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海外送金のクラウドソーシング、TransferWise

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2013/08/27

ITベンチャーは、シリコンバレーの専売特許ではなくなりそうです。
イギリス・ロンドンに有望なスタートアップ企業があります。Skype創業時に最初の社員だったTaveet Hinrikus氏が立ち上げたTransferWise社です。昨年、PayPalの共同創業者Max Levchina氏らから1.3億円の資金調達を行い、さらに今年6億円の調達を行う予定です。現在の社員数は30名、今年中に50名まで引き上げる計画です。

この会社の事業は、海外送金です。
海外送金と言うと、為替取引が絡みますから、通常は銀行の仕事という印象です。しかし、Skypeの創業に携わったTaveet Hinrikus氏は、クラウドソーシングを使えば、Skypeが高い国際通話料金の壁を破ったように、高額な海外送金手数料の壁を破れるのではないか、と考えたのです。

そのアイディアの起点となったのは、現在の共同経営者であるKristo Kaarman氏との出会いです。

当時、Taveet Hinrikus氏は、出身地のエストニアからロンドンに移住しましたが、エストニアの銀行にあったクローネ預金をロンドンの銀行に£預金として移動させる必要がありました。しかし、その海外送金手数料は5%にも上り、大きな不満を抱いていました。
そこに、逆の悩みを持つKristo Kaarman氏がいました。彼は反対に、ロンドンの£預金をエストニアのクローネ預金に送金する必要があり、同じように高額な海外送金手数料に悩んでいたのです。

そこで二人は話し合い、二人の預金がある場所を有効活用し、お互いが支払いを肩代わりする事に合意すれば、預金を動かさず送金手数料を回避できることに気がつきました。そして、もし、この仕組みを世界中の人達でシェアできるなら、既存の海外送金の概念を大きく変えるのではないかと、アイディアを発展して行ったのです。そして、英国金融庁から正式に許可を取得し、クラウドソーシング海外送金事業を開始したのです。

実際にTransferWiseを使うと、海外送金時にどの程度節約できるかと言うと、例えば1,000£をHSBCなど大手行経由で海外送金すると55ユーロ程度取られるのに対して、TransferWiseだとたったの5ユーロで済みます。およそ10分の1の費用です。
現在は、ヨーロッパ圏の各通貨と、アメリカドルが加わった取扱範囲ですが、今年中にさらに10通貨加わる予定であり、いずれは日本円も取引可能になりそうです。

2013年現在までの、TransferWiseの取引総額は150億円。数ヶ月前の取引総額が75億円だったことを考えると、今年に入って成長が加速していることが分かります。
この急成長を支えるには、さらなる資金調達が必要なことから、今年中にValar Venturesや、PayPalの共同創業者Peter Thiel氏から6億円を調達する予定です。

将来、Skypeと並ぶような世界的なITベンチャーとなるか、今後の勢いが楽しみです。

TransferWise
http://transferwise.com/

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