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【ブランドを創る vol.4】
ポジショニングで差別化する

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2007/02/05

<ブランドのポジショニング>

先日、ジョルジオ・アルマーニ・ジャパンの招待で、国際フィルムフェスティバル「INVITATION AWARD」に行ってきました。いわゆる映画の授賞式のようなものです。この式典自体も非常に興味深い話題ですが、今回はブランドのポジショニングということで、メインスポンサーであるファッション界の帝王ジョルジオ・アルマーニを例にポジショニングと差別化についてお話ししたいと思います。
さて、この国際フィルムフェスティバルでは、伊勢谷友介さんや宮崎あおいさんら若手の俳優に個人賞が送られ、メインスポンサーであるエンポリオ・アルマーニのスーツやドレスに身を包み会場に登場しました。もちろんTV、新聞、雑誌の関係者が押し掛け、若手俳優とアルマーニというコンセプトが様々なメディアを通じて世に知れることとなりました。華やかな舞台とアルマーニは良く似合います。しかし、それだけでアルマーニがこの式典のメインスポンサーになったようではなさそうです。そこにはアルマーニ・ブランドの確固としたポジショニングがあるのです。

ジョルジオ・アルマーニにとって、「映画」は最強のポジショニングです。彼の才能をイタリア国内から一躍世界に広げた起爆剤は、間違いなくハリウッドでしょう。映画俳優たちが衣装としてマルマー二を着ることがきっかけとなり、俳優も観客も彼の世界観の虜になりました。

「人生は映画であり、私の創る服は衣装だ」

と、本人が言うように、ジョルジオ・アルマーニほど映画と関わりを深めたブランドは、世界を探しても他にないでしょう。そして、そのことが他ブランドとの大きな差別化として役立ち、今日の帝国を築くに至ったと考えられます。これがブランドのポジショニングです。
したがって、先述した国際フィルムフェスティバルで俳優達がアルマーニを着るのも、彼のポジショニングから判断して全く不思議なことではないのです。

<プライシングとポジショニングの違い>

さて、誰にでも分かりやすいファッションブランドを例えにしましたが、このポジショニングの考え方ははBtoB企業でもBtoC企業でも通用する話です。結論から言いますと、非常にシンプルです。いかに他と差別化をするのか、ということです。また、いかに唯一の存在になれるか、ということでもあります。
差別化と言いますと、価格が安いということが他社との差別化になると考える方が多くいます。確かに差別化できますし、低価格戦略がビジネスを短期間で拡大させる有効な方法です。が、それはプライシングであり、ポジショニングとは少し違います。プライシングは変動するものです。しかし、ポジショニングは変動してはならないものです。
例えば、他社が2000円で売っているところ、自社は1000円で売る。一見素晴らしい差別化に見えますが、時間の問題で900円で売る企業が登場します。この時点で差別化は消滅します。では対抗して800円で売りますか?いや、600円まで下げますか?いずれにしろ昔よりも大差はつきません。このような目先の競争に自社ブランドの存在意義を見いだそうとしても、この手の競争は価格限界値、つまり限りなくゼロまで行きます。よほど人気のないマーケットで独占状態であれば別ですが、プライシングによる差別化は時間の問題で必ず崩壊します。したがって、差別化は価格に依存するのではなく、「自らが本来どのような存在になるのか」というポジショニングを考える必要があるのです。

<競争に没頭することをやめ、真の差別化を始める>

「自らが本来どのような存在になるのか」
それは、競合他社との大差のない戦いから一歩抜け出た強力なポジショニングです。ブランドとしての継続的な繁栄を目指した、永遠の差別化です。そのためには、どうしたら良いのか?
いろいろな方法がありますが、まず、今やっている仕事や事業をもう少し高い視点から見てみましょう。そうすることにより、自身の置かれているポジションが客観的に観察できまます。
例えば、あなたがシステム会社を経営しているのであれば、日常は工期や人月、他社との見積の戦いです。しかし、そもそもシステムは何のために存在するのか、を問えば、それは本来ビジネスの効率化のために必要とされるからです。そうであれば、あなたはシステムに詳しいだけでなく、ビジネスにも詳しくなる必要があります。しかも、最先端のビジネスです。国内・海外を含めた幅広いビジネスフィールドの知識です。そして、自身がそのような先進的で総合的なキャパシティがあることを、情報発信を通して顧客層に知ってもらう必要があります。それが本来どのような存在になるべきか、の答えの一つであり、永遠のポジショニングです。
もう一度あなたのシステム会社の現状に戻ってみましょう。いかに、プライシングによる差別化に毎日ストレスを溜めていることでしょう。プライシングは変動します。これは仕方のないことです。ただ、それをブランドとするならば、10年後、20年後はどうなっているのでしょうか。
現在のポジションと、本来なるべき存在のポジションが理解できれば簡単です。あとは、理想のポジションに向かって一歩一歩進むことができます。

先のジョルジオ・アルマーニは今年で73歳です。
彼が言う、「人生は映画であり、私の創る服は衣装だ」という信念は未だ揺らぐことはなく、より一層アルマーニ・ブランドを伝説化しています。そこには、単に高級で着心地の良い服を提供するという物質的な追求だけでなく、彼の服を着た人々が、それぞれの人生を映画の主人公のように生きていく、そのような高い視点があるからに他なりません。独自の普遍的な考えによるアルマーニの大きな成功は、私たちにもポジショニングとブランドの大切さを教えてくれています。

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