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【トレンドを読む vol.1】
メガトレンドを味方につける

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2007/04/02

前回は、ポジションの大切さについてお話ししました。
しかし、日頃、私はお客様から、
「ポジションの必要性は分かったが、自分の好き勝手なことで良いのか?」
と質問を受けます。
今回は、強いポジションを作る最も簡単な方法である「メガトレンド」という視点から考えてみたいと思います。

さて、「メガトレンド」とは、時代の大きな流れ、全世界的なトレンドの方向を指します。
流行とメガトレンドは違います。流行は、誰かが偶然仕掛けることができますが、メガトレンドは一人の人間がどうすることもできないような、必然的な大きな潮流です。例えば、日本での韓流ブームは流行です。が、戦後閉ざされていたアジア圏内での文化交流はメガトレンドの可能性があります。
ポイントは、「アジア圏内での文化交流の活発化」というメガトレンド上で、誰が仕掛けたか「韓流ブーム」というヒットが生まれたことです。つまり、ヒットの影にはメガトレンドがあるのです。
したがって、簡単です。あなたがヒットを目指すのであれば、ポジションをメガトレンド上に構えれば良いということになります。

前回のジョルジオ・アルマーニを例にしましょう。
彼はこれまでに大きく2回メガトレンドを利用しました。
1回目は、イタリア本国内でヒットする過程です。彼は、世界的な女性の社会進出というメガトレンドを察知し、ビジネスウーマン向けに女性らしいパンツスーツを発表しました。それまでスーツは男が着るもので、女性には同等の服がありませんでした。女性の美しさを保ちながら、社会で活躍できるドレッシーなスーツは、瞬く間に多くのビジネスウーマンの支持を得て、アルマーニの知名度を不動のものにして行ったのです。
「彼がいなければ、女性は今でもパンツスーツを着なかったかもしれない」
このような業界の賞賛もありますが、私の考察は、女性の社会進出というメガトレンドが背景にある以上、アルマーニがいなくても誰かが同じことをやったことでしょう。メガトレンドは必然的に起こる波であり、アルマーニはデザインだけでなく、頭も良かったのです。
2回目は、ハリウッドを利用したことで、これは前回でも触れました。ハリウッド映画の世界への輸出は、「20世紀の強いアメリカ」というメガトレンドとともに訪れ、その波に乗ったアルマーニが世界展開するきっかけとなりました。もし、彼がこのメガトレンドに乗らなければ、ここまで世界的な知名度を築くことができたでしょうか。

ファッション業界だけでなく、成功しているビジネスの裏には大きな確率でメガトレンドが存在します。 IBMの成功は、「企業経営のシステム化」というメガトレンドに支えられ、マイクロソフトの成功は「コンピュータのパーソナル化」というメガトレンドが背景にあります。その他、ユニクロの成功の背景には、脱スーツ+脱フォーマルというメガトレンドがカジュアルウェアへの支持を集めており、グローバル化にともなうSPA業態の発展もメガトレンドです。品物の安さはその結果に過ぎません。

さて、ここで、私が現在ビジネスチャンスとしてチェックしているメガトレンドをいくつかご紹介しましょう。

1)健康重視/Health
  世界的な流れであり、多くの人は健康で長生きを希望しています。食品はもちろんのこと、仕事環境、家庭環境、レジャー、飲食店など、全てのものが健康に配慮する時代になるでしょう。長生きするための医療、快適に長生きするためのサポートサービス、機械なども有望です。

2)時間の貴重化/Time
  10年前よりも生活の選択肢が確実に増えています。一方、時間は誰でも一日24時間しかありません。1時間あたりの価値が昔よりも貴重になっています。時間を節約できる商品・サービスは有望だと考えられます。

3)安全の確保/Security
  安全な暮らしは健康な生活と同じくらい尊いものです。近年の安全は、自分の身は自分で守る、といったトレンドが見られます。防犯という意味だけでなく、401kや将来の蓄えといったファイナンス的な安全、終身雇用の撤廃による自立した社会人となるべく職業の安全など、より安全に暮らすための商品・サービスが注目されそうです。

この他にもメガトレンドは様々な分野で存在します。少子高齢化や家族の絆の強化などもメガトレンドでありますが、将来人口が増えるか、また景気が良くなり仕事に没頭するのか、などは予想不可能です。
むしろ、私が特に興味を持つメガトレンドは「リミテッド(限界)」であることです。
「健康」もリミテッドです。人は永遠生きません。だからこそ「健康」を追い求めてしまう。
どんな富豪でも、またそうでない人も、持てる「時間」は一日24時間です。だから限界ある「時間」が貴重になる。
このようなメガトレンドは、景気が良くなろうが悪くなろうが、世代が変わろうが、流れが変わることはありません。
より確かなメガトレンドにポジションを置くことは、より安全な戦略を導きます。

最後に、Googleは何のメガトレンドで成功したのでしょうか。
調べ事が速くできるという、「時間の貴重化」トレンドも一役かっているように思います。

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