BUSINESS REVIEW
景気回復に向けた売上向上戦略
宮崎晴人

ハルデザインコンサルティング株式会社
取締役会長
宮崎 晴人
HARU MIYAZAKI

ブランド戦略コンサルタント。主な専門分野は企業、商品、人材、CSR、IR。「ブランドによる経営課題の解決」がテーマ。米国シアトルの高校卒業後、慶應義塾大学環境情報学部卒業。1999年にハルデザインコンサルティング株式会社を設立。

【リーダーに勝つチャレンジャー戦略 vol.3】
景気回復に向けた売上向上戦略

世界経済がようやく浮上しようとしています。
今月13日、G8財務相会合は、世界経済の先行きは依然として不確実性が高いとしながらも、「安定化を示す兆候がある」とする共同声明を採択して閉幕しました。さらに、去る8日に開かれたOECDの経済政策委員会では、「2009年末にかけて景気は底を打ち、10年初めから回復の動きが出始める」との見方で一致し、24日に行われる閣僚理事会で、「世界経済の回復」に言及できるかが焦点となっています。

世界的な景気回復の波に乗って、いかに業績を伸ばせるか。
今回は、売上向上戦略について考えたいと思います。


売上は、どうしたら伸びるのか?
世界的な不況が落ち着こうとしている、今。この質問は、経営トップから現場の営業マンまで、すべての人が挑もうとしている課題です。
ただ、確かなことは、皆と同じように景気回復を待つだけでは、到底、『戦略』とは言えないということです。戦略として考えるならば、まず、売上が立つ構造を把握するところから始めなければなりません。

売上とは、どのように立つのでしょうか。
売上の構造は、以下の方程式に集約できます。


売上 = 顧客数 × 顧客単価 × リピート数


つまり、売上とは方程式の『結果』であって、右の3つのパラメータを増加させることで、最大化できます。
よく、売上を上げることに必死な営業マンは、一過性でも大きな販売額や大口顧客に目を奪われがちですが、このような営業マンの業績は長続きはしません。上の方程式を見て分かる通り、顧客数、顧客単価、リピート数、3つのパラメータを日々向上させることが、結果として安定的な売上成長を実現します。
また、方程式は掛け算であるため、1つでもパラメータに不調があると、思ったように売上が伸びない状況が生じます。したがって、売上向上戦略では、1)顧客数増加の対策、2)顧客単価増加の対策、3)リピート数増加の対策の、3種類の対策を考え、それぞれ同時に実行していくことが重要になります。

1)顧客数増加の対策
顧客数を伸ばすには、まず、顧客と出会う必要があります。つまり、顧客接点を増やす対策です。
顧客接点を増やすには、コミュニケーションの活発化が不可欠です。どれほど素晴らしい商品やサービスであっても、知られなければ、顧客は増えようがありません。この場合のコミュニケーションとは、市場とのコミュニケーション、つまり、広告、イベント、Webサイトなどです。

2)顧客単価増加の対策
顧客単価を増加させるには、プレミアムの創出が必要です。つまり、自社の商品やサービスの価値を上げる対策です。
プレミアムには、2種類の面があります。一つは、演出やクリエイティブ、限定販売、より選った販売場所などを主体とする『見栄え』による価値創造です。もう一つは、品質やプライシング、同業他社製品との比較、顧客サービスなどを主体とする『内容』による価値創造です。

3)リピート数増加の対策
顧客がリピートして買うということは、その商品やサービスを自分の生活に必要なものであると支持し、愛着があると言うことです。平たく言うと、ファンの創出です。顧客満足度が最高潮に達すると、顧客はファン化します。もはや生活の必要品を越え、顧客自身のライフスタイルやアイデンティティの一部となり、自分の信用を担保に新しい顧客に紹介し、顧客数の増加に結びつくという好循環をもたらします。したがって、リピート数を増やすには、いかにして自社商品のファンを増やすのかが対策の柱となります。

このように、売上向上戦略は、売上に至る構成要素を細分化し、3つのパラメータの増加対策を通して、売上の継続的成長を目指します。
現場の最前線では、営業マン一人ひとりの勘や経験に頼る場面が多くあります。しかし、統括的な基本プランにおいては、論理的かつ科学的な視点から取り組むことが重要です。なぜなら、日々の営業で出会う幸運頼みでは、会社として継続的に繰り返すことができないからです。売上とは、ラッキーの産物であってはならないのです。

次回は、それぞれのパラメータについて、もう少し詳しく見て行きたいと思います。

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