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【『おもしろい会社』が生き残る vol.2】
マクドナルドの過去最高益更新に学ぶ

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2009/03/18

マクドナルドやユニクロが強い。そう聞くと、
「やはり不況時は安売りか・・・」
と、落胆する方もいるでしょう。しかし、好景気と不景気は、長くても3年周期でやってくるもの。その度に行き詰まっていては、本物のビジネスとは言えないでしょう。
安い100円マックが売れるのは納得できます。しかし、メガマックや、ダブルクォーターパウンダーが、低価格路線でないにもかかわらず、売れているのは何故でしょう。

今回は、過去最高益を更新したマクドナルドの戦略について考えたいと思います。


2004年に原田泳幸氏が社長に就任。
以降、マクドナルドの業績を短期間で立て直す戦略が策定されました。低迷した収益の改善だけでなく、極度の安売りで失墜したマクドナルド・ブランドを再生する計画。その試みは見事に成功を収め、2008年は3年連続の過去最高益更新という記録に到達し、2009年も4年連続を狙う計画です。

結論から述べると、この戦略のポイントは、『価格帯の拡大』と、『商品バリエーションの拡大』であると言えます。
従来は、定番メニューをどこよりも安く販売する、いわゆる価格破壊一辺倒の戦略でした。しかし、原田泳幸氏が就任以降は、価格的な魅力だけでなく、価値的な魅力を創出する戦略が取られます。低価格もあれば高価格もあるという『価格ラインアップの充実(価格帯の拡大)』、そして、定番バーガーだけでなく幅広い客層を取り込むための『商品ラインアップの充実(商品バリエーションの拡大)』を行う。これにより、縦軸・横軸ともに、マーケットを大きくカバーする戦略です。

2005年に投入された「えびフィレオ」のヒットを皮切りに、健康志向の女性や子供を呼び込むための「ガーデンサラダ」などのメニューを開発。一方で、2006年には、100円バーガーの種類を広げ、価格に敏感な学生層の顧客にも対応しました。さらに、2007年のメガマック戦略、2008年のクォーターパウンダー戦略は、健康志向、価格志向とは相反する、カロリー志向の働く男性層の獲得に成功します。
価格ラインアップは、100円のハンバーガーから、800円前後のダブル・クォーターパウンダー・チーズ・セットまで、およそ8倍の幅があり、カロリーでは、サイドサラダの10kcalから、先のセットで1400kcalのラインアップになります。

こう見ますと、定番メニューを軸に戦っていた過去と比較して、価格力、商品力ともに、現在の戦略の方が遥に柔軟性に富んでいることが分かります。メニューに対するターゲット・セグメントが明確になり、商品の採算性や売れ行きの管理が容易になったことは間違いありません。
通常、ブランディングを行う過程で、複数のターゲットを同時に囲い込むことは不可能とされている中、マクドナルドの戦略は、メイン顧客層はあくまでも家族連れや子供とし、その周辺ターゲットを囲うことで、顧客層の幅を広げているのです。

たとえば、家族でマクドナルドに行った時を想像してみましょう。子供達はハッピーセットを注文し、お母さんは健康志向のヘルシーメニューを、お父さんはクォーターパウンダーに挑戦と、家族それぞれの個人的志向に合わせて楽しめる情景が思い浮かびます。しかも、価格は経済的なのです。
さて、この構図。ユニクロの戦略に非常に良く似ていると思いませんか?ユニクロも、家族全員で着られるように、サイズと色、デザインが豊富にある上、ヒートテックのような健康に配慮した高機能素材にも力を入れています。

不況の時代、価格が安いことは重要な競争力です。
しかし、不況になってから定番商品の安売りを始めたのでは、いつかマクドナルドが苦労したブランドの失墜につながりかねません。では、どうすれば良いか。今回のマクドナルドの事例は、いくつかのヒントを与えています。価格帯の柔軟性、個の時代にふさわしい商品ラインアップの充実、そして健康・家族といったメガトレンドを押さえることです。

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