ホーム > Webビジネス戦略レビュー > 【ブランド戦略の威力 vol.12】 Wホテル・ブランドに見るビジュアル・トレンド

Webビジネス戦略レビュー

WEB BUISINESS STRATEGY REVIEW

【ブランド戦略の威力 vol.12】
Wホテル・ブランドに見るビジュアル・トレンド

Google+
筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2008/08/06

都会の喧噪と異空間。
そのエントランスをくぐると、ガラス天井から水が四方の壁をつたって滝のように流れ落ちます。
エレベータでロビー階へ上がると、昼間でも薄暗いフロアに、レッド、ピンク、ブルー、グリーンといったナイトクラブ風の照明。足元から広がるスタイリッシュな白いラウンジソファーの群れ。鮮烈な赤色を放ったバックライトに照らされる艶やかなチェックインカウンター。中央には色彩豊かで、どこか切ないモダンアートのオブジェ。

これは6年前、ニューヨークのタイムズスクエアにある、Wホテルを訪れた時のワンシーンです。
Wホテルは、デザインホテルの代表として、スターウッド・ホテル&リゾートが世界で展開するブランドです。日本国内第一号が、2011年2月に横浜に完成します。
そして今、スターウッドからは、『エレメント by ウェスティン』と『アロフト A Vision of W Hotels』の2つの新ブランドがスタートしています。

今回は、Wホテル・ブランドに見るビジュアル・トレンドについて考えたいと思います。


Wホテル・ブランドは、1998年に開業したニューヨーク店から始まります。
現在、世界に25拠点存在し、今後3年間に27拠点がオープンする予定です。その内の一つに、横浜が決まっています。

Wホテル・ブランド誕生のきっかけは、1984年にカリスマ的なホテリアであるイアン・シュレーガー氏が建てたモーガンホテル・ニューヨークであると言われています。
イアン・シュレーガー氏のキャリアは、まず、Studio 54というナイトクラブのプロデュースで一躍脚光を浴びたところから始まります。アンディ・ウォホール、ミック・ジャガーといった当時のセレブリティを集め、最先端なニューヨークの夜のライフスタイルを提案したことで有名です。
その後、イアン・シュレーガー・ホテルグループを設立。先のモーガンホテル・ニューヨークを皮切りに、マイアミ、ロス、サンフランシスコ、ロンドンと拠点を拡大し、いわゆるブティックホテル(デザインホテルの英訳)の先駆けとして再び脚光を浴びる立場となります。現在、イアン・シュレーガー氏本人は世界最大のホテルグループであるマリオット・インターナショナルと組み、新ホテルブランドのプロデューサーとして活動していると言います。

Wホテル・ブランドは、イアン・シュレーガー氏と直接関係はありませんが、その世界観を大いに引き継いでいるようです。
先のタイムズスクエアのWホテルに見られるように、水や石といった自然素材と、ウォホールなどのモダンアートを連想させるエキセントリックなデザインは、このブティックホテル業界の大きなビジュアル・トレンドとなっています。

日本でも、有名なインテリアデザイナーである森田恭通氏も、ブティックホテルのデザイン・トレンドを押さえているようです。ラウンジスタイル、ナイトクラブ風、モダンアート。フランス料理の巨匠ジョエル・ロブション氏のレストランや六本木ヒルズ、そして香港Wホテルが森田恭通氏に依頼しているように、イアン・シュレーガー氏から始まったブティックホテルと現在の商業店舗デザインは、大きな流れとして一体となっています。

そして現在、スターウッドは、『エレメント by ウェスティン』と『アロフト A Vision of W Hotels』という2つの新ブランドをスタートさせました。
『エレメント by ウェスティン』は、エコをテーマにしたホテルで、そのサービス品質は名前にあるように、ウェスティン・ブランドで保証されています。エコ、ヘルシー、リラックスといったキーワードをもとに、長期滞在もできるリーズナブルな価格設定でポジショニングされています。近年、エコがひとつのブームですが、確かにエコに特化したホテルはありませんので、差別化の大穴と言えるでしょう。
一方、『アロフト A Vision of W Hotels』というブランドは、名前の通り、Wホテルが保証するファミリー向け長期滞在施設です。Wホテルのモダン・ラグジュアリーな世界観を、手軽な価格で体験できるブランドとして、裾野を広げる戦略です。

このように見ると、モダンアート的なビジュアル・トレンドは今後も継続しながらも、新しいコンセプトが生まれて来ていることがわかります。その一つがエコやファミリーなどのコンセプトです。
また、ハイアットの新ブランド『ANdAZ』第一号は、ロンドンのリバプールストリートにありますが、ここはモダンなデザインとアットホームなコンセプトで作られており、刺激的なWホテルとはひと味違った居心地やヒーリングを重視しているようです。

モダン・デザイン+より顧客ニーズに特化したテーマ。
これが今後のトレンドになるでしょう。

READ MORE

美白生活 2015年10月オープン あなたのシミのお悩み解決します。

MEMBERSHIP

Webビジネス戦略レビュー会員

メールアドレスをご登録いただくと、最新のWebビジネス戦略レビューをメールでお知らせするサービスです。

お名前

メールアドレス

MOST VIEWED

【経営課題とブランド戦略vol.2】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(前編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.02】
スターバックスのブランド戦略がこれからも勝ち続ける理由

【ブランド戦略の威力 vol.14】
H&Mのブランド戦略

【経営課題とブランド戦略 vol.3】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(後編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.05】
日本酒「獺祭(だっさい)」のブランド戦略

【ブランド戦略の威力 vol.11】
なぜスターバックスは減速し始めたのか

【経営課題とブランド戦略 vol.6】
後発企業でも勝てるポジショニング戦略

30兆円の巨大市場、米国住宅リフォーム業界を狙う「Houzz」

【IT時代のブランド戦略 vol.06】
H&MとユニクロはUS市場を取れるか

実物の法律書類をオープンソースにしてしまう、法律業界の革命児Docracy

INDEX

教育・研究機関

公的機関

ファッション業界

フード業界

旅行業界

自動車業界

IT・家電業界

ネット業界

金融業界

健康・スポーツ業界

医療

海外事例

Webビジネス戦略理論

ブランド戦略理論

Keywords

ブランド戦略用語解説

▲ページトップへ