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【実行戦略を練る vol.1】
アンディ・ウォーホルに学ぶ、戦略の必要性

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2007/08/20

画家ゴッホは、偉大な作品を残しました。
しかし、彼の絵は、生涯でたった1枚しか売れなかった、と言われています。彼の類い稀な才能が認められたのは、死後のことでした。『アートは芸術家が亡くなった後に評価を得る』と言いますが、ゴッホはその典型と言えるでしょう。
一方、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルは、生きながらにして天才と呼ばれた人物です。彼は、商業広告のアートディレクターとして高い評価を得ていたにもかかわらず、もっと成功する方法を探していました。そして、ファインアートに転向することを決意したと言われています。代表作のマリリン・モンローやキャンベルスープなどは、当時のアメリカ社会を象徴する作品となり、ウォーホルは、瞬く間に世界的な商業画家として登り詰めて行きます。
この偉大な2人の画家を比較した時、多くの人はこう思うでしょう。
『ゴッホは不運で、ウォーホルはラッキーだった』と。
しかし、ウォーホル作品に世界が共感を覚えた背景には、実は、彼の巧みな戦略があったのです。

現代のマーケティング戦略にも通じる、ウォーホルの作品プロデュースの手法。
ここで、代表的な彼の戦略を見てみましょう。

1)時代を読んだ「商品戦略」
  長年、古典的な芸術は、理解が難しく専門的な分野でした。これに対して、ウォーホルは、大衆が一目で理解できるアートを目指しました。大衆文化の象徴であるコーラ、ドル紙幣、映画スターがその例です。あえて有名なものを題材とした彼の作品は、大衆のアートへの興味を一気に開放したのです。また、自らのスタジオを「ファクトリー(工場)」と名付け、作品の量産を可能にした生産体制も確立しました。アートの世界では、前代未聞の手法です。

2)タイミングを利用した「販売戦略」
  マリリン・モンローの突然死を知ったウォーホルは、すぐに彼女のスチール写真から作品を創り、それを大量生産しました。また、当時のアメリカ大統領ニクソンの訪中にあわせて毛沢東のポートレイトを制作します。このように、代表的なウォーホル作品は、人々が注目する絶好のチャンスを狙ってリリースされました。

3)知名度を活かした「PR戦略」
  ウォーホルは、確信していました。『大衆は有名なものへの憧れがある』と。これは今日のビジネスで言う、ブランドへの憧れです。代表作「マリリン」は、当時のセレブリティをも熱狂的にさせました。これを皮切りに、エルヴィス・プレスリー、エリザベス・テイラー、マイケル・ジャクソン、ジョン・F・ケネディ、ミック・ジャガーなどの作品をリリースします。評判が評判を呼び、ウォーホルのポートレート作品になることは、当時の著名人にとってある種のステイタスとなり、ウォーホルはその度に高額な報酬を受け取ったと言われています。

アンディ・ウォーホルが、戦略的にアートに取り組んだのかどうかは憶測に過ぎません。が、彼の前職は、アートディレクター、つまりマーケターでした。無意識にも、時代を読み、戦略を組み立てる能力が、身に付いていたことでしょう。また、彼がさらなる成功を求めて芸術家の道を選んだ経緯からも、戦略家としての知識を使わなかったはずがないでしょう。

さて、ゴッホとウォーホルの人生は、対照的ですが、共に優れたアート(商品)を生み出しました。
しかし、この2人の物語は、同じ商品であったとしても、そのマーケティング手法によって、経済的成果が大きく差が出ることを表しています。私たちが、アーティストを目指すのであれば、ゴッホのような人生も良いでしょう。しかし、正しいと思うことを愚直に続けて行った結果、生きている間に認められないのであれば、ビジネスマンとしては失格です。なぜなら、ビジネスは、限られた時間の中で成果を出す仕事だからです。優れたビジネスマンという立場からは、むしろ、ウォーホルの「戦略」にヒントを見つけた方が良さそうです。

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