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【ブランドを創る vol.1】
ファンの存在がブランド力を創る

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2007/01/05

<売上を伸ばす2つの作戦>

売上を伸ばすにはどうしたら良いのか?
多くのビジネスマンが背負っている課題ですが、その解決策は意外と簡単です。
大勢の営業マンを雇って、広告を大量に利用し、他社よりも安く売れば、売上は飛躍的に伸びます。
これをショック作戦と呼びましょう。世の中にショックを与え、売上を伸ばす方法だからです。
人々はびっくりします。それで、思わず買ってしまうのです。
ただ、ショック作戦は、コストも驚異的にかかります。
したがって、今年はできても、来年は続かないという、一時的な方法になります。この繰り返しこそが、毎年の企業間競争の激化の原因であり、最終的に誰も勝てない泥試合を招きます。おかげで、広告会社と人材派遣会社は大変潤うことになります。

ですから、冒頭の質問は意味がありません。
もう少し長い目で見て、質問をこのように変える必要があります。

売上を"継続的に"伸ばすにはどうしたら良いのか?

「継続的に」です。今年できて、来年できないプランでは自転車操業に陥ります。
継続的にショックを与えることも困難です。
新しい経験だからショックなのであって、毎回ショックを与えられる企業は世界中探してもLVMHグループくらいでしょう。ショック作戦は資金的にも企画的にも、継続的に行うには世界最大級の力が必要です。

では、ショック作戦の逆を行いましょう。浸透作戦です。
毎年徐々に世の中に浸透させ、自社製品のファンを作る作戦です。コストもそれほどかかりません。
ファンができれば、その人々が自社製品の噂を広めてくれます。そして、またファンが増える。
ファンは、ショック作戦で知り合った顧客よりも忠誠心が強いものです。したがって、毎年積み上がります。故に、継続的に売上が伸びる道が開かれます。
継続的に売上を伸ばすには、遅かれ早かれ、ファンを作る必要があるのです。

<ファンがブランドを作る>

継続的に売上を伸ばすには、ファンが必要です。
一過性で浮ついた顧客ではありません。自社のフィロソフィーを良く理解し、製品を喜んで購入してくれる顧客がファンです。自社のブランドを認め、それを広めてくれる人々。それがファンです。
さて、今、「ブランド」という言葉が出ましたが、自社のブランド力とファンの規模は密接な関係があります。

今、自社製品のファンが何人いるのか?
それが、その製品のブランド力です。
ファンが国内に100万人いるのなら、それは結構なブランド力と言えるでしょう。先述したLVMHグループですが、ある日本法人の幹部の方の話では、日本人の約80%の人々が何らかの形でルイヴィトンを始めとするLVMHグループの製品を持っているそうです。想像を絶するファンの規模であり、やはりブランド王者のLVMHと言われることも理解できます。

したがって、ここで簡単な一つの法則ができます。

継続的な売上の向上=ファンの増加=ブランド力の強化

今、ファンがもし少ないのであれば、ブランド力も小さいはずです。そして、きっと売上にも困っているでしょう。
売上に困らないようにするには、ファンを増やすことです。それがブランド力の強化につながり、毎年売上として返って来るでしょう。これを続けて行くことにより、長年の課題は解消への進むはずです。
ブランド力がある企業が経済的な成功をしない例は、世界を探してもほとんどないのです。

では、どのようにしたらファンを増やし、ブランド力を向上できるのでしょうか?

<ファンの作り方とブランド力の向上>

継続的な売上の向上には、ファンの存在が不可欠です。
そして、ファンの規模こそが、ブランド力そのものである、ということもわかりました。
経済的な成功を実現するのであれば、ファンの増加を無視することはできません。

ファンを作るには、ファンとの「接点」が必要です。
この接点がないと、ファンになりたい人や企業と知り合うことができません。
当然の話のようですが、製品開発にこだわるあまりに、意外と見落としがちな盲点なのです。
接点とは、製品を知ってもらう機会、自社のフィロソフィーに共感してもらう場のことです。従来は、コマーシャル、新聞広告、雑誌のタイアップ、また、展示会やイベントなどが接点と捉えられてきました。近年ではネット広告やキーワード広告も含め、いわゆる広告コミュニケーションの接点のことを指します。

しかし、ここで一つ問題があります。
これら従来の広告コミュニケーションは、ショックを与える爆弾としての威力はあるものの、やはり継続的に行うにはコストが非常にかかります。しかし、継続的に行わなければ、先のショック作戦の結末になり、爆弾を落とせば売上が増えて、落とさないと売上が低迷する、抜けるに抜けられない状況に自ら飛び込むことになります。継続的に売上を向上させ、ファンを増やし、ブランド力を向上させる、理想的なスパイラルには乗るには、別の方法が必要です。

良く考えると、テレビ放送局や新聞、雑誌、ネット媒体は、継続的に情報を発信しています。ですから、テレビ局や新聞のブランド力は大いに強化され、今日の企業はそのブランド力に依存して広告を出しています。広告主にとっては、本来、365日24時間広告コミュニケーションができれば、ファンとの接点が確保できますが、それには莫大なコストが必要で、事実上不可能です。広告主は、スポットで広告を出すしか方法がありません。これが従来の常識であり、広告主の弱点なのです。

しかし、たった一つだけ、常識を変える方法があります。
それは、自らが放送局になり、雑誌になり、ネット媒体になることです。
近年、インターネットであれば、それが可能になる環境が整ってきました。
これが自社の独自メディア展開です。
自社がメディア機能を持てば、ファンの増加、ブランド力の向上、引いては継続的な売上の向上へとつながります。
従来の広告コミュニケーションでは、実現不可能であった方法です。
が、今は新しいテクノロジーによって、その道が開かれています。

一過性のコミュニケーションでは、売上も一過性です。
継続的な成功を実現するには、どうしても継続的なコミュニケーションが不可欠であり、365日24時間のファンとの接点が必要です。幸運なことに、インターネットを使えば独自メディアを展開し、継続的にファンを増やすことができ、これが現在考えられる最も理想的な方法だと言えます。

次回は、この独自メディアでどのようにファンを獲得し、ブランド向上を進めるのかを取り上げたいと思います。

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