブルーオーシャンの時期は一瞬であり、参入企業によってはレッドオーシャン化してしまうこともあるのです。もちろん、コーヒーショップという業態が、参入壁が低く、知的財産の法的保護もできないため、そもそもレッドオーシャン化しやすい、ブルーオーシャン市場だったことも否定できません。</p>

<p>しかし、スターバックスの例は、むしろ、今日の多くの企業が抱えている課題です。つまり、スターバックスは、この先、この熾烈な競争状態の中から、再度ブルーオーシャン戦略を取ることができるのか。全世界に5000店舗という企業規模のしがらみを拭い捨て、『競争のない新しい価値』を創造できるのか、ということです。レッドオーシャンになったとは言え、現在のコーヒービジネスを捨て、新たにブルーオーシャンを探すことは、効率的とは言えないでしょう。そのようなことをしていたら、キリがありません。したがって、何としても現在のレッドオーシャンを、ブルーオーシャン化する方法が望まれます。</p>

<p>解決の糸口は、ブルーオーシャン戦略の要素と、ブランド戦略の要素を融合させるポイントにあります。<br />
次回は、この視点からお話しを続けたいと思います。</p>

<p><br />
（*1）参考文献：Ｗ・チャン・キム、レネ・モボルニュ　『ブルーオーシャン戦略』　ランダムハウス講談社　2005年</p>

<p>（*2）参考文献：デービッド A. アーカー　『ブランド・リーダーシップ』　ダイヤモンド社　2000年</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review18.html</link>
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            <pubDate>Thu, 01 Nov 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ（後編）</title>
            <description><![CDATA[<p>圧倒的な忠誠心を勝ち取る、ルイ・ヴィトン。<br />
その力の源は、顧客の視点に立った、独自のブランド戦略にあります。ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ　（後編）では、コミュニケーションとロイヤリティの観点から、特徴を見て行きます。<br />
ソ連の最後の書記長だったゴルバチェフが、モノグラムのバッグを隣に置き、車でベルリンの壁を通り過ぎる風景。この話題の広告の意味とは。そして、ベルナール・アルノー氏が言う、20年先を見た究極のブランド成長とは。<br />
ルイ・ヴィトンのブランド戦略を、再び考察します。</p>

<p><br />
<strong>〈コミュニケーション（つづき）〉<br />
「旅」に対する独自の解釈</strong></p>

<p>ルイ・ヴィトンのテーマは、旅です。<br />
本来は、旅行鞄の専門メーカーですから、当然のことでしょう。<br />
しかし、それはただの旅ではありません。人生そのものが旅だというメッセージが、ブランドに隠されています。<br />
その例として、ルイ・ヴィトンは現在、今までにない興味深い３種類の広告を展開しています。<br />
ソ連の最後の書記長だったゴルバチェフが、モノグラムのバッグを隣に置き、車でベルリンの壁を通り過ぎる風景。フランス映画界の女王、名女優カトリーヌ・ドヌーヴが、駅のホームでモノグラムのスーツケースに座る風景。アンドレア・アガシとステフィ・グラフが、モノグラムのバッグを横にくつろぐ様子。他のブランドのように若い女性モデルが新作バックを携える、いわゆるファッション広告の王道とは、明らかに異なるコミュニケーションを目指しています。<br />
歴史に残る偉業を成し遂げたこれらの人物達は、今、人生の大仕事を終え、過去を回想しているかのように見えます。その素晴らしき人生の横には、いつもルイ・ヴィトンがある。ルイ・ヴィトンの旅とは、人の歴史そのものを指しているのです。<br />
このコミュニケーション方法は、顧客側のアイデンティティに大きく影響を及ぼします。旅行鞄としてのアイテムを越え、人生の必需品という世界観を与えるからです。それは、顧客が良き人生を送るためにルイ・ヴィトンの鞄を選択するということが、一つの素晴らしい生き方に感じられるからです。ルイ・ヴィトンのブランド戦略のうまさが、ここに見ることができます。</p>

<p><br />
<strong>〈ロイヤリティ〉<br />
個々のブランド・アイデンティティを大切にする</strong></p>

<p>ルイ・ヴィトンが属するLVMHグループは、現在57のブランドを保有しています。注目すべきは、その全てのブランドが統合や合併をしていないという事実です。通常、企業のM&amp;Aでは、同一の顧客層をターゲットとしている場合、企業同士を合併させ効率を高めることがあります。しかし、LVMHグループは、あえてその方法を行いません。<br />
その理由は、企業合併のメリットは、効率向上という企業側の都合が最初にあり、顧客側のメリットはその次になります。LVMHは、顧客目線を重視しています。顧客は、個々のブランドの歴史とアイデンティティに対して忠誠心を持っており、それを無視して組織を再編することは、長年築き上げて来たブランドの崩壊を招きます。したがって、LVMHは、全ての戦略を顧客目線で考えています。<br />
長く愛されるからこそ、ブランドになる。<br />
ベルナール・アルノー氏は、言います。<br />
「我々は20年先を見て事業を立ち上げています」（*1）<br />
この長い目で取り組むブランドのビジョンが、多くの人々を魅了して止まないブランド・アイデンティティになっていることは明らかです。</p>

<p>他にも、ルイ・ヴィトンの強さを語る特徴は山ほどありますが、本質を突き詰めて行くと、『プレミアム』、『コミュニケーション』、『ロイヤリティ』のいずれかの戦略に乗っています。これらの戦略を一貫して、かつ、見事なまでに正確に実現している。そのマネジメントのうまさが、今日の成功をもたらしていると考えられます。まさに、ベルナール・アルノー氏の経営手法は、ブランド戦略も含めて、究極の芸術と言えるでしょう。</p>

<p>（*1）参考文献：ベルナール・アルノー　『ブランド帝国 LVMH を創った男　ベルナール・アルノー語る』　日経BP社　2003年</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review17.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review17.html</guid>
            <pubDate>Thu, 18 Oct 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ（前編）</title>
            <description><![CDATA[<p>日本人の5人に１人が持っている、ルイ・ヴィトン。<br />
その保有者数は、2400万人とも言われます。仮に、バッグの平均価格が15万円だとすると、日本の家庭には、3兆6000億円分のルイ・ヴィトン資産が眠っている計算です。世界最高の貯蓄率を誇る日本人も、ことルイ・ヴィトンに関しては、財布の紐が緩くなるようです。実際に、国内で展開している海外ファッション・ブランド企業の中でも、ルイ・ヴィトンの売上額は突出しています。百貨店でも、ルイ・ヴィトンの店舗だけが、なぜか長蛇の列を生む不思議さ。高額な商品にもかかわらず、なぜ、ここまで人々を夢中にさせるのか？そして、なぜ、ルイ・ヴィトンだけ別格な扱いを受けるのか？<br />
いかにして商品の価値を高めるのか、ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学びます。</p>

<p>ルイ・ヴィトンのブランド戦略。<br />
それは、プレステージ商品を売るための、究極の戦略と言えます。ルイ・ヴィトンが、今日のような驚異的なブランド力を持つようになったのは、現在の LVMH会長であるベルナール・アルノー氏が、1987年に買収してからになります。それまでの誕生以来130年の歴史は、旅行鞄の専門メーカーとしての歩みであり、今日のファッション・ブランドとしての躍進は、ベルナール・アルノー氏なくては語ることができません。つまり、近年のブランド戦略の成功の鍵は、彼の頭脳の中にあったと言えます。<br />
ベルナール・アルノー氏は、著書（*1）の中でこう言っています。<br />
「戦略があればこそ進むべき方向がわかり、チャンスがあるかないかを見抜くことができます。市場でのポジションを知らずに、ランクを上げることができるでしょうか」<br />
今回は、ルイ・ヴィトンのブランド戦略の特徴を、ブランド戦略の３大要素である『プレミアム』、『コミュニケーション』、『ロイヤリティ』の視点から考察したいと思います。</p>

<p><br />
<strong>〈プレミアム〉<br />
高価格の妥当性を与えるブレミアムの表現</strong></p>

<p>ルイ・ヴィトンの製品は、その丁寧な手仕事と、頑丈な作りに定評があります。上質な皮革と、優れた職人技。そして、何十項目にもおよぶ耐久テストが、この評判を支えています。　しかし、ここまでの話であれば、近頃のファッション・ブランドも同様の取り組みをしているはずです。ルイ・ヴィトンのブランド戦略のうまさは、そのクラフトマンシップへのこだわりを、余すところなく表現しているところにあります。<br />
ルイ・ヴィトンのウェブサイトを見てみましょう。レザーグッズ、シューズ、ウォッチ、ジュエリーなどの製造工程が、延々と動画で見ることができます。熟練の職人達が、一つ一つの製品を手間をかけて作り上げて行くプロセスが、詳細に表現されているのです。このクラフトマンシップに対する独自のこだわりが、高価格の妥当性を与えています。つまり、「そこまで丁寧に作り上げているのであれば、多少値段が高いのもうなずける」という納得感です。このこだわりが、ルイ・ヴィトン製品の世界観を形成しており、購入者はその世界観を含めて製品を購入しているのです。だから、決して高くはない。これが、明らかに製品価値以上のプレミアムを与えています。<br />
つまり、企業のブランド戦略においても、単に素晴らしい製品を作って売るだけでなく、そのこだわりのプロセスを余すところなく伝えるところに、プレミアム形成のヒントがあります。顧客は、その商品が本当に良いものだと感じていても、誰かにその通りだと言ってもらいたいものです。まずは、企業側がその役目を果たし、こだわりのプロセスを伝えることが重要です。</p>

<p><br />
<strong>徹底してブランドのプレミアムを守る</strong></p>

<p>ルイ・ヴィトンは、値引きをしません。<br />
値引きをしないどころか、セールもありません。百貨店のポイントも付きません。従業員向けの特別価格も存在しません。外商もなく、直営店舗以外で商品を買うことはできません。このように、徹底してブランドのプレミアムを守っています。<br />
ルイ・ヴィトンが、セールをせずに済む理由は、商品が不良在庫にならないからです。ルイ・ヴィトンの商品の大部分は、『定番』の旅行鞄やバッグです。代表格であるモノグラムは、100年もの歴史があります。その間、形状の進化はありますが、本質は何一つ変わっていないのです。したがって、今年売れ残ったとしても、来年売れば良いことであり、無理に在庫処分をする必要がないのです。これは、同じファッションブランドでも、コレクションを軸に展開するブランドと比較すると、大きな経営的なアドバンテージがあります。<br />
また、このことは、顧客側にも大きなメリットがあります。何年経っても古さが出ませんから、顧客は長く使えます。長く使えば、愛着が湧き、その良さが評判として広がります。そしてまた、ルイ・ヴィトンの定番商品を買う人が増える。このようなサイクルは、ブランドへの忠誠心を生み、顧客ロイヤリティの向上へとつながります。</p>

<p><br />
<strong>常にフレッシュなブランド像をつくる</strong></p>

<p>ルイ・ヴィトンからは、毎年、新作が発表されます。<br />
それは、時に、デザインを越えたアートな作品であり、人々の憧れを集めます。しかし、ルイ・ヴィトンの売上構成の大部分を占める製品は、先述の通り、このような新作ではなく、モノグラムなどの昔からある『定番』シリーズです。つまり、新作で目を引かれた顧客は、いざ購入する時点になると、結局のところ汎用性がある定番商品を買っている、ということになります。これは、良く出来たビジネスモデルです。<br />
仮に、ルイ・ヴィトンが毎年同じように定番シリーズだけを売っていたとしたら、徐々にブランドは忘れられて行くでしょう。顧客は誰でも、古びたイメージよりも、新鮮なイメージに興味を抱くものです。フレッシュなブランド像は、人々にパッションを与え、ブランドへの注目を維持する役割を果たします。<br />
この手法は、企業のブランド戦略にも応用することができます。新商品を開発したら、それですぐに収益を立つことは期待せず、まずは従来の商品販売に貢献させる。それを戦略に織り込んでおくのです。そして、毎年、何かしらの新商品を出して、顧客の興味をこちらに向けておくことが重要です。これは、企業のブランドを忘れさせないだけでなく、その存在を常にフレッシュで先進的なイメージとして、顧客の心に印象づけることができます。</p>

<p>次回は、ルイ・ヴィトンのブランド戦略を、『コミュニケーション』の視点から見てみましょう。</p>

<p><br />
（*1）参考文献：ベルナール・アルノー　『ブランド帝国 LVMH を創った男　ベルナール・アルノー語る』　日経BP社　2003年</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review16.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review16.html</guid>
            <pubDate>Thu, 11 Oct 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>商品のコモディティ化を避けるには</title>
            <description><![CDATA[<p>商品は、必ずコモディティ化します。<br />
どのようなモノでも、いつかは陳腐化するものです。しかし、近年の課題は、モノ余りの世の中での激しい価格競争が、コモディティ化の加速に拍車をかけており、そのスピードは毎年のように速くなっていることです。</p>

<p>例えば、デジタル家電を代表する液晶テレビ。数年前は、高嶺の花のような価格だったことを覚えているでしょうか。今では、中国製品の安売りも相まった急激な価格下落により、誰でも手が届くようになりました。26インチの液晶テレビでは、国内大手メーカーで8万円台、アジアメーカ－では6万円台の価格です。数年前に30万円で売られていたこの商品が、昨年は15万円前後になり、今年はその半値で販売されていることを考えると、嘘のような下落率です。この低価格は、企業努力と評価すべきことなのか、それとも過当競争と呼ぶべきなのか。事実に注目すると、この価格下落が原因で、2006年に国内大手メーカーは大幅な赤字を計上し、2007年は当時価格競争を仕掛けたアジア勢が大幅赤字を出す事態となっています。「何と馬鹿げた競争か」と客観視してしまいますが、それほどコモディティ化のスピードが速く、一流企業であっても予測できない、非常事態的な課題なのです。</p>

<p>このような価格競争が、最終的に行き着くところはどこなのか？<br />
まず、最初に考えられるシナリオは、この逆オークション的な価格下落に耐えられなくなった企業は次々と白旗を揚げ、最終的に2～3社が市場を構成するようになるでしょう。しかし、この手法は、コモディティ化に真正面から挑む戦略であり、これが可能な企業は、効率主義を得意とする一角です。その代表格である DELLも、必ず入ってくることでしょう。<br />
シナリオ2は、コモディティ化市場で戦うことを見限った企業が、逆トレンドに乗った商品を出して来ます。市場の法則では、安さが極まると、その反対の高価格な商品が、必ず出現します。大衆向けの26インチ市場は捨て、より高価格のプレステージ・ブランドで勝負する戦略です。プレステージ・ブランドの良い点は、スケールメリットがない分、不特定多数向けの広告費をかけずに高い利益率を実現できます。<br />
また、シナリオ3は、全く違う新基準を打ち立てることです。現在開催中のCEATEC JAPAN 2007では、ソニーから有機ELを利用した薄さ3mmの次世代ディスプレーが発表されています。ソニーは、プラズマテレビからいち早く撤退し、プラズマや液晶の覇権争いの次のステージに意欲を見せています。</p>

<p>このように、市場のコモディティ化を止めることはできませんが、シナリオ2と3の方法で避けることは可能です。そのキーワードは、「商品のプレミアム化」です。<br />
ブランドの価値の高さを表現する言葉として、ブランド・プレミアムという言葉があります。ブランド・プレミアムは、文字通り、他社商品との比較の中でプレミアムが存在するかどうかが問われます。例えば、音響メーカーのBang & Olufsenは、アーティスティックなデザインや、独自の音へのこだわりがあり、ブランド・プレミアムが高いと言えます。ブランド・プレミアムが高いと、競争相手がいなくなりますから、価格が自由に設定でき、利益率も高くなります。コモディティ化が企業の限界価格を試す現象に対して、ブランド・プレミアムの向上は購買者の限界価格を試すことになります。</p>

<p>したがって、コモディティ化対策の重要な点は、<br />
1）自社の商品がコモディティ化していないか確認する<br />
→多くの場合、それはコモディティ化しています<br />
2）コモディティ化を察知したら、それを避ける対策をいち早くスタートさせる<br />
→ゆっくりでは、自社の限界価格を試されることになり、確実な採算割れが待っている<br />
3）競合他社と徹底的に差別化し、ブランド・プレミアムを高める<br />
→企業のブランド・アイデンティティも含めた、明解なブランド戦略が必要です</p>

<p>商品は、必ずコモディティ化します。しかし、駒を読む人は、これを上手に避けて進むのです。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review15.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review15.html</guid>
            <pubDate>Thu, 04 Oct 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ポルシェのブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>納車までに平均９ヶ月待ち、新型車については１年半。<br />
１台につき1000万円前後の出費を迫るにもかかわらず、どんな金持ちであろうと関係なく並ばせてしまいます。世界で唯一の独立系スポーツカーメーカーであると同時に、自動車メーカーの中で最高の利益率を誇る企業、ポルシェ。そこまでして欲しいと消費者に思わせるブランド力は、どこから来るのか？<br />
フラッグシップである911の偉業を軸に、高級SUVカイエンの成功、ケイマンのリリースと続き、話題はポルシェ初の４ドアセダン戦略車「パナメーラ」の開発。そして、９月ポルシェは、既に31％保有するフォルクスワーゲン・アウディ・グループ（以下VW）の株式を、買い増すと発表。2007年内にも経営権を取得する方針です。</p>

<p>近年、ポルシェは、世界の自動車業界で最も良い利益率を誇ります。その利益率は、20％。世界のトヨタが10％ですから、驚異的な採算性と言えます。<br />
ポルシェの2006年度の生産台数は、9万7515台。VWの生産台数が約500万台、トヨタが約900万台と比べると、いかに小規模な自動車メーカーかがわかります。しかし、同年の利益額は、VWの4200億円に対して、ポルシェは3000億円強。生産規模が50分の1にもかかわらず、利益ベースでは同等のレベルです。<br />
なぜ、これほどまでに利益率が良いのか。高額なプレステージ・カーを販売しているからなのか。それであれば、メルセデスベンツやBMWも十分高価格帯の車を生産していますが、実情はトヨタにも及ばない利益率です。<br />
この背景には、ポルシェが近年取って来たブランド戦略があります。<br />
そのブランド・アイデンティティは、『壊れないプレステージ・スポーツカー』。</p>

<p>1992年当時、ポルシェは深刻な赤字を抱える、危機に瀕した自動車メーカーでした。社長に就任したヴェンデリン・ヴィーデキング氏は、まず経営を立て直すために大規模なリストラを行います。その効果で、1994年には黒字転換を遂げます。しかし、ヴェンデリン・ヴィーデキング氏は、それだけでは十分でないと判断します。<br />
「日本の自動車メーカーは、なぜ高い品質と生産性を維持できるのか。これをポルシェでも実現できないのだろうか」<br />
この思いが、ポルシェの品質を向上させ、生産性の効率化を高める原動力になります。徹底的な日本メーカーの研究と、品質へのこだわり。これを契機に、ポルシェは、車としての品質を大幅に改善して行きます。</p>

<p>そして現在、ポルシェは、世界でも最も壊れにくい車の一つとなっています。<br />
この事実を知り、私自身、驚きました。インターネット上のユーザレビューにおいても、「壊れやすい」という感想は見当たらず、非常に高い評価を得ているのです。<br />
元来、スポーツカーにおいては、走りへの追求から、日常の耐久性は二の次とされて来ました。購入者も、スポーツカーだからということで、多少の故障は暗黙の了解であり、それが文化でした。しかし、同時に、スポーツ車の購買層は年々縮小していることは事実であり、トヨタを始め、多くのメーカーはスポーツ車から撤退をしています。<br />
そこにポルシェは、『壊れないプレステージ・スポーツカー』を誕生させました。壊れないスポーツ車。そのようなものは、今までこの世になかったのです。これが、ポルシェを唯一無二のブランドへと押し上げたのです。<br />
壊れないプレステージ・スポーツカーだと、何が変わるのか？まず、成功したビジネスエリートが、新たな購買層に入って来ました。ポルシェというプレステージ性。そして、壊れないのであれば、ビジネスや通勤にも使えます。実際に、ポルシェの50％の購入は、米国の景気拡大の波に乗ったビジネスエリートが支えているのです。<br />
スポーツ車は、品質が悪くて壊れる。ヴェンデリン・ヴィーデキング氏は、この常識を覆しました。そして、『本質』を追究したのです。車の『本質』とは何か。それは、『きちんと走る』ということに他なりません。今や、ポルシェのブランド・アイデンティティは、スポーツ性やプレステージ性だけでなく、日常車としての安心をも提供するようになったのです。</p>

<p>2007年9月。ポルシェは、VWの経営権の取得に動き出しました。VW、アウディ、ポルシェの巨大グループの誕生です。この大きな組織においても、ヴェンデリン・ヴィーデキング氏は、ポルシェの経験をもとに、ブランドとしての『本質』を追究することでしょう。また、2007年は、ダイムラー・クライスラーが9年の合併体制を打ち切り、クライスラー部門をサーベラスに9000億円で売却しました。今後は、本来のメルセデスベンツ・ブランドの復活を、戦略の中心に据えるでしょう。<br />
自動車業界は、規模の論理の時代から、『本質』を追究するブランド戦略の時代へ移ろうとしています。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review14.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review14.html</guid>
            <pubDate>Thu, 27 Sep 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ヴァージン・グループのブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>We believe in making a difference.<br />
（我々は違いを生み出すことを信念とする）<br />
英国で最も有名な企業家リチャード・ブランソン率いるヴァージン・グループ。そのグループ内企業数は200社以上、従業員は50,000人に上る。そして、何よりも驚くことは、このグループが持つ世界的にも稀に見る個性豊かな企業ブランド。その強いアイデンティティは、一度見た人の脳裏から離れないばかりか、世界中のブランド・マーケターから羨望のまなざしを浴びるほどです。この完璧なまでに差別化されたブランドの源は一体どこから来ているのか？そして、ヴァージンのブランド戦略のキーポイントとはどこなのか？</p>

<p>ヴァージン・グループと言えば、最近は宇宙旅行サービスや幹細胞保存サービスなど、今も昔も変わらず新しいことが大好きなようです。<br />
リチャード・ブランソン氏のアイデンティティを一言で述べるのであれば、それは『冒険』でしょう。過去に幾度も自身の冒険旅行で絶体絶命になりながらも、必ず生還を遂げる彼の強運は有名です。このアドベンチャー精神こそが、ヴァージン・グループブランドの根源である、と言う人もいます。確かに、ヴァージンの社会への挑戦的なアプローチは、多くの若者を魅了する、中心的なブランド・アイデンティティであることは間違いありません。しかし、単にリチャード・ブランソン氏の行動を見て、ユーモラスな冒険好きが作った一風変わった企業グループ、と捉えるのは正しくありません。その理由は、ヴァージン・グループは、航空会社（ヴァージンアトランティック）や鉄道、または飲料や映画など、冒険とは関係ない分野にも進出し、成功を収めています。日本では近年、多くの企業が多角化経営に乗り出し、結果的に何の会社だか大衆に理解されなくなり、急激にブランドを失墜させた例は山ほどあります。にもかかわらず、ヴァージン・グループの多角化的事業展開は、ブランド力が衰えるばかりか、ますます力をつけていく。なぜなら、この不思議なブランド戦略の裏には、ヴァージン・グループ特有のメソッドがあるからです。</p>

<p>さて、以下のリストはヴァージン・グループがビジネスに新規参入する際にチェックする項目（*1）です。</p>

<p>１）その参入は、業界再編につながり、その中で競争優位を勝ち得るチャンスになるか？<br />
２）他の競合他社はどういう状況か？<br />
３）その業界では、顧客が混乱していたり、ひどい待遇を受けていたりするか？<br />
４）この参入はVirginブランドを強くするか？<br />
５）（競合他社よりも）価値を増やすことができるか？<br />
６）グループ内の他のビジネスとシナジーが生まれるか<br />
７）リスクとリターンが合っているか？</p>

<p>このチックリストから導かれるキーワードは「改革」です。ヴァージン・グループは「改革」を行う会社なのです。ヴァージンがあるマーケットに参入を決定した瞬間、そのマーケットには改革の波が押し寄せることを意味します。<br />
「顧客が不必要にお金を取られている業界、または、お金に見合ったサービスを受けていない業界。こういうところに革新的な方法で挑戦するんだ。」（*2）<br />
と、リチャード・ブランソン氏は言います。<br />
「大衆がVirginがやるべきだと考えている。もっと質の高いサービスを提供するべきだと。それを追求して来たことが、今日の成功の理由でもある」（*3）<br />
この言葉からはわかるように、ヴァージンならやってくれる、もっと社会を面白くしてくれるはずだ、という大衆の期待の中にヴァージン・グループの強いブランド・アイデンティティがあります。</p>

<p>ブランド戦略とは、必ず「顧客の動機」に基づいて設計する必要があります。「顧客の動機」を無視したブランド戦略は、自己満足に過ぎません。リチャード・ブランソン氏の行動は、ヴァージン・グループのブランド・アイコンです。目立つことが好きなように見えながらも、実はそれだけではなく、顧客の動機を深いレベルで理解し、自らが代弁者となって行動しているのです。それは、ヴァージンが参入することで、その業界は以前と全く変わるのだという、私たちが潜在的に心のどこかに持っている、改革の動機であり、心の叫びです。その期待を裏切ることなく実行する姿に、世界から支持されるヴァージン・グループのブランド戦略の根源があるのです。</p>

<p>（*1）（*2）（*3）2007年9月現在のヴァージン・グループ・グローバルサイトから引用<br />
http://www.virgin.com/AboutVirgin/WhatWeAreAbout/WhatWeAreAbout.aspx</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review13.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review13.html</guid>
            <pubDate>Tue, 18 Sep 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ハイアット・グループのブランド戦略</title>
            <description><![CDATA[<p>ハイアットの躍進が、続いています。<br />
世界44カ国に高級ホテルを展開する、グローバル・ハイアット・コーポレーション（米国シカゴ）。そのホテル数は、現在735軒。この５年間で、2倍以上に伸ばした巨大急成長企業です。<br />
この快進撃の裏には、立て続けに買収した他のホテルチェーンの存在があります。2004年、ハイアットは、中級スイートルーム・ホテルを展開する AmeriSuites （アメリスイーツ）を買収。2005年には、同業態のSummerfield Suites （サマーフィールドスイーツ）を取得しました。ともに売り手は、あの有名なブラックストーン・グループ。先日、ヒルトンホテル・コーポレーションを3兆 2000億円でM&Aに成功した、巨大バイアウト・ファンドです。</p>

<p>今、ホテル業界では、M&Aが活発化しています。<br />
今年２月、フォーシーズンズ・ホテルは、ビル・ゲイツ氏とサウジのアルワリード王子の投資会社に4200億円で買収されました。４月には、全日空がグループの13ホテルを2813億円でモルガンスタンレーに売却。7月には、先のブラックストーンによるヒルトン買収と、2007年が終わらないうちに3件もの大型M&Aが行われました。<br />
まるでトランプの手札を取り替えるような、ファンドを巻き込んだ買収劇は、今後もホテル業界でM&Aが続くことを意味しています。その背景には、全世界の経済成長率とともに堅調に伸びるホテル需要と、各ホテルチェーン間で繰り広げられる熾烈な競争により、スケールメリットと同時に、顧客の心をつかむ近代的なブランド・イメージの必要性が、急速な高まった点があげられます。</p>

<p>日本国内でも、施設の老朽化や、サービスの近代化に、明確な対策を打てないホテルは、次々と姿を消しています。<br />
そして、それをグローバル・ブランドが拾う構図があります。これは、もはや、高級ホテル業界は、小規模な経営では、太刀打ちできないほど競争が激しくなっていることを示しています。世界的な顧客ニーズを研究し、近代的なサービスを提供するグローバル・ブランドは、国内ホテルの実力を遥かに凌ぐ、知的戦略を持っているのです。</p>

<p>さて、大手ホテルチェーンのブランド戦略には、買収したホテルをポートフォリオ化するケースと、リ・ブランド化するケースの、２通りの方法があります。ハイアット・グループのブランド戦略は、後者のリ・ブランド戦略です。<br />
リ・ブランドとは、買収したホテルの元々のブランドを捨て、ハイアットを冠したホテルとしてブランドの再生を行う戦略です。先述のAmeriSuites とSummerfield Suites は、ともに「HYATT PLACE」ブランドとして生まれ変わりました。日本国内でも、旧京都パークホテルを改装した「ハイアット リージェンシー京都」や、昨年12月にオープンした「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート＆スパ」などが、記憶に新しいケースです。<br />
一方、ハイアット・グループとライバル関係にあるスターウッド・ホテル＆リゾートは、ポートフォリオ戦略を取っています。傘下には、ウェスティン、シェラトン、ル・メリディアンなど、8つの高級ホテルブランドが肩を並べています。グループの総ホテル数は、871軒と、ほぼハイアットと同規模です。ポートフォリオ戦略は、リ・ブランドのコストがかからない反面、傘下のブランド間で差別化が十分出来ない事態が懸念されます。正直なところ、私の目には、ウェスティンとシェラトンのブランドの差があまりないように映ります。</p>

<p>735軒全てが同じ名を冠する、ハイアットのシングルブランド方式は、ブランド認知の面からも有利です。しかし、今後、事業拡大のスピードを高めるためには、どこかの時点でポートフォリオ戦略に移行する必要があるでしょう。先述のブラックストーンは、ヒルトン買収で2800軒ものホテルを手に入れましたが、ハイアットが過去2回、ブラックストーンから買い入れている事実が示すように、今後、ヒルトンホテルとハイアットの間にまた動きがあっても不思議ではありません。もしくは、３大ホテルの一角であるカールソンが、ヒルトンを狙う可能性もあります。カールソンは、従業員数17万人の規模にも関わらず、未上場企業であり、株式公開をてこにヒルトンを手に入れることができるはずです。<br />
いずれの場合にせよ、ホテル業界は、ポートフォリオ戦略へ移行するトレンドがあるようです。シングルブランドで強みを活かしたハイアットが、ポートフォリオ戦略を取った場合、どのようなブランドが誕生するのか、非常に注目したいところです。<br />
なお、ハイアット・グループは、今年9月ロンドンに新ブランド「アンダーズ(ＡＮＤＡＺ)」をオープンし、これがポートフォリオ戦略の第一号となる予定です。</p>

<p><br />
【参考情報】</p>

<p>〈３大ホテル・グループ〉<br />
ヒルトンホテル・コーポレーション　2800軒<br />
マリオット・インターナショナル　2900軒<br />
カールソン・カンパニーズ　1600軒</p>

<p>〈その他のホテル・グループ〉<br />
スターウッド・ホテル＆リゾート　871軒<br />
グローバル・ハイアット・コーポレーション　735軒<br />
フォーシーズンズ・ホテル　74軒<br />
リッツカールトン　66軒　（マリオット傘下）<br />
フェアモント・ホテル　50軒<br />
ローズウッド・ホテル　22軒<br />
マンダリン・オリエンタル　20軒</p>]]></description>
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            <pubDate>Mon, 03 Sep 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>アンディ・ウォーホルに学ぶ、戦略の必要性</title>
            <description><![CDATA[<p>画家ゴッホは、偉大な作品を残しました。<br />
しかし、彼の絵は、生涯でたった１枚しか売れなかった、と言われています。彼の類い稀な才能が認められたのは、死後のことでした。『アートは芸術家が亡くなった後に評価を得る』と言いますが、ゴッホはその典型と言えるでしょう。<br />
一方、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルは、生きながらにして天才と呼ばれた人物です。彼は、商業広告のアートディレクターとして高い評価を得ていたにもかかわらず、もっと成功する方法を探していました。そして、ファインアートに転向することを決意したと言われています。代表作のマリリン・モンローやキャンベルスープなどは、当時のアメリカ社会を象徴する作品となり、ウォーホルは、瞬く間に世界的な商業画家として登り詰めて行きます。<br />
この偉大な２人の画家を比較した時、多くの人はこう思うでしょう。<br />
『ゴッホは不運で、ウォーホルはラッキーだった』と。<br />
しかし、ウォーホル作品に世界が共感を覚えた背景には、実は、彼の巧みな戦略があったのです。</p>

<p>現代のマーケティング戦略にも通じる、ウォーホルの作品プロデュースの手法。<br />
ここで、代表的な彼の戦略を見てみましょう。</p>

<p>１）時代を読んだ「商品戦略」<br />
　　長年、古典的な芸術は、理解が難しく専門的な分野でした。これに対して、ウォーホルは、大衆が一目で理解できるアートを目指しました。大衆文化の象徴であるコーラ、ドル紙幣、映画スターがその例です。あえて有名なものを題材とした彼の作品は、大衆のアートへの興味を一気に開放したのです。また、自らのスタジオを「ファクトリー（工場）」と名付け、作品の量産を可能にした生産体制も確立しました。アートの世界では、前代未聞の手法です。</p>

<p>２）タイミングを利用した「販売戦略」<br />
　　マリリン・モンローの突然死を知ったウォーホルは、すぐに彼女のスチール写真から作品を創り、それを大量生産しました。また、当時のアメリカ大統領ニクソンの訪中にあわせて毛沢東のポートレイトを制作します。このように、代表的なウォーホル作品は、人々が注目する絶好のチャンスを狙ってリリースされました。</p>

<p>３）知名度を活かした「PR戦略」<br />
　　ウォーホルは、確信していました。『大衆は有名なものへの憧れがある』と。これは今日のビジネスで言う、ブランドへの憧れです。代表作「マリリン」は、当時のセレブリティをも熱狂的にさせました。これを皮切りに、エルヴィス・プレスリー、エリザベス・テイラー、マイケル・ジャクソン、ジョン・F・ケネディ、ミック・ジャガーなどの作品をリリースします。評判が評判を呼び、ウォーホルのポートレート作品になることは、当時の著名人にとってある種のステイタスとなり、ウォーホルはその度に高額な報酬を受け取ったと言われています。</p>

<p>アンディ・ウォーホルが、戦略的にアートに取り組んだのかどうかは憶測に過ぎません。が、彼の前職は、アートディレクター、つまりマーケターでした。無意識にも、時代を読み、戦略を組み立てる能力が、身に付いていたことでしょう。また、彼がさらなる成功を求めて芸術家の道を選んだ経緯からも、戦略家としての知識を使わなかったはずがないでしょう。</p>

<p>さて、ゴッホとウォーホルの人生は、対照的ですが、共に優れたアート（商品）を生み出しました。<br />
しかし、この２人の物語は、同じ商品であったとしても、そのマーケティング手法によって、経済的成果が大きく差が出ることを表しています。私たちが、アーティストを目指すのであれば、ゴッホのような人生も良いでしょう。しかし、正しいと思うことを愚直に続けて行った結果、生きている間に認められないのであれば、ビジネスマンとしては失格です。なぜなら、ビジネスは、限られた時間の中で成果を出す仕事だからです。優れたビジネスマンという立場からは、むしろ、ウォーホルの「戦略」にヒントを見つけた方が良さそうです。</p>]]></description>
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            <pubDate>Mon, 20 Aug 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>３つの主義で変わるアウトプット</title>
            <description><![CDATA[<p>ブランドの原点が異なると、導かれるアウトプットも変わります。<br />
前回お話しした、３つのタイプ。「顧客主義」、「商品主義」、「効率主義」。企業は必ずこの中の１つに属する、という内容でした。<br />
例えば、コーヒー業界を見てみましょう。顧客主義＝ユニマット、商品主義＝スターバックス、効率主義＝ドトール、と当てはめることができます。企業に深く入っているユニマットのビジネスは、まさに顧客主義です。この主義のビジネスは、カスタマイズ能力が突出しています。圧倒的な商品主義を誇るのは、スターバックス。コーヒーの味もさることながら、一度見たら忘れられないクリエイティブな世界観。どこか前回のアップルに通じるところがあります。そして、スターバックスよりも手軽な値段で勝負するドトール。明らかに効率性が競争力です。<br />
中身は、同じコーヒーです。しかし、選択する主義によって、これほどいろいろな演出方法があります。この３社を比較するだけでも、いかにアウトプット、つまり商品の見せ方が違うか、お分かりになるでしょう。</p>

<p>上記を踏まえると、ブランド戦略をアウトプット側から検討することは、明らかに間違いです。<br />
商品の見せ方は、最終的には重要です。が、それだけでは、中身はカラであり、ブランドとして顧客に伝わるものはありません。顧客は、商品とその周りにある世界観を通じて、企業が発するメッセージを感じるものです。そこにファンが付き、お金を払う。それが実現して初めて、ブランド力と呼ぶことができます。魅力のある人の共通点が、外見だけでなく中身が素晴らしいことと同じです。形だけのブランドつくりは、全く意味がないのです。</p>

<p>多くの場合、企業は既に、３つの主義のいずれかに属しています。そうでなければ、今この瞬間、存続していないはずです。<br />
問題は、その主義を再確認し、研ぎすますことができるか、です。先の例にある、コーヒー業界３社は、それぞれの主義を研ぎすましています。誰でも思い浮かべることができる、ということは、それだけブランドが際立っていることです。しかし、コーヒー業界には、他にも無数の企業があるはずです。レトロな昔ながらのコーヒーショップもその一つですが、残念ながら記憶には残りません。これが、ブランド力の違いです。</p>

<p>では、このレトロなコーヒーショップのブランド力を上げるには、どうしたら良いのか？<br />
まず、３つ主義の中から一つを選びます。そして、その主義を研ぎすまします。<br />
商品主義を選択したとします。レトロなコーヒー店であれば、そのレトロさを徹底的に際立たせて、エンターテイメント性を持たせることもできます。お店に入ったとたんに、50年前へタイムスリップです。コーヒーカップも灰皿も、マッチのパッケージも、全部昭和のテイストに統一。メニューもユニフォームも、可笑しいほど懐かしくする。このようなお店があったら、メディアの取材が見逃すはずがありません。<br />
また、顧客主義を選択するのであれば、ホテルのようにお客様ひとりひとりの名前を呼んだり、スタッフのプロフィールをホームページで公開するなど、信頼関係向上の努力はいくらでも思いつくはずです。</p>

<p>主義を研ぎすますということ。<br />
ブランディングがうまくできない場合の多くは、企業が主義を研ぎすますことに躊躇するからです。高度成長期の習慣で、今でも、日本人全員に買ってもらえるようなブランドを作ろうとします。しかし、結果は、誰にも買ってもらえない。なぜなら、全員に買ってもらおうとすると、競合他社と同じブランディングなり、自社にブランドがないも同然になるからです。最終的に、差別化ができないまま、価格競争へと陥ります。典型的なブランディングの罠です。選択肢が豊富な成熟社会であれば、尚更のことです。膨大な情報の渦の中、顧客がより際立ったブランドに引き寄せられる現象は、当然のことと言えます。<br />
まず、主義を再確認しましょう。そして、それを研ぎすます。そうすれば、自ずとアウトプットが見えてくるはずです。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review10.html</link>
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            <pubDate>Fri, 03 Aug 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ブランドの原点とコミットメント</title>
            <description><![CDATA[<p>ブランドの原点とは、顧客へ対するコミットメント（約束）です。<br />
例えば、トヨタの車は高い品質と耐久性を。VOLVOは安全性を。BMWはスポーティな楽しみを。それぞれの企業が顧客へ約束しています。このようなコミットメントが、ブランドの原点となることで、顧客は安心してその企業にお金を払うことができるのです。<br />
一方、ブランディングが難航するとういことは、コミットメントが明確でない、または、そのコミットメントに対してすでに巨人が存在する場合です。「高い品質と耐久性」という約束に関して、何千億円あってもトヨタ以上のブランドをつくることは不可能です。したがって、ブランドつくりは、その原点が非常に重要なのです。</p>

<p>前回お話ししたアップル社のケースも同じです。<br />
「未来のモノを形にする」というアップル社のオリジナリティは、ブランドの原点です。<br />
そこには、顧客とアップル社の間に、明確なコミットメントがあります。未来的で、エキサイティングなモノが欲しい時は、アップル社の製品なら間違いありません。大抵の人は、そのように想像できるのです。顧客にそう思わせることができたのなら、それがブランド力です。素晴らしいことに、一度このブランドが確立できると、価格で勝負する必要がなくなります。事実、アップル社は価格で勝負していません。にもかかわらず、売れる。<br />
価格が高くても売れる商品の裏には、必ずブランド戦略があります。商品を作れば、誰か買ってくれるだろう。そのようなプロダクトアウト的な手法は、値引き競争の餌食になります。<br />
今日の成熟社会は、選択肢がいくらでもあるのです。ここで勝ち進むには、製品やサービスよりも先に、まず顧客への明確なコミットメントが必要です。なぜなら、顧客はコミットメントにお金を払っているのです。</p>

<p>さて、ブランドの原点はどうやって見つけるのか？<br />
ここからは、具体的なメソッドについてお話しをいたします。</p>

<p>企業は、必ず３つのタイプに分類されます。<br />
「顧客主義」、「商品主義」、「効率主義」。<br />
この３つのタイプから外れる企業は存在しません。<br />
例えば、外資のコンピュータ業界において、顧客主義の代表格は、IBMです。アップルは、商品主義です。効率主義は、デルです。<br />
もちろん、IBMのような顧客主義の企業でも、商品を重視しますし、Appleに効率主義的な要素が全くないという話ではありません。しかし、競争力という視点から見ると、IBMは圧倒的にその顧客重視の体制で他を寄せ付けず、Appleは、何にも増してその商品企画に魅力がある会社です。<br />
自らのブランドの原点を発見するには、まず、この３つのどれかに当てはめる必要があります。先述したように、この３つのタイプから外れる企業は存在しませんから、この３つに当てはめられない＝コミットメントが明確でない、ということになります。その行き着く先は、ブランディングの難航であり、最後は価格競争です。したがって、まずこの３つの内の１つになることが重要です。</p>

<p>もう一つ重要なことは、すでに巨人が存在する場合は避けておく、と言うことです。<br />
マイケル・デルは、起業当初から、IBMをベンチマークにしていたそうです。目標は、IBMを超えること。しかし、彼はIBMと同じように顧客主義で挑もうとは考えませんでした。その代わり、効率主義を使ったのです。それが、デルのダイレクトモデルを初めとした、効率追求のコミットメントであり、ブランドの原点です。もし、マイケル・デルが当時、顧客主義を選択していたら、デルがPC市場でIBMに勝つという歴史はなかったでしょう。<br />
興味深いことに、それぞれの企業は、驚くほど綺麗に住み分けています。ブランドが強ければ、強いほど、この住み分けは明確です。つまり、コミットメントの差別化です。しっかりとした境界線を、マジックペンで引けるくらいに差別化する。これが重要なポイントです。</p>

<p>このような視点から市場を見ると、空いているマーケットが見えて来たりします。<br />
例えば、古い業界、ニッチな業界では、長年の取引関係だけで、ビジネスが成り立っているマーケットがあります。これらのプレイヤーは長年の顧客主義でしょうから、効率主義や商品主義のポジションは空いているのです。もし、価格競争に陥っているのであれば、空いている主義に切り替えることによって、再び成長を加速させることができるのです。</p>

<p>ブランドを築くには、まず、その原点が重要だという事実をお分かり頂けたでしょうか。言い換えますと、原点さえしっかりしていれば、ブランドを強化することは、いかようにもできるのです。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review09.html</link>
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            <pubDate>Fri, 13 Jul 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>完全復活したアップル社のオリジナリティ</title>
            <description><![CDATA[<p>「多くの場合、人はモノを見せないと、自分がそれを欲しいかどうかすら分からない」<br />
アップル社の創業者、スティーブ・ジョブズ氏の言葉です。<br />
だからアップル社は、今も、未来のモノを形にしています。</p>

<p>今回のシリーズは、「ブランドの原点を探る」です。<br />
強いブランド力を武器に、確実に発展を遂げる企業や商品。これらのパワーの源はどこにあるのか？また、同じような強いブランドを築くには、何を押さえる必要があるのか？<br />
ブランドの組み立ては、「オリジナリティ」→「アクション・プラン」→「アウトプット」の順番です。<br />
第一回目は、「オリジナリティ（社会的な存在意味）」についてお話しします。</p>

<p>先のスティーブ・ジョブズ氏。未来を見る洞察力は、天才的です。多くの方が知っていることだと思います。<br />
あまりに強いカリスマ性に、一時自ら創業したアップル社を辞めることになった話は有名です。しかし、スティーブ・ジョブズ氏は戻ってきます。12年後、アップル社が危機的な赤字に陥り、再建のために彼の力を必要としたからです。会社は、彼を呼び戻すことで、もう一度個性を取り戻そうとしました。その決断は、的中しました。スティーブ・ジョブズ氏は、iMacやiPod（そして今度はiPhone）の大成功という奇跡を起こし、アップル社を完全復活に導きます。会社に見事なまでのオリジナリティを与え、強いブランドが実現した瞬間です。</p>

<p>企業にとって、「オリジナリティ」とは何か？<br />
それは、「社会的な存在意味」です。自分たちは社会をどう変えるのか。何のために始めたサービスなのか。つまり、企業自身（商品自身）について一言で述べる、存在理由がオリジナリティです。重たい話のように聞こえるかも知れませんが、実は非常にシンプルなのです。<br />
例えば、アップル社のオリジナリティは、復帰したスティーブ・ジョブズ氏の「信念」に間違いありません。つまり、「未来のモノを形にして、人に見せる」という信念が、アップル社の存在意味として掲げられ、iPodやiPhoneといったカタチになっただけなのです。そのカタチを見て、私たちはブランドを感じる。なぜなら、商品の向こうに、スティーブ・ジョブズ氏が想う世界観を感じるからです。驚くほどシンプルな構図ではありませんか。</p>

<p>しかし、人間は、自分のことに関しては全く客観的になれないものです。自分の会社や自社商品が対象だと、そこまでシンプルではない。<br />
仕事熱心で立派な人ほど、他人に尽くし、自分は後回しにするものです。これは全く正しいことです。「自分たちの存在意味は・・・」などと考えているのなら、１件でも多くの顧客を獲得し、喜んでもらいたい。私も同感です。<br />
問題は、チームとして、または企業としてお客様に接するのであれば、自分だけの努力では乗り越えられない点です。ここで初めて「ブランド」という考え方が現れます。お客様との接点をブランドに託す。そうすることで、多くの顧客と価値観を共有できます。その第一歩として、ブランドの「立ち位置」が必要です。これが今回お話しをしているオリジナリティなのです。</p>

<p>スティーブ・ジョブズ氏は、常に時代が何を彼に要求しているのかを察知しています。自分の社会的存在意味は何か？そうでなければ、シリコンバレーで２度も奇跡を起し、これを単なるラッキーと呼ぶことができるでしょうか？<br />
スティーブ・ジョブズ氏を心から尊敬する人が大勢いると同時に、あまり得意ではない人もいます。しかし、それで良いのです。大事なことはオリジナリティがないと、嫌いな人もいなければ、好きな人もいないということです。つまり、誰もいない。誰からの関心も引くことができない。空気のような「無」の存在です。もし、アップル社に明確なオリジナリティがなければ、今日、このような躍進を私たちが目にすることはなかったでしょう。<br />
まさに、オリジナリティとは、自社が自社であり続ける意味と、他社と全く違うとこと証明する根拠です。スティーブ・ジョブズ氏の２度の奇跡は、その大切さを教えてくれています。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review08.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review08.html</guid>
            <pubDate>Fri, 29 Jun 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>トレンドにはリズムがある</title>
            <description><![CDATA[<p>ダイソンをご存知でしょうか？<br />
変わった色と形をした、紙パックがいらない掃除機です。今でこそ他社メーカーも同じようなデザインになってきたので目立ちませんが、10年前に発売された当時は画期的な出来事でした。何しろ掃除機と言えば「ゴミを吸う機械」ですので飾り気などありませんでした。ダイソンの楽しげなデザインは、より豊かな生活を夢見る当時の消費者の心をしっかりと掴むことになり、後の掃除機の新しいトレンドを築くことになりました。</p>

<p>さて、２回にわたりトレンドのお話をしてまいりましたが、最後にトレンドにはリズムがあることをお話ししたいと思います。このリズムを見分けることにより、未来のトレンドがある程度予測できると考えられています。予測できれば、それに合わせてアプローチを考えることも可能でしょう。</p>

<p>トレンドには大きく分けて２種類のリズムがあります。</p>

<p>１）循環するトレンド<br />
【イノベーション】→【類似品】→【発展版】→【さらなるイノベーション】</p>

<p>先ほどのダイソンの話に戻りましょう。<br />
ダイソンの掃除機は間違いなく【イノベーション】でした。掃除機に新しい価値観を与えたのです。それ以前の掃除機はどうでしょう。どれもこれも同じように素っ気ない機械でした。ダイソンは掃除機業界に新しいステージを作ったのです。<br />
さて、デザイン性の高いダイソンが日本で発売され人気が集まると、３ヶ月もせずに家電メーカーからダイソンに似たようなデザイン掃除機が出てきました。このあたり家電王国日本の企業の行動は驚くほど素早い。売れる新基準ができたので、ここぞとばかりに売って行こうということです。これが【類似品】マーケットの段階になります。<br />
さて、日本メーカーの攻勢を受けて、ダイソンはさらに独自の技術を向上させ、商品ラインアップの充実を行いました。日本メーカーも負けてはいませんので、商品改善をします。これが【発展版】の段階です。ここまで競争が進行すると、マーケットには高品質な商品があふれ、性能比もそれほど変わらなくなります。消費者にとっては、どれを買っても満足する製品がたくさんあります。したがって、ここからさらに性能を上げても、消費者が飛びつくような商品にはならない状況です。こうなりますと、マーケットを活性化する何か新しい起爆剤的な発想が必要になります。これが【さらなるイノベーション】の段階です。今後ダイソンが仕掛けた掃除機トレンドは、近い将来【さらなるイノベーション】が起こることでしょう。</p>

<p>iPodで有名なアップル社も同様の循環トレンドを描いています。アップル社が優れている点は、自らこの循環トレンドを計画的に先導し、ランバル他社がこのトレンドに乗る前に次の段階へトレンドを進ませる力があることです。これによりライバル社は今ひとつしっかりとトレンドに乗れなくなり、一番トレンドの恩恵を受けるのはアップル社のみになります。<br />
では見てみましょう。<br />
まず、アップル社復活のきっかけとなったiMacは、素っ気ないPCにカラフルなデザインを採用し、業界に【イノベーション】を起こしました。するとこれに他社メーカーも追随し、PC業界は一気にデザイン重視のトレンドに進みました。あの合理的で有名なデル社でさえデザインを重視しましたから、あきらかに【類似品】の段階に入ったのです。その後、TVチューナーやDVD内蔵など、各メーカーは性能向上の競争に入り、トレンド段階は【発展版】になりました。差別化が難しくなった混沌とした業界に、【さらなるイノベーション】を起こしたのがiPodです。また、トレンドが最初から始まることになり、慌てて他社メーカーも追随します。しかし、今回のアップル社は上手でした。数ヶ月もしないうちに小型iPodをリリース。その後も3ヶ月おきに新しい製品を繰り出し、他社メーカーの【類似品】を極力押さえ込むことに成功します。トレンドの性質を最大限利用し、完全にマーケットを主導するアップル社には、誰も追随できなくなります。CEOのスティーブ・ジョブスが天才と言われる理由でしょう。</p>

<p>２）逆に進むトレンド</p>

<p>もう一つのリズムは、逆に進むトレンドです。つまり、主流トレンドに対して反対の方向に進むもう一つのトレンドです。<br />
例えば、世の中が便利になり、「時間の効率化」が主流トレンドになる一方、スローライフや癒し、リラクゼーションなど、あえて無駄に時間をかけることが尊いとされる傾向が逆トレンドです。このような現象はいたるところで起こっています。数百万円もするハンドメイドの時計が飛ぶように売れるなどは、完全に技術進歩の流れとは逆行しており、合理的には理解しがたい現象です。しかし、人間は自ら逆トレンドを描くことにより、精神面でのバランスを取っているのかも知れません。<br />
このように、トレンドには主流トレンドと逆トレンドの２種類あり、ビジネスとしてどちらを選択するのも自由です。<br />
主流トレンドは、そのマーケットも巨大ですが、競争も激しいものです。参加するには資金力が必要であり、かつ利益を出すにはある程度の事業規模が重要です。一方、逆トレンドは隠れマーケットであるため、ニッチビジネスにはもってこいです。資金力もいらず、わずかな規模でも利幅が確保できます。弱点としては、主流トレンドと違って、ある意味布教活動をしないと人々が振り向いてくれない点があげられます。また、参加してからマーケットサイズが思ったよりも小さいことが判明することもあります。<br />
いずれの場合も勝算はあります。しかし万一、主流トレンドでも逆トレンドでもないビジネスに参加した場合、資金を損失する確率は飛躍的に高まります。それは、やはりトレンドとは顧客の欲求が作り出す流れであり、顧客の欲求がないことをビジネスにすれば失敗するものです。したがって、トレンドを読むということは、この瞬間の顧客の心を理解し、未来に向けてビジネスをどう発展させて行くのかを左右させる、重要な仕事と言えます。例えるならば、それは、自身が進むべき「道」を見つけることと同じなのです。</p>]]></description>
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            <pubDate>Tue, 19 Jun 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>トレンドの勝者と敗者</title>
            <description><![CDATA[<p>世界のワイン業界にもメガトレンドがあります。<br />
ワインの話をすると、「HARUさんまたワインの話をしているよ」とお客様の中には呆れる方もいるでしょうが、今回はマーケティングの話なのでお付き合いください。</p>

<p>世界のワインビジネスには、モダンワインのメガトレンドが来ています。<br />
モダンワインとは、最先端の醸造手法の研究と、醸造設備のハイテク化により、これまでコントロールが難しかったワインの味や品質を、ある程度制御できるようになった結果生まれたワインです。その特長は、華やかで味が濃く、酸味が少なく、力強く余韻が長い、現代人が飲んで素直においしいと思う味を実現しています。このトレンドの仕掛人はいつものごとくアメリカ。その代表がカリフォルニアワインです。特にカリフォルニア大学デービス校の醸造学科は有名で、今日のモダンワイントレンドの震源地になっています。</p>

<p>さて、このトレンドに対して一つの議論が巻き起こっています。<br />
自然の恵みの結晶とも言えるワインの品質を、安易に人間がコントロールして良いのか？近代化はフランスで長年育んできたワイン文化を崩壊させようとしているのではないか？というものです。もちろん論争をしかけたのは、伝統的なクラシックな手法を堅持するワイナリーです。彼らは、頑固にもワインはただの飲み物ではない、文化なのだと言います。<br />
しかし、消費者の意見は単純でした。今までよりもおいしいワインが飲めるなら、何が悪いのかと。消費者は「文化」を飲んでいなかったのです。<br />
ここで勝ち組と負け組がはっきりしました。メガトレンドに乗っている人＝カリフォルニアワイン。乗り遅れた人（もしくは頑固に乗らなかった人）＝伝統にこだわったワイン。この事例が示すように、トレンドはカリフォルニアが仕掛けましたが、その背景には顧客のニーズ、つまり長年堅くて酸っぱいワインに誰もが不満があり、できれば誰が飲んでもおいしいワインというのはないものだろうか？という潜在的な欲求があったから一気に加速できたのです。したがって、トレンドは勝手気ままに仕掛人が作るものではなく、顧客の声を束ねることにより見えて来る欲求の傾向なのです。<br />
今後ワイン業界がどうなっていくかは、もう想像がつくでしょう。</p>

<p>では、トレンドに気づくためにはどうしたら良いか？<br />
それは、トレンドに乗れなかった人の失敗要因を見ると参考になります。</p>

<p>１）トレンドが苦手な人は、顧客視点を忘れている</p>

<p>トレンドと言うと、何やら浮ついた雲に乗るような気分で、硬派な人は肌に合わないこともあるでしょう。きっと伝統的なワイナリーも、モダンワインが軟派に見えたのでしょう。<br />
私もマーケティングをやっている人間としては硬派な方で、一過性や短期的な方法よりも、本質的な視点を好みます。ただ、本質的な視点と頑固は別です。頑固になると他の意見が耳に入りません。世の中がどう動いているのか？顧客は何を求めているのか？そんなことよりも、自身の流儀を貫きます。職人気質とプロフェッショナルは違います。職人は製品に完璧さを求める一方、プロフェッショナルはお客様の満足に完璧さを求めます。今日、多くの老舗企業が収益力を落とし、再建が必要になる背景には、伝統と歴史を重んじるがばかりに、刻々と変化する顧客ニーズを見失い、結果的に意識のギャップが生じてしまうことも一因でしょう。物不足の時代と、精神満足を求める現代は違います。ビジネスとは顧客あってのことですから、私たちビジネスマンは職人気質よりもプロフェッショナルを目指すべきなのでしょう。</p>

<p>２）トレンドが苦手な人は、自身を変えるのが怖い</p>

<p>さて、プロフェッショナルの最終目的は、お客様の満足です。そこに完璧さを求めるのであれば、プロフェッショナルは喜んで自身を変化させます。その心の柔軟さが重要です。世の中は刻々と変化をしていまから、顧客ニーズも去年と今年は違います。したがって、毎年自分自身を変化させる必要があるのですが、このことが億劫になったり、臆病になって逃げたいと感じる場合があります。怖さのあまり、守りに入り、伝統的ワイナリーのようにますます頑固になる場合もあります。しかし、そうすることで顧客に受け入れられるのであれば良いのですが、通常は顧客との距離がますます開くばかりです。<br />
つまり、顧客の目で物事を考えれば、ニーズが分かり、そのニーズを束ねるとトレンドが見えてきます。企業はこのトレンドに合わせてアプローチすればぴったりとうまく行くのですが、たまにトレンドに合わせるには、これまでの自身を改造する必要があります。製品そのももの改造なら簡単ですが、顧客対応窓口の新規整備や、組織全体の改革が必要になると面倒で逃げたくなります。トレンドが苦手な人は、トレンドに合わせて自分自身を変えることが苦手の原因であり、結果顧客の視点を見て見ぬふりをしてしまいます。</p>

<p>伝統的なワイナリーも、世界でモダンワインにニーズが集まっていることに、薄々理解はしていたでしょう。結果、自身を変えることへの恐怖心が、すべてのチャンスを奪ってしまったと言えます。したがって、トレンドに乗るには、マーケティング調査だけでなく、その後の自己改革の覚悟も必要になってくるのです。</p>

<p>余談ですが、ワインは熟成するためにコルクを通して息をしている、という話がありますが、あれは嘘のようです。科学的には完全密閉した方が熟成が良く、合理主義なアメリカでは一時スクリューキャップに切り替えるブームがありました。が、消費者から「ワインの情緒がない」との意見から、またコルクに戻したそうです。結果的に科学よりも文化を優先させたこのケースは、必ずしも正しい事がトレンドになるわけではなく、あくまで顧客のニーズによるのだということを物語っています。</p>]]></description>
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            <pubDate>Thu, 07 Jun 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>メガトレンドを味方につける</title>
            <description><![CDATA[<p>前回は、ポジションの大切さについてお話ししました。<br />
しかし、日頃、私はお客様から、<br />
「ポジションの必要性は分かったが、自分の好き勝手なことで良いのか？」<br />
と質問を受けます。<br />
今回は、強いポジションを作る最も簡単な方法である「メガトレンド」という視点から考えてみたいと思います。</p>

<p>さて、「メガトレンド」とは、時代の大きな流れ、全世界的なトレンドの方向を指します。<br />
流行とメガトレンドは違います。流行は、誰かが偶然仕掛けることができますが、メガトレンドは一人の人間がどうすることもできないような、必然的な大きな潮流です。例えば、日本での韓流ブームは流行です。が、戦後閉ざされていたアジア圏内での文化交流はメガトレンドの可能性があります。<br />
ポイントは、「アジア圏内での文化交流の活発化」というメガトレンド上で、誰が仕掛けたか「韓流ブーム」というヒットが生まれたことです。つまり、ヒットの影にはメガトレンドがあるのです。<br />
したがって、簡単です。あなたがヒットを目指すのであれば、ポジションをメガトレンド上に構えれば良いということになります。</p>

<p><a href="review04.html">前回のジョルジオ・アルマーニ</a>を例にしましょう。<br />
彼はこれまでに大きく2回メガトレンドを利用しました。<br />
１回目は、イタリア本国内でヒットする過程です。彼は、世界的な女性の社会進出というメガトレンドを察知し、ビジネスウーマン向けに女性らしいパンツスーツを発表しました。それまでスーツは男が着るもので、女性には同等の服がありませんでした。女性の美しさを保ちながら、社会で活躍できるドレッシーなスーツは、瞬く間に多くのビジネスウーマンの支持を得て、アルマーニの知名度を不動のものにして行ったのです。<br />
「彼がいなければ、女性は今でもパンツスーツを着なかったかもしれない」<br />
このような業界の賞賛もありますが、私の考察は、女性の社会進出というメガトレンドが背景にある以上、アルマーニがいなくても誰かが同じことをやったことでしょう。メガトレンドは必然的に起こる波であり、アルマーニはデザインだけでなく、頭も良かったのです。<br />
2回目は、ハリウッドを利用したことで、これは前回でも触れました。ハリウッド映画の世界への輸出は、「20世紀の強いアメリカ」というメガトレンドとともに訪れ、その波に乗ったアルマーニが世界展開するきっかけとなりました。もし、彼がこのメガトレンドに乗らなければ、ここまで世界的な知名度を築くことができたでしょうか。</p>

<p>ファッション業界だけでなく、成功しているビジネスの裏には大きな確率でメガトレンドが存在します。 IBMの成功は、「企業経営のシステム化」というメガトレンドに支えられ、マイクロソフトの成功は「コンピュータのパーソナル化」というメガトレンドが背景にあります。その他、ユニクロの成功の背景には、脱スーツ＋脱フォーマルというメガトレンドがカジュアルウェアへの支持を集めており、グローバル化にともなうSPA業態の発展もメガトレンドです。品物の安さはその結果に過ぎません。</p>

<p>さて、ここで、私が現在ビジネスチャンスとしてチェックしているメガトレンドをいくつかご紹介しましょう。</p>

<p>１）健康重視／Health<br />
　　世界的な流れであり、多くの人は健康で長生きを希望しています。食品はもちろんのこと、仕事環境、家庭環境、レジャー、飲食店など、全てのものが健康に配慮する時代になるでしょう。長生きするための医療、快適に長生きするためのサポートサービス、機械なども有望です。</p>

<p>２）時間の貴重化／Time<br />
　　10年前よりも生活の選択肢が確実に増えています。一方、時間は誰でも一日24時間しかありません。１時間あたりの価値が昔よりも貴重になっています。時間を節約できる商品・サービスは有望だと考えられます。</p>

<p>３）安全の確保／Security<br />
　　安全な暮らしは健康な生活と同じくらい尊いものです。近年の安全は、自分の身は自分で守る、といったトレンドが見られます。防犯という意味だけでなく、401kや将来の蓄えといったファイナンス的な安全、終身雇用の撤廃による自立した社会人となるべく職業の安全など、より安全に暮らすための商品・サービスが注目されそうです。</p>

<p>この他にもメガトレンドは様々な分野で存在します。少子高齢化や家族の絆の強化などもメガトレンドでありますが、将来人口が増えるか、また景気が良くなり仕事に没頭するのか、などは予想不可能です。<br />
むしろ、私が特に興味を持つメガトレンドは「リミテッド（限界）」であることです。<br />
「健康」もリミテッドです。人は永遠生きません。だからこそ「健康」を追い求めてしまう。<br />
どんな富豪でも、またそうでない人も、持てる「時間」は一日24時間です。だから限界ある「時間」が貴重になる。<br />
このようなメガトレンドは、景気が良くなろうが悪くなろうが、世代が変わろうが、流れが変わることはありません。<br />
より確かなメガトレンドにポジションを置くことは、より安全な戦略を導きます。</p>

<p>最後に、Googleは何のメガトレンドで成功したのでしょうか。<br />
調べ事が速くできるという、「時間の貴重化」トレンドも一役かっているように思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review05.html</link>
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            <pubDate>Mon, 02 Apr 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ポジショニングで差別化する</title>
            <description><![CDATA[<p><ブランドのポジショニング></p>

<p>先日、ジョルジオ・アルマーニ・ジャパンの招待で、<a href="http://www.pia.co.jp/special/invitation/award.html" target="_blank">国際フィルムフェスティバル「INVITATION AWARD」</a>に行ってきました。いわゆる映画の授賞式のようなものです。この式典自体も非常に興味深い話題ですが、今回はブランドのポジショニングということで、メインスポンサーであるファッション界の帝王ジョルジオ・アルマーニを例にポジショニングと差別化についてお話ししたいと思います。<br />
さて、この国際フィルムフェスティバルでは、伊勢谷友介さんや宮崎あおいさんら若手の俳優に個人賞が送られ、メインスポンサーであるエンポリオ・アルマーニのスーツやドレスに身を包み会場に登場しました。もちろんTV、新聞、雑誌の関係者が押し掛け、若手俳優とアルマーニというコンセプトが様々なメディアを通じて世に知れることとなりました。華やかな舞台とアルマーニは良く似合います。しかし、それだけでアルマーニがこの式典のメインスポンサーになったようではなさそうです。そこにはアルマーニ・ブランドの確固としたポジショニングがあるのです。</p>

<p>ジョルジオ・アルマーニにとって、「映画」は最強のポジショニングです。彼の才能をイタリア国内から一躍世界に広げた起爆剤は、間違いなくハリウッドでしょう。映画俳優たちが衣装としてマルマー二を着ることがきっかけとなり、俳優も観客も彼の世界観の虜になりました。</p>

<p>「人生は映画であり、私の創る服は衣装だ」</p>

<p>と、本人が言うように、ジョルジオ・アルマーニほど映画と関わりを深めたブランドは、世界を探しても他にないでしょう。そして、そのことが他ブランドとの大きな差別化として役立ち、今日の帝国を築くに至ったと考えられます。これがブランドのポジショニングです。<br />
したがって、先述した国際フィルムフェスティバルで俳優達がアルマーニを着るのも、彼のポジショニングから判断して全く不思議なことではないのです。</p>

<p><プライシングとポジショニングの違い></p>

<p>さて、誰にでも分かりやすいファッションブランドを例えにしましたが、このポジショニングの考え方ははBtoB企業でもBtoC企業でも通用する話です。結論から言いますと、非常にシンプルです。いかに他と差別化をするのか、ということです。また、いかに唯一の存在になれるか、ということでもあります。<br />
差別化と言いますと、価格が安いということが他社との差別化になると考える方が多くいます。確かに差別化できますし、低価格戦略がビジネスを短期間で拡大させる有効な方法です。が、それはプライシングであり、ポジショニングとは少し違います。プライシングは変動するものです。しかし、ポジショニングは変動してはならないものです。<br />
例えば、他社が2000円で売っているところ、自社は1000円で売る。一見素晴らしい差別化に見えますが、時間の問題で900円で売る企業が登場します。この時点で差別化は消滅します。では対抗して800円で売りますか？いや、600円まで下げますか？いずれにしろ昔よりも大差はつきません。このような目先の競争に自社ブランドの存在意義を見いだそうとしても、この手の競争は価格限界値、つまり限りなくゼロまで行きます。よほど人気のないマーケットで独占状態であれば別ですが、プライシングによる差別化は時間の問題で必ず崩壊します。したがって、差別化は価格に依存するのではなく、「自らが本来どのような存在になるのか」というポジショニングを考える必要があるのです。</p>

<p><競争に没頭することをやめ、真の差別化を始める></p>

<p>「自らが本来どのような存在になるのか」<br />
それは、競合他社との大差のない戦いから一歩抜け出た強力なポジショニングです。ブランドとしての継続的な繁栄を目指した、永遠の差別化です。そのためには、どうしたら良いのか？<br />
いろいろな方法がありますが、まず、今やっている仕事や事業をもう少し高い視点から見てみましょう。そうすることにより、自身の置かれているポジションが客観的に観察できまます。<br />
例えば、あなたがシステム会社を経営しているのであれば、日常は工期や人月、他社との見積の戦いです。しかし、そもそもシステムは何のために存在するのか、を問えば、それは本来ビジネスの効率化のために必要とされるからです。そうであれば、あなたはシステムに詳しいだけでなく、ビジネスにも詳しくなる必要があります。しかも、最先端のビジネスです。国内・海外を含めた幅広いビジネスフィールドの知識です。そして、自身がそのような先進的で総合的なキャパシティがあることを、情報発信を通して顧客層に知ってもらう必要があります。それが本来どのような存在になるべきか、の答えの一つであり、永遠のポジショニングです。<br />
もう一度あなたのシステム会社の現状に戻ってみましょう。いかに、プライシングによる差別化に毎日ストレスを溜めていることでしょう。プライシングは変動します。これは仕方のないことです。ただ、それをブランドとするならば、10年後、20年後はどうなっているのでしょうか。<br />
現在のポジションと、本来なるべき存在のポジションが理解できれば簡単です。あとは、理想のポジションに向かって一歩一歩進むことができます。</p>

<p>先のジョルジオ・アルマーニは今年で73歳です。<br />
彼が言う、「人生は映画であり、私の創る服は衣装だ」という信念は未だ揺らぐことはなく、より一層アルマーニ・ブランドを伝説化しています。そこには、単に高級で着心地の良い服を提供するという物質的な追求だけでなく、彼の服を着た人々が、それぞれの人生を映画の主人公のように生きていく、そのような高い視点があるからに他なりません。独自の普遍的な考えによるアルマーニの大きな成功は、私たちにもポジショニングとブランドの大切さを教えてくれています。 </p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review04.html</link>
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            <pubDate>Mon, 05 Feb 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>欲する情報を与え、メディアを確立する</title>
            <description><![CDATA[<p><欲する情報を与える></p>

<p>メディアの原則は、大衆が欲する情報を与えること、と古くから言われています。<br />
「人々の暮らしを豊かにする情報」でも、見てもらえなければ価値がありませんから、本音のところは「人々に見てもらえる情報」であることがメディアの存在意義でしょう。したがって、メディアは必ず大衆が欲する情報を探しています。ファンを多く持つメディアは、トレンドや時事的な話題を研究し、今この瞬間ならどのような話題が大衆の興味を引くのか、を知り尽くしているのです。</p>

<p>例えば、スキャンダルは、大衆の興味を多いに引きます。一旦スキャンダルが表に出ると、マスコミは次々とさらなるネタをほじくり、それを見る大衆は確実に興味をそそられるという連鎖現象が起こります。また、工事現場のクレーン車が横倒しになるニュースが毎日のように流れたり、ビルの看板が落ちたという事件が連日報道されるのも、その時大衆が欲している情報だからです。きっと、ビルの看板は毎日どこかで落ちているのでしょう。そのような小さな話題をメディアが取り上げることはおかしなことですが、大衆が「また落ちたのか」と興味を引くのであれば、その興味の火が消えるまでメディアは積極的に取り上げようとします。<br />
これが、メディアは大衆が欲する情報を与える、定型的な例です。</p>

<p>もし私たちが、大衆を相手にメディアを作るのであれば、上記のようなネガティブな話題も取り上げざるを得ないでしょう。しかし、ここでお話ししているのはターゲット・マーケティングによるブランドつくりです。世の中の人々全員に見てもらう必要はなく、私たちがターゲットにしたい潜在顧客だけに見えもらえば良いのです。ですから、上記の例は、あくまで分かりやすく説明するためのもので、ブランドとしては品位があり、ポジティブな情報提供が理想です。<br />
しかしその場合でも、「ターゲット顧客層が欲する情報を与える」ことがメディアの原則であることを忘れないことが重要です。</p>

<p><時事的な話題とベーシックな話題></p>

<p>さて、本題ですが、ターゲット顧客層が欲する情報は、大きく分けて以下の２つがあります。</p>

<p>１）時事的な話題<br />
２）ベーシックな話題</p>

<p>なぜ時事的な話題とベーシックな話題の２つの情報が必要なのでしょうか。<br />
ここで一つ例をお話しします。<br />
多くの方々がご存知であるブランド企業、ルイ・ヴィトン。この企業は、毎年ファッショントレンドを押さえた新作を発表し、世界の人々の注目を集めています。新作こそが、彼らの時事的（トレンド）な商品です。その商品を広く発表することは、時事的なコミュニケーションになります。一方、ルイ・ヴィトンの売上のほとんどが、モノグラム・シリーズやエピ・シリーズなどの昔からある定番商品であるという意外な事実です。これがベーシックです。彼らはベーシックな商品を大々的に宣伝することはありませんが、いつも取り揃えているという情報は流しています。<br />
つまり、新作が人々の注目を集めるものの、最終的にに顧客が手にする商品はベーシックなのです。ベーシックだけでは注目度が足りず、新作だけでは購買が広がらない。ルイ・ヴィトンはこのバランスを高度に実践することにより、世界で屈指のブランド企業として毎年成長を遂げています。<br />
さて、メディアでも同じ方法が通用します。時事的な情報とベーシックな情報を巧みに提供することにより、お互いを補い、ターゲット顧客の心をつかみます。私たちが少しでも強いブランドを築きたいと願うのであれば、彼らの原則を大いに取り入れるべきです。</p>

<p>さて、実際に１）と２）それぞれがどのような情報か説明をしたいと思います。<br />
１）の時事的な話題とは、世の中のトレンド情報です。<br />
「顧客情報漏洩」とニュースで流れれば、皆そのキーワードを検索します。「ミクシィ」が流行れば、みなミクシィの情報を探します。それはあたかも、株式投資の初心者が、人気株に群がり、買い手が買い手を呼ぶ姿に似ています。そしてその欲求はいつか頂点を打ち、誰も見向きもしなくなると、次の人気株に火が付き始めるのです。情報の世界であれば、どこでも全く同じことが起こっています。<br />
これを支配するには、今流行っている情報を扱っても、終盤はすぐそこですので、疲労が重なるだけで意味がありません。私たち自身がトレンドを見極め、来るべき情報の波を的確にキャッチし、先駆けて情報を発信するメディアをつくる必要があります。同時に、本来は自らの専門分野に関する情報ですので、メディアをつくる、つくらないに関係なく、プロとしてターゲット顧客に接するのであれば、興味を引くだけの時事的なネタを日頃から用意することは、営業活動として当たり前のことです。しかし、なかなか営業マンが全員勉強熱心とも限りませんので、メディアをつくることが自社のセールスを大いに補強することになります。</p>

<p>２）のベーシックな話題とは、辞典のことです。<br />
理由は、ユーザーは１）のトレンドの言葉を検索する一方、ベーシックな言葉も検索するからです。<br />
ここで気をつけるべきことは、つくるべきは「辞典」であって、「辞書」ではありません。子供の頃、百科事典がお気に入りの本であった人は多いと思いますが、辞典は見ていて面白いものです。しかし、辞書は見ても面白くありません。面白くないとどうなるかと言いますと、検索エンジンには引っかかりますが、顧客の心には引っかからないということです。SEO対策でキーワード集をオフィシャルサイト内に設ける企業がありますが、検索順位は上位になりますが、広告効果はほとんどありません。ボランティアとしては素晴らしい行為ですが、このような安易なことですぐにリターンが上がるほど、セールスは簡単なことではないのです。したがって、同じ時間と費用をかけるのであれば、もう少し創造力を注ぎましょう。<br />
例えば、アンチエンジング化粧品のメーカーがベーシックな話題を提供するとしたら、アンチエイジングに関する基礎的な知識を、誰でも分かるように編集した情報をつくります。本に例えるなら、「保存版！アンチエイジングの実践」に収められるような内容です。ここで重要なことは、商品の紹介だけでなく、ノウハウを教える実用書を編集する方が、ユーザが欲する情報です。役に立つ情報と、自社の商品を織り交ぜて実用書を作ることにより、好意的な認知が形成され、ブランドが向上して行きます。</p>

<p>１）と２）ともに実行をするには、自社がターゲットとする顧客層が日頃どのような情報を探しているか調査をするとともに、ターゲットに向けたメディアをどう企画・編集するのか、社内でブレーンストーミングを重ねることが大切です。また、戦略が完成したら、それを実践するための良きパートナー会社を探す必要もあるでしょう。</p>

<p>さて、一つだけ足りないものがあります。<br />
それは、「主張」です。ブランド・メディアとして、顧客層の心に響く主張を混ぜる必要があります。それは、自社のフィロソフィーを世の中に広く浸透させるチャンスであり、顧客に提供できる真の価値を訴えることであります。この主張を独自メディアに吹き込むことにより、情報はまるで生命のような威力を持ちます。<br />
主張とは、ブランド・マーケティングで言う「ポジショニング」です。他社との差別化です。<br />
次回は、このポジショニングについて少しお話ししたいと思います。</p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review03.html</link>
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            <pubDate>Mon, 22 Jan 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ブランドを向上させる独自メディア</title>
            <description><![CDATA[<p><顧客との接点をつくり、ブランドを向上させる独自メディア></p>

<p>顧客を増やすには、顧客との接点が必要です。<br />
接点なしには、顧客はつなぎ止めることはできません。売ったら売りっぱなし。買ったら買いっぱなしになってしまいます。毎年顧客が積み上がるこそ、事業は成長ができるのです。そして次第にその接点がブランドとして人々の心に浸透して行きます。</p>

<p>ここで、ブランドについて整理しましょう。<br />
ブランドと一口に言っても、様々な要素が絡み合い、形成されたものがブランドです。そのため、今日のビジネスにおいて、ブランドはまさに事業の発展を左右するものと誰もが認識していながら、何を持ってブランドなのか、どこから手をつけて良いのか、非常に迷う方が多いのも事実です。<br />
実際に色々な論理や研究が現在進行形でなされていますが、一般には以下のようにまとめることができます。</p>

<p>１）コミュニケーション／広告活動<br />
２）ポジショニング／差別化<br />
３）アイテム／商品ラインアップ<br />
４）クオリティ／品質<br />
５）プライシング／価格</p>

<p><すべてのコミュニケーションは、独自メディアに></p>

<p>さて、今回のテーマである独自メディアは、１）コミュニケーション／広告活動にあたることがわかります。しかも、メディアとしての情報発信を通して、他社との差別化も行いますので、２）ポジショニングにも関わりが出てきます。<br />
従来のコミュニケーションは、営業マンやパンフレット、オフィシャルホームページ、その他広告媒体への出稿などを中心に行われて来たと思いますが、その全てを一カ所に集積し、ブランドイメージの拠点となるものが独自メディアです。やや大げさに聞こえるかも知れませんが、事実、独自メディアを追求して行くと、最終的にそのようになります。</p>

<p>一つずつ検証しましょう。<br />
まず営業マンです。<br />
今日、ブログは営業マンよりも営業が上手いと言われています。それは、ブログには様々な仕事上の情報、特にオフィシャルサイトには公開していないような細かな情報や時事的な情報を公開でき、それを読んだユーザが向こうから問い合わせて来るからです。何と効率的な営業でしょう！したがって、今日の営業マンは、ブログによってコミュニケーションを促進していると言えます。<br />
独自メディアもブログと似ています。一つ違う点は、ブログは営業マン個人に任せられているため、コンテンツのコントロールがききませんが、独自メディアは会社として情報発信するためブランドイメージをコントロールできます。ブランドつくりの視点からは、イメージが統一されていた方が理想ですので、独自メディアの方が有利と言えるでしょう。<br />
したがって、営業マンが行うコミュニケーションの基本は、独自メディアに集約することができます。</p>

<p>パンフレットやオフィシャルサイトは、独自メディアとリンクでつながることになります。<br />
また、広告媒体も、最終的に自社ホームページに誘導する入口機能ですので、自身がメディアを保有すれば、広告媒体への出稿も次第に必要なくなるでしょう。</p>

<p>このように、すべてのコミュニケーションは、独自メディアにつながります。これが、インターネット時代のコミュニケーションの姿です。インターネットは、電話、ラジオ、テレビに匹敵する発明と言われる理由がここにあります。<br />
インターネットの世界が始まって１０年を過ぎましたが、この期間のコミュニケーションは常識を遥かに超えた変貌を遂げたことは、誰もが知っています。今後 5年、10年、20年と進めば、明らかにインターネットがコミュニケーションの中心になることは容易に想像できます。その時、インターネットの世界を支配しているか、いないか。つまり、ユーザが集まるメディアを持っているか、持っていないかが、ビジネスの勝敗を分ける可能性が大いにあるでしょう。そして、そのコミュケーションの基盤であるインターネット上で、ブランドイメージを高めて行くことが、どれほど重要で有意義な戦略か、理解できると思います。</p>

<p><独自メディアを構築する></p>

<p>さて、いざ独自メディアを作るとなると、色々考える必要があります。<br />
どのようなテーマが良いのか。コンテンツ内容やテイスト、ボリューム。そして、誰が見るのか。<br />
誰が見るのか、また、どうすれば見られるのかが、最初に考える必要があるでしょう。</p>

<p>まず誰が見るのか、を考えましょう。<br />
初めて独自メディアをつくる場合は、まず自社の顧客で最も多い層をターゲットにするべきです。なぜなら、その層に関して情報をたくさん持っているばかりでなく、その層が顧客になることは、すぐに事業収益の面でもプラスに働くからです。<br />
もう一つは、これから獲得したい層です。この場合は、戦略的にメディアをつくりる必要があり、ターゲットに関して少し勉強が必要になります。<br />
いずれの場合も、最も事業の収益に貢献できる層をターゲットにするべきで、何となくメディアを始めたのでは、それなりの結果しか得られません。メディアを始める場合は、ターゲッティングを含めた周到な戦略が必要です。</p>

<p>誰が見るのか、が決まったら、どうしたら見てもらえるのか、を考える必要があります。<br />
多くの人は、「メディアは情報発信の場」と考えてしまうので、自分が伝えたい情報を発信するのだと、勘違いをしています。このやり方ですと、押し付けがましい広告になってしまい、このようなコンテンツはパンフレットやオフィシャルサイトだけで十分です。<br />
昔から、メディアの原則として、大衆が欲する情報を与える、という考え方があります。欲する情報であればユーザは飛びついて来るからです。したがって、どうしたら見てもらえるかの答えは、ユーザがどんな情報を欲しているのかを解明し、その情報を与えれば、結果として見てもらえることになります。</p>

<p>ターゲットが決まり、そのターゲットが欲する情報が解明できたら、あとはテーマ、コンテンツ、ボユームなどが一気に決定できます。ライターとして誰に依頼するのか。出演者は必要か。CGM（コンシューマ・ジェネテイティッド・メディア）を使うのかなども決まるでしょう。</p>

<p>さて、ユーザがどのような情報を欲しているのかを解明するには、少しマーケティングが必要です。初めてメディアを作る方は、そのようなことを考えたこともないでしょう。次回は、ユーザが欲する情報を解明する具体的な方法についてお話ししたいと思います。 </p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review02.html</link>
            <guid>http://www.harudesign.com/review/review02.html</guid>
            <pubDate>Mon, 15 Jan 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>ファンの存在がブランド力を創る</title>
            <description><![CDATA[<p><売上を伸ばす２つの作戦></p>

<p>売上を伸ばすにはどうしたら良いのか？<br />
多くのビジネスマンが背負っている課題ですが、その解決策は意外と簡単です。<br />
大勢の営業マンを雇って、広告を大量に利用し、他社よりも安く売れば、売上は飛躍的に伸びます。<br />
これをショック作戦と呼びましょう。世の中にショックを与え、売上を伸ばす方法だからです。<br />
人々はびっくりします。それで、思わず買ってしまうのです。<br />
ただ、ショック作戦は、コストも驚異的にかかります。<br />
したがって、今年はできても、来年は続かないという、一時的な方法になります。この繰り返しこそが、毎年の企業間競争の激化の原因であり、最終的に誰も勝てない泥試合を招きます。おかげで、広告会社と人材派遣会社は大変潤うことになります。</p>

<p>ですから、冒頭の質問は意味がありません。<br />
もう少し長い目で見て、質問をこのように変える必要があります。</p>

<p>売上を"継続的に"伸ばすにはどうしたら良いのか？</p>

<p>「継続的に」です。今年できて、来年できないプランでは自転車操業に陥ります。<br />
継続的にショックを与えることも困難です。<br />
新しい経験だからショックなのであって、毎回ショックを与えられる企業は世界中探してもLVMHグループくらいでしょう。ショック作戦は資金的にも企画的にも、継続的に行うには世界最大級の力が必要です。</p>

<p>では、ショック作戦の逆を行いましょう。浸透作戦です。<br />
毎年徐々に世の中に浸透させ、自社製品のファンを作る作戦です。コストもそれほどかかりません。<br />
ファンができれば、その人々が自社製品の噂を広めてくれます。そして、またファンが増える。<br />
ファンは、ショック作戦で知り合った顧客よりも忠誠心が強いものです。したがって、毎年積み上がります。故に、継続的に売上が伸びる道が開かれます。<br />
継続的に売上を伸ばすには、遅かれ早かれ、ファンを作る必要があるのです。</p>

<p><ファンがブランドを作る></p>

<p>継続的に売上を伸ばすには、ファンが必要です。<br />
一過性で浮ついた顧客ではありません。自社のフィロソフィーを良く理解し、製品を喜んで購入してくれる顧客がファンです。自社のブランドを認め、それを広めてくれる人々。それがファンです。<br />
さて、今、「ブランド」という言葉が出ましたが、自社のブランド力とファンの規模は密接な関係があります。</p>

<p>今、自社製品のファンが何人いるのか？<br />
それが、その製品のブランド力です。<br />
ファンが国内に100万人いるのなら、それは結構なブランド力と言えるでしょう。先述したLVMHグループですが、ある日本法人の幹部の方の話では、日本人の約80％の人々が何らかの形でルイヴィトンを始めとするLVMHグループの製品を持っているそうです。想像を絶するファンの規模であり、やはりブランド王者のLVMHと言われることも理解できます。</p>

<p>したがって、ここで簡単な一つの法則ができます。</p>

<p>継続的な売上の向上＝ファンの増加＝ブランド力の強化</p>

<p>今、ファンがもし少ないのであれば、ブランド力も小さいはずです。そして、きっと売上にも困っているでしょう。<br />
売上に困らないようにするには、ファンを増やすことです。それがブランド力の強化につながり、毎年売上として返って来るでしょう。これを続けて行くことにより、長年の課題は解消への進むはずです。<br />
ブランド力がある企業が経済的な成功をしない例は、世界を探してもほとんどないのです。</p>

<p>では、どのようにしたらファンを増やし、ブランド力を向上できるのでしょうか？</p>

<p><ファンの作り方とブランド力の向上></p>

<p>継続的な売上の向上には、ファンの存在が不可欠です。<br />
そして、ファンの規模こそが、ブランド力そのものである、ということもわかりました。<br />
経済的な成功を実現するのであれば、ファンの増加を無視することはできません。</p>

<p>ファンを作るには、ファンとの「接点」が必要です。<br />
この接点がないと、ファンになりたい人や企業と知り合うことができません。<br />
当然の話のようですが、製品開発にこだわるあまりに、意外と見落としがちな盲点なのです。<br />
接点とは、製品を知ってもらう機会、自社のフィロソフィーに共感してもらう場のことです。従来は、コマーシャル、新聞広告、雑誌のタイアップ、また、展示会やイベントなどが接点と捉えられてきました。近年ではネット広告やキーワード広告も含め、いわゆる広告コミュニケーションの接点のことを指します。</p>

<p>しかし、ここで一つ問題があります。<br />
これら従来の広告コミュニケーションは、ショックを与える爆弾としての威力はあるものの、やはり継続的に行うにはコストが非常にかかります。しかし、継続的に行わなければ、先のショック作戦の結末になり、爆弾を落とせば売上が増えて、落とさないと売上が低迷する、抜けるに抜けられない状況に自ら飛び込むことになります。継続的に売上を向上させ、ファンを増やし、ブランド力を向上させる、理想的なスパイラルには乗るには、別の方法が必要です。</p>

<p>良く考えると、テレビ放送局や新聞、雑誌、ネット媒体は、継続的に情報を発信しています。ですから、テレビ局や新聞のブランド力は大いに強化され、今日の企業はそのブランド力に依存して広告を出しています。広告主にとっては、本来、365日24時間広告コミュニケーションができれば、ファンとの接点が確保できますが、それには莫大なコストが必要で、事実上不可能です。広告主は、スポットで広告を出すしか方法がありません。これが従来の常識であり、広告主の弱点なのです。</p>

<p>しかし、たった一つだけ、常識を変える方法があります。<br />
それは、自らが放送局になり、雑誌になり、ネット媒体になることです。<br />
近年、インターネットであれば、それが可能になる環境が整ってきました。<br />
これが自社の独自メディア展開です。<br />
自社がメディア機能を持てば、ファンの増加、ブランド力の向上、引いては継続的な売上の向上へとつながります。<br />
従来の広告コミュニケーションでは、実現不可能であった方法です。<br />
が、今は新しいテクノロジーによって、その道が開かれています。</p>

<p>一過性のコミュニケーションでは、売上も一過性です。<br />
継続的な成功を実現するには、どうしても継続的なコミュニケーションが不可欠であり、365日24時間のファンとの接点が必要です。幸運なことに、インターネットを使えば独自メディアを展開し、継続的にファンを増やすことができ、これが現在考えられる最も理想的な方法だと言えます。</p>

<p>次回は、この独自メディアでどのようにファンを獲得し、ブランド向上を進めるのかを取り上げたいと思います。 </p>]]></description>
            <link>http://www.harudesign.com/review/review01.html</link>
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            <pubDate>Fri, 05 Jan 2007 00:00:00 +0900</pubDate>
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