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Googleが投資する、次世代エンジェル投資プラットフォームAngelList

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2013/12/26

ベンチャーキャピタル(VC)の仕事がなくなるかも知れません。
AngelListは、2010年にサンフランシスコを拠点としてスタート。これまでに約24億円を調達し、その中にはGoogle Venturesも参加しています。Googleが投資するからには、余程、独創的なベンチャー企業のはずです。実際に、その通りです。AngelListは、従来のベンチャー投資のルールを根底から覆すようなサービスを提供しています。

これまで、ベンチャー投資のスタート段階では「エンジェル」と呼ばれる個人投資家が、知り合いベースで投資していました。なぜ、知り合いベースなのか?それは、ベンチャー企業が不特定多数のエンジェルを募集する行為が、違法だからです。しかし、先のJOB Act法によってベンチャー投資におけるエクイティー・クラウドファンディングが事実上『解禁』になるため、AngelListは、エンジェルと起業家が出会うプラットフォームを作り、そこで自由に出資できるような仕組みを提供しています。

AngelListのサービスは、簡単に言うと、どんなものなのか。
エンジェルと起業家がSNSを通して出会い、お互いの条件が良ければ出資を行えるサービスです。したがって、サイトは、SNS機能とエクイティー・クラウドファンディング機能、両方持ち合わせています。

SNS機能では、まずエンジェルと起業家、双方が、プロフィールを公開できるようになっています。ただ、普通のSNSと違い、単なる自己紹介情報だけではありません。エンジェル側は、過去にどのような企業に投資をしてきたか、経歴を公開します。一方、起業家側は、過去にどのような投資家が出資して来たか、株主リストを公開しています。

このような情報をワンストップで知る事は、従来のベンチャー投資ではありえなかった事です。
しかし、こうする事で新たな動きが生まれます。例えば、既に有名なエンジェルが投資している企業は、それなりの経験によって選別された投資先のはずで、同じ企業に投資する事で成功の確率が高くなります。逆に言えば、ベンチャー企業側は、有名なエンジェルからの投資を勝ち取る事で、他の投資家の出資も勝ち取れることになり、大きな資金調達を目指す場合は、この方法が有効です。

また、有名なエンジェルが、あるベンチャー企業に投資したい時に、企業側の資金調達目標に近づけるために、他のエンジェルを誘う『シンジケート』と呼ばれるサービスも提供しています。これは、有名なエンジェルその人が、ファンドレイズのラウンドをリードする役目を果たすということです。他のエンジェル達は、この有名なエンジェルがリードするラウンドに参加するかどうかを判断して、このシンジケートに乗るかどうかを決めます。つまり、エンジェルにとって、この場合、投資先は個別のベンチャー企業ではなく、有名なエンジェルが主導するシンジケートになる訳です。

このような動きは、もともと実社会のベンチャー投資でも、同じ事が起きていました。
Google Ventureなど、有名なVCの投資先企業は社会的信用も勝ち取り、他のVCが投資に乗りやすくなります。また、この動きがさらに進むと、投資を主導するVCが他のVCを説得し、共同で出資するシンジケート投資も行われます。
これらの情報はVC業界の中だけで知られて来た、いわゆる内部情報です。しかし、AngelListでは、すべて情報が公開されているので、リアルタイムに知る事ができます。つまり、VC業界の『企業秘密』が、公開され始めているのです。

また、AngelListのシンジケート機能が充実して来ると、ベンチャーキャピタルそのものの役割と似て来ます。VCは、ファンドへの拠出者を募り、そのファンド資金をテコにベンチャー投資を行います。同じように、シンジケートも、そのシンジケートへの協力者を募り、集めた資金をテコにベンチャー投資を行います。やっていることは、全く同じです。

さらに、VCの場合、ファンドへの拠出者は、マネジメント費用として年間2.5%を支払うルールですが、AngelListの場合は無料です。ある意味、既存のVCの多くはマネジメント費用で運営している面がありますので、AngelListの無料ルールは、業界にしてみれば破壊的な挑戦です。

VCの企業秘密は公開され、手数料は無料化される。
AngelListの動きは、ベンチャー投資のルールを大きく変えようとしています。

AngelList
https://angel.co/

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