ホーム > Webビジネス戦略レビュー > 【IT時代のブランド戦略 vol.04】 サントリー上場で加速するグローバル戦略

Webビジネス戦略レビュー

WEB BUISINESS STRATEGY REVIEW


【IT時代のブランド戦略 vol.04】
サントリー上場で加速するグローバル戦略

Google+
筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2013/06/18

来月7月にサントリーHDの中核子会社、サントリー食品が上場します。
日本の人口減少で国内市場が縮小する中、上場で調達する資金をテコに、グローバル戦略を加速させる計画です。調達金額は5000億円近く、公開時の時価総額は1兆円を超えると予想されています。サントリーにとって、2010年のキリンとの合併が破談になって以来の大きなイベントですが、3年の準備期間を経て、サントリーが選んだ戦略は独自路線の拡大です。

アルコール離れで酒類販売に明るい未来が見えない中、ビール・飲料メーカー各社は、頼みの綱として清涼飲料市場を狙っています。
昨年のアサヒグループHDは、味の素からカルピスを買収し、飲料部門の売上を大きく伸ばしました。しかし一方で、酒類部門は減少、食品部門は現状維持となっており、今後も飲料部門が業績拡大の牽引役になることが予想されます。
サントリーも、従来はワイナリーなど酒類部門の買収が多かったものの、2008年にニュージーランドのフルコアグループを買収。続いて2009年に、フランスのオレンジーナ・シュエップス・グループを買収と、清涼飲料メーカーの買収にシフトして来ました。2社の合計として3760億円が投じられ、売上として1700億円が増加分となり、母体の54%が飲料部門の売上となっています。

サントリーの買収戦略の特徴は、その地域のマーケットリーダー的な会社を狙って行くところです。
フルコアグループはニュージーランドで業界2位、オーストラリアでも拡大しており、アジアパシフィック地域でのブランド拡大が狙えるポジションにいます。また、オレンジーナ・シュエップス・グループは、ヨーロッパを中心に世界60ヵ国で流通する有名ブランドです。他にも、タイ国内の飲料市場トップシェアのティプコF&B社へ資本参加、インドネシアの食品飲料会社ガルーダフードグループとの合弁会社など、グローバル戦略に力を入れています。

こうして見ると、サントリーのグローバル戦略の意図が徐々に見えて来ます。
要するに、買収先の飲料メーカーは、サントリーにとって新しい『コンテンツ』であると言えます。長年かけて育てた、山崎や響、白州などのブランドが、サントリー独自の『コンテンツ』であり、現在はヨーロッパを中心に高い評価を得ていますが、清涼飲料ブランドにおいても同じプロセスを踏むとなると、相当な時間が必要となります。また、ブランドだけでなく、各国でのディストリビューション・チャネルも同時に構築するのであれば、買収することが最も効率的な経営判断となります。

各国で新しい『コンテンツ』を手に入れたサントリーは、同時に手に入れた各国のディストリビューション・チャネルを活かし、買収した様々な『コンテンツ』を流し込むことが可能になります。つまり、ブランド・ポートフォリの中で、他の市場から持って来た『コンテンツ』を新市場へ投入できることになり、これを突き進めると世界規模のディストリビューション・チャネルと、世界的に有名な飲料ブランドを保有する存在となるのです。これが、サントリーが描くグローバル戦略の将来像と言えるでしょう。

既に、ブルームバーグの報道によると、イギリスの飲料メーカーであるルコゼード社とリベナ社が、買収対象になるのではないかとの見解が出ています。これまでの海外買収が成功しているサントリー。今後のグローバル戦略にも期待が寄せられます。

READ MORE

美白生活 2015年10月オープン あなたのシミのお悩み解決します。

MEMBERSHIP

Webビジネス戦略レビュー会員

メールアドレスをご登録いただくと、最新のWebビジネス戦略レビューをメールでお知らせするサービスです。

お名前

メールアドレス

MOST VIEWED

【経営課題とブランド戦略vol.2】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(前編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.02】
スターバックスのブランド戦略がこれからも勝ち続ける理由

【ブランド戦略の威力 vol.14】
H&Mのブランド戦略

【経営課題とブランド戦略 vol.3】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(後編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.05】
日本酒「獺祭(だっさい)」のブランド戦略

【ブランド戦略の威力 vol.11】
なぜスターバックスは減速し始めたのか

【経営課題とブランド戦略 vol.6】
後発企業でも勝てるポジショニング戦略

30兆円の巨大市場、米国住宅リフォーム業界を狙う「Houzz」

【IT時代のブランド戦略 vol.06】
H&MとユニクロはUS市場を取れるか

実物の法律書類をオープンソースにしてしまう、法律業界の革命児Docracy

INDEX

教育・研究機関

公的機関

ファッション業界

フード業界

旅行業界

自動車業界

IT・家電業界

ネット業界

金融業界

健康・スポーツ業界

医療

海外事例

Webビジネス戦略理論

ブランド戦略理論

Keywords

ブランド戦略用語解説

▲ページトップへ