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【IT時代のブランド戦略 vol.07】
ファストファッション・ランジェリー"AdoreMe"

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筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2013/07/30

アメリカで、新しいランジェリーブランドが急成長を遂げています。
ニューヨークに拠点を置くAdoreMe.com。2012年にスタートしたこの女性下着ブランドは、毎月140%から150%の勢いでネット会員を伸ばし、先日850万ドル(約8.5億円)の資金調達に成功しました。価格面では、ランジェリー市場大手のVictoria's Secretを明確にベンチマークにした、低価格が売りの下着ブランド。Eコマースにこだわった販路で、新しい需要を掘り起こす計画です。

AdoreMeの最大の武器は、その価格設定。
$39.95(約4,000円)が中心価格ですが、これで女性下着のワンセットが揃ってしまいます。もちろん、安い下着はいくらでもインターネット上で売られていますが、AdoreMeが他の下着と大きく違う点は、そのブランド作りがVictoria's Secretにソックリだと言うことです。
オリジナルなデザインは、独自の専門デザイナーによる商品開発から生まれ、全ての商品ラインアップは、実際に所属モデルが着て撮影されています。サイトのレイアウトや色使い、操作性もVictoria's Secretを意識しており、有名ファッション誌への露出方法も同じです。

ここまでVictoria's Secretに似ているのに、AdoreMeの価格設定は半額近くです。
Victoria's Secretでは、ブラジャーだけで$48から$62。AdoreMeでセットが揃う価格でも、Victoria's Secretでは何も買えないことになります。
もちろん、厳密に2つのブランドを比較すると、スーパーモデルを起用しているVictoria's Secretと、無名のAdoreMeの専属モデルとでは、レベルが大きく違います。撮影も含めたクリエイティブの出来映えも、プロでなくともその差は見て分かる程度です。

しかし、低価格を求める顧客は、必ず世の中に存在します。
50億ドル(約5,000億円)の売上を誇るVictoria's Secretの顧客の中にも、もっと安ければ良いのに、と思って購入している人も少なからずいるでしょう。仮に、控えめに考えて、そのような顧客が1%いるとしたら、AdoreMeにとっては50億円の売上が約束されることになります。非常に分かりやすいビジネスモデルです。

AdoreMeに課題があるとしたら、商品の品質と低価格を継続的に維持できるか、という点です。
見た目はVictoria's Secretと似てても、実際に使用してみて品質に大きな乖離があれば、やはり、安かろう悪かろうというブランドイメージが広がり、その下着を付けていることに対してマイナスな印象を与えます。
また、材料の高騰や為替変動をくぐり抜け、引き続き低価格を維持するには、特別なサプライチェーンが必要です。

とは言え、昨今のファストファッションブームの中で、下着カテゴリーだけ取り残されて来た経緯を見ると、まだまだ伸びしろはありそうです。
Victoria's Secretに似ているAdoreMeで買物することが、消費者にとって『賢い選択』であると思わせることが出来るならば、AdoreMeは大きな成功を掴むと言えるでしょう。

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