BUSINESS REVIEW
ブランドを向上させる独自メディア
宮崎晴人

ハルデザインコンサルティング株式会社
代表取締役社長兼CEO
宮崎 晴人
HARU MIYAZAKI

ブランド戦略コンサルタント。主な専門分野は企業、商品、人材、CSR、IR。「ブランドによる経営課題の解決」がテーマ。米国シアトルの高校卒業後、慶應義塾大学環境情報学部卒業。1999年にハルデザインコンサルティング株式会社を設立。

【ブランドを創る vol.2】
ブランドを向上させる独自メディア

<顧客との接点をつくり、ブランドを向上させる独自メディア>

顧客を増やすには、顧客との接点が必要です。
接点なしには、顧客はつなぎ止めることはできません。売ったら売りっぱなし。買ったら買いっぱなしになってしまいます。毎年顧客が積み上がるこそ、事業は成長ができるのです。そして次第にその接点がブランドとして人々の心に浸透して行きます。

ここで、ブランドについて整理しましょう。
ブランドと一口に言っても、様々な要素が絡み合い、形成されたものがブランドです。そのため、今日のビジネスにおいて、ブランドはまさに事業の発展を左右するものと誰もが認識していながら、何を持ってブランドなのか、どこから手をつけて良いのか、非常に迷う方が多いのも事実です。
実際に色々な論理や研究が現在進行形でなされていますが、一般には以下のようにまとめることができます。

1)コミュニケーション/広告活動
2)ポジショニング/差別化
3)アイテム/商品ラインアップ
4)クオリティ/品質
5)プライシング/価格

<すべてのコミュニケーションは、独自メディアに>

さて、今回のテーマである独自メディアは、1)コミュニケーション/広告活動にあたることがわかります。しかも、メディアとしての情報発信を通して、他社との差別化も行いますので、2)ポジショニングにも関わりが出てきます。
従来のコミュニケーションは、営業マンやパンフレット、オフィシャルホームページ、その他広告媒体への出稿などを中心に行われて来たと思いますが、その全てを一カ所に集積し、ブランドイメージの拠点となるものが独自メディアです。やや大げさに聞こえるかも知れませんが、事実、独自メディアを追求して行くと、最終的にそのようになります。

一つずつ検証しましょう。
まず営業マンです。
今日、ブログは営業マンよりも営業が上手いと言われています。それは、ブログには様々な仕事上の情報、特にオフィシャルサイトには公開していないような細かな情報や時事的な情報を公開でき、それを読んだユーザが向こうから問い合わせて来るからです。何と効率的な営業でしょう!したがって、今日の営業マンは、ブログによってコミュニケーションを促進していると言えます。
独自メディアもブログと似ています。一つ違う点は、ブログは営業マン個人に任せられているため、コンテンツのコントロールがききませんが、独自メディアは会社として情報発信するためブランドイメージをコントロールできます。ブランドつくりの視点からは、イメージが統一されていた方が理想ですので、独自メディアの方が有利と言えるでしょう。
したがって、営業マンが行うコミュニケーションの基本は、独自メディアに集約することができます。

パンフレットやオフィシャルサイトは、独自メディアとリンクでつながることになります。
また、広告媒体も、最終的に自社ホームページに誘導する入口機能ですので、自身がメディアを保有すれば、広告媒体への出稿も次第に必要なくなるでしょう。

このように、すべてのコミュニケーションは、独自メディアにつながります。これが、インターネット時代のコミュニケーションの姿です。インターネットは、電話、ラジオ、テレビに匹敵する発明と言われる理由がここにあります。
インターネットの世界が始まって10年を過ぎましたが、この期間のコミュニケーションは常識を遥かに超えた変貌を遂げたことは、誰もが知っています。今後 5年、10年、20年と進めば、明らかにインターネットがコミュニケーションの中心になることは容易に想像できます。その時、インターネットの世界を支配しているか、いないか。つまり、ユーザが集まるメディアを持っているか、持っていないかが、ビジネスの勝敗を分ける可能性が大いにあるでしょう。そして、そのコミュケーションの基盤であるインターネット上で、ブランドイメージを高めて行くことが、どれほど重要で有意義な戦略か、理解できると思います。

<独自メディアを構築する>

さて、いざ独自メディアを作るとなると、色々考える必要があります。
どのようなテーマが良いのか。コンテンツ内容やテイスト、ボリューム。そして、誰が見るのか。
誰が見るのか、また、どうすれば見られるのかが、最初に考える必要があるでしょう。

まず誰が見るのか、を考えましょう。
初めて独自メディアをつくる場合は、まず自社の顧客で最も多い層をターゲットにするべきです。なぜなら、その層に関して情報をたくさん持っているばかりでなく、その層が顧客になることは、すぐに事業収益の面でもプラスに働くからです。
もう一つは、これから獲得したい層です。この場合は、戦略的にメディアをつくりる必要があり、ターゲットに関して少し勉強が必要になります。
いずれの場合も、最も事業の収益に貢献できる層をターゲットにするべきで、何となくメディアを始めたのでは、それなりの結果しか得られません。メディアを始める場合は、ターゲッティングを含めた周到な戦略が必要です。

誰が見るのか、が決まったら、どうしたら見てもらえるのか、を考える必要があります。
多くの人は、「メディアは情報発信の場」と考えてしまうので、自分が伝えたい情報を発信するのだと、勘違いをしています。このやり方ですと、押し付けがましい広告になってしまい、このようなコンテンツはパンフレットやオフィシャルサイトだけで十分です。
昔から、メディアの原則として、大衆が欲する情報を与える、という考え方があります。欲する情報であればユーザは飛びついて来るからです。したがって、どうしたら見てもらえるかの答えは、ユーザがどんな情報を欲しているのかを解明し、その情報を与えれば、結果として見てもらえることになります。

ターゲットが決まり、そのターゲットが欲する情報が解明できたら、あとはテーマ、コンテンツ、ボユームなどが一気に決定できます。ライターとして誰に依頼するのか。出演者は必要か。CGM(コンシューマ・ジェネテイティッド・メディア)を使うのかなども決まるでしょう。

さて、ユーザがどのような情報を欲しているのかを解明するには、少しマーケティングが必要です。初めてメディアを作る方は、そのようなことを考えたこともないでしょう。次回は、ユーザが欲する情報を解明する具体的な方法についてお話ししたいと思います。

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