ホーム > Webビジネス戦略レビュー > 【IT時代のブランド戦略 vol.06】 H&MとユニクロはUS市場を取れるか

Webビジネス戦略レビュー

WEB BUISINESS STRATEGY REVIEW


【IT時代のブランド戦略 vol.06】
H&MとユニクロはUS市場を取れるか

Google+
筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2013/07/18

毎年2.5%成長を続ける、アメリカのアパレル市場。
ヨーロッパと日本のファストファッションの代表格、H&Mとユニクロは、そこに野心的な成長戦略を描いています。現在、米国内で269店舗を展開するH&Mは、毎年40店舗を新規オープンし、先行するフォーエバー21(500店舗)や、エクスプレス(600店舗)に追いつく計画を掲げています。一方、アジアの巨人と言われるユニクロの米国内店舗は7店舗。しかし、2020年までに10億ドル(約1兆円)の売上を目指す計画です。

新しいマーケットでシェアを拡大して行くには、その会社のブランド戦略がモノを言います。
フォーブス電子版では、このH&Mとユニクロの挑戦を、かつて米国で起きた自動車業界のブランド競争に例えて解説しています。
http://www.forbes.com/sites/gregpetro/2013/05/09/is-there-room-in-america-for-hm-and-uniqlo/

アメリカの消費者は、平均的な品質を好みます。
豪華さやファッション性と言うよりは、機能性を重視します。この現象は自動車業界でも、アパレル業界でも、同じことであるとフォーブス電子版では解説しており、このアメリカ人の好みを理解した者だけが、US市場を制することができると述べています。

例えば、アメリカの自動車業界は、大きく分けて3つのブランドのポジショニングで成り立っています。

まず、アメリカ車のブランドは、平均的な機能、平均的な品質、平均的な価格。際立った特徴がないように感じられるこのブランドイメージも、アメリカの消費者に対しては最も効果的であることから、アメリカの自動車メーカーは今でもこのポジションを取っています。近年の日本の輸入車におけるアメリカ車のシェアは5%程度に留まっており、明らかに日本の消費者とアメリカの消費者では、好みが大きく違うことが分かります。

次に、日本車のブランドは、高品質で壊れにくく、高性能、低燃費による高い経済性を特徴にしています。これは、従来の車の常識を根底から覆すブランドイメージとなり、エコ好きなアメリカ消費者の心を掴むことになりました。

そして、3つ目のブランドは、ヨーロッパ車です。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの各メーカー車に見られるように、欧州車は、アメリカ車にも、日本車にもない、スペシャリティカーを生産しています。デザイン性が高く、ファッショナブルで高級な車は、ビジネス大国アメリカにおける成功のステイタスとして、ファンが増えることになりました。

このように、US市場の自動車業界を見てみると、「平均主義」「品質主義」「デザイン主義」の3つのポジショニングで構成されています。
アメリカの消費者の好みが同様な動きをするのであれば、今後のUSアパレル業界は、似たようなポジション構成で発展する可能性が高いと、先のフォーブス電子版で考察されています。

そうすると、GAPや、フォーエバー21、アバクロなど、従来のアメリカ発ファストファッションブランドは「平均主義」に。高性能素材に強みを持つユニクロは、かつての日本車メーカーのように「品質主義」のポジションを取り、H&Mは欧州車と同様な「デザイン主義」を掲げることになります。先の考察の通り、いつの時代もUS市場にはこの3つのポジションが共存するのであれば、ユニクロの挑戦も、H&Mの拡大も、大いに勝算があると言えます。

一つ問題があるとしたら、各社の野心的な成長計画が、USアパレル市場の成長予測よりも高いことです。仮に、US市場には空いているポジションがあるとしても、数字的には激しい競争は避けられそうにないと言えそうです。

READ MORE

美白生活 2015年10月オープン あなたのシミのお悩み解決します。

MEMBERSHIP

Webビジネス戦略レビュー会員

メールアドレスをご登録いただくと、最新のWebビジネス戦略レビューをメールでお知らせするサービスです。

お名前

メールアドレス

MOST VIEWED

【経営課題とブランド戦略vol.2】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(前編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.02】
スターバックスのブランド戦略がこれからも勝ち続ける理由

【ブランド戦略の威力 vol.14】
H&Mのブランド戦略

【経営課題とブランド戦略 vol.3】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(後編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.05】
日本酒「獺祭(だっさい)」のブランド戦略

【ブランド戦略の威力 vol.11】
なぜスターバックスは減速し始めたのか

【経営課題とブランド戦略 vol.6】
後発企業でも勝てるポジショニング戦略

30兆円の巨大市場、米国住宅リフォーム業界を狙う「Houzz」

【IT時代のブランド戦略 vol.06】
H&MとユニクロはUS市場を取れるか

実物の法律書類をオープンソースにしてしまう、法律業界の革命児Docracy

INDEX

教育・研究機関

公的機関

ファッション業界

フード業界

旅行業界

自動車業界

IT・家電業界

ネット業界

金融業界

健康・スポーツ業界

医療

海外事例

Webビジネス戦略理論

ブランド戦略理論

Keywords

ブランド戦略用語解説

▲ページトップへ