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【ブランドの原点を探る vol.2】
ブランドの原点とコミットメント

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2007/07/13

ブランドの原点とは、顧客へ対するコミットメント(約束)です。
例えば、トヨタの車は高い品質と耐久性を。VOLVOは安全性を。BMWはスポーティな楽しみを。それぞれの企業が顧客へ約束しています。このようなコミットメントが、ブランドの原点となることで、顧客は安心してその企業にお金を払うことができるのです。
一方、ブランディングが難航するとういことは、コミットメントが明確でない、または、そのコミットメントに対してすでに巨人が存在する場合です。「高い品質と耐久性」という約束に関して、何千億円あってもトヨタ以上のブランドをつくることは不可能です。したがって、ブランドつくりは、その原点が非常に重要なのです。

前回お話ししたアップル社のケースも同じです。
「未来のモノを形にする」というアップル社のオリジナリティは、ブランドの原点です。
そこには、顧客とアップル社の間に、明確なコミットメントがあります。未来的で、エキサイティングなモノが欲しい時は、アップル社の製品なら間違いありません。大抵の人は、そのように想像できるのです。顧客にそう思わせることができたのなら、それがブランド力です。素晴らしいことに、一度このブランドが確立できると、価格で勝負する必要がなくなります。事実、アップル社は価格で勝負していません。にもかかわらず、売れる。
価格が高くても売れる商品の裏には、必ずブランド戦略があります。商品を作れば、誰か買ってくれるだろう。そのようなプロダクトアウト的な手法は、値引き競争の餌食になります。
今日の成熟社会は、選択肢がいくらでもあるのです。ここで勝ち進むには、製品やサービスよりも先に、まず顧客への明確なコミットメントが必要です。なぜなら、顧客はコミットメントにお金を払っているのです。

さて、ブランドの原点はどうやって見つけるのか?
ここからは、具体的なメソッドについてお話しをいたします。

企業は、必ず3つのタイプに分類されます。
「顧客主義」、「商品主義」、「効率主義」。
この3つのタイプから外れる企業は存在しません。
例えば、外資のコンピュータ業界において、顧客主義の代表格は、IBMです。アップルは、商品主義です。効率主義は、デルです。
もちろん、IBMのような顧客主義の企業でも、商品を重視しますし、Appleに効率主義的な要素が全くないという話ではありません。しかし、競争力という視点から見ると、IBMは圧倒的にその顧客重視の体制で他を寄せ付けず、Appleは、何にも増してその商品企画に魅力がある会社です。
自らのブランドの原点を発見するには、まず、この3つのどれかに当てはめる必要があります。先述したように、この3つのタイプから外れる企業は存在しませんから、この3つに当てはめられない=コミットメントが明確でない、ということになります。その行き着く先は、ブランディングの難航であり、最後は価格競争です。したがって、まずこの3つの内の1つになることが重要です。

もう一つ重要なことは、すでに巨人が存在する場合は避けておく、と言うことです。
マイケル・デルは、起業当初から、IBMをベンチマークにしていたそうです。目標は、IBMを超えること。しかし、彼はIBMと同じように顧客主義で挑もうとは考えませんでした。その代わり、効率主義を使ったのです。それが、デルのダイレクトモデルを初めとした、効率追求のコミットメントであり、ブランドの原点です。もし、マイケル・デルが当時、顧客主義を選択していたら、デルがPC市場でIBMに勝つという歴史はなかったでしょう。
興味深いことに、それぞれの企業は、驚くほど綺麗に住み分けています。ブランドが強ければ、強いほど、この住み分けは明確です。つまり、コミットメントの差別化です。しっかりとした境界線を、マジックペンで引けるくらいに差別化する。これが重要なポイントです。

このような視点から市場を見ると、空いているマーケットが見えて来たりします。
例えば、古い業界、ニッチな業界では、長年の取引関係だけで、ビジネスが成り立っているマーケットがあります。これらのプレイヤーは長年の顧客主義でしょうから、効率主義や商品主義のポジションは空いているのです。もし、価格競争に陥っているのであれば、空いている主義に切り替えることによって、再び成長を加速させることができるのです。

ブランドを築くには、まず、その原点が重要だという事実をお分かり頂けたでしょうか。言い換えますと、原点さえしっかりしていれば、ブランドを強化することは、いかようにもできるのです。

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