ホーム > Webビジネス戦略レビュー > 【IT時代のブランド戦略 vol.03】 iWatchでアップルは最強のブランド力を証明できるか

Webビジネス戦略レビュー

WEB BUISINESS STRATEGY REVIEW


【IT時代のブランド戦略 vol.03】
iWatchでアップルは最強のブランド力を証明できるか

Google+
筆者近影

宮崎 晴人(ハルデザインコンサルティング株式会社 取締役会長)

2013/06/05

アップルの株価が、米ナスダックでようやく下げ止まろうとしています。
昨年は、世界一の時価総額を誇ったアップル。2012年9月の1株700ドル越えを境に、実に40%も下落し、現在は450ドル近辺で落ち着きを取り戻しています。
そのきっかけの一つは、ティム・クックCEOが繰り返し、アップルの革新的な創造力の健在ぶりを強調し、今後も世界を驚かす画期的な製品を送り出すことを約束しているからです。先日のAll Things Digital Conference (D11)では、ユーザーが身につけられる新しいデバイスに興味があることを表明し、以前から噂になっている「iWatch」登場の可能性を示唆しました。

アップルが行うブランド戦略のポジショニングは、プロダクトリーダーシップです。
プロダクトリーダーシップとは、その名の通り、革新的な製品を生み出すことで熱狂的なファンを増やす、製品主導型のポジショニングです。プロダクトリーダーシップの企業は、製品を通して、世界を変えようと試みます。例えば、iPod+iTunesは音楽のライフスタイルを変え、iPadはPCの世界を、iPhoneは携帯電話の世界を変えました。

しかし、ここに来て、アップルのプロダクトリーダーシップが、今後も続くのか不安に思う人が出て来ました。
昨年9月に株価が下落し始めた時期は、ちょうどiPhone5が発売された時と重なります。iPhone4SからiPhone5への移行は、スペック向上による通常の進化であって、これまでのようなアップルらしい革新的進化とは言えませんでした。加えて、間違いだらけの地図情報で、ティム・クックCEOが釈明する事態となり、製品完成度を追求するプロダクトリーダーシップのポジショニングは大きく揺らぎ、株価も一気に下降トレンドを描くことになりました。

このような状況の中で、アップルは再度、プロダクトリーダーシップのポジショニングが取れることを証明する必要が出て来ています。誰よりも早く、革新的な製品を世に送り出すブランド。iWatchが噂されるようになったのは、アップルがiPhoneやiPadに続く斬新な製品を生み出し、再びプロダクトリーダーシップのポジションを取ることを願う、ファンの気持ちの表れに他なりません。そして、これがiWatchなのか、それとも他の製品なのかは不明ですが、人々のライフスタイルを驚くほど変えてしまうような製品を、アップルは必ず送り出すでしょう。

そして、iWatchですが、どうやら単なるスマートウォッチに留まらないようです。
むしろiBandと呼ぶ方がふさわしいような、手首に巻き付ける端末機器ではないか、との観測があります。スマートフォンのおかげで、時計をしない人が増えていますので、ここでまた時計にこだわる理由はありません。また、iPhoneやiPadに続くような戦略的な製品であれば、販売価格が3万円から5万円となり、とても時計の代替品としては高価な代物になります。したがって、手首に巻くのでウォッチと呼ばれていますが、その性能はiPhoneやiPadと同レベルの端末であることが予想できます。

いずれにしても、スマートフォン市場はサムスンが台頭するなど、コモディティ化の兆しが見えて来ており、このままこの市場で戦うメリットはアップルにはありません。この市場はもはや、低価格志向の効率主義的な企業が戦う場所になりつつあり、製品主義のアップルにとっては、独創的な新たな市場を作り出した方が儲かりますし、また、それが元来得意なはずです。

プロダクトリーダーシップのブランド力を証明するために、今この瞬間、アップルが驚くような次世代端末を開発していることは、ほぼ間違いないでしょう。

READ MORE

美白生活 2015年10月オープン あなたのシミのお悩み解決します。

MEMBERSHIP

Webビジネス戦略レビュー会員

メールアドレスをご登録いただくと、最新のWebビジネス戦略レビューをメールでお知らせするサービスです。

お名前

メールアドレス

MOST VIEWED

【経営課題とブランド戦略vol.2】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(前編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.02】
スターバックスのブランド戦略がこれからも勝ち続ける理由

【ブランド戦略の威力 vol.14】
H&Mのブランド戦略

【経営課題とブランド戦略 vol.3】
ルイ・ヴィトンのブランド戦略に学ぶ(後編)- 商品の価値を高めるには -

【IT時代のブランド戦略 vol.05】
日本酒「獺祭(だっさい)」のブランド戦略

【ブランド戦略の威力 vol.11】
なぜスターバックスは減速し始めたのか

【経営課題とブランド戦略 vol.6】
後発企業でも勝てるポジショニング戦略

30兆円の巨大市場、米国住宅リフォーム業界を狙う「Houzz」

【IT時代のブランド戦略 vol.06】
H&MとユニクロはUS市場を取れるか

実物の法律書類をオープンソースにしてしまう、法律業界の革命児Docracy

INDEX

教育・研究機関

公的機関

ファッション業界

フード業界

旅行業界

自動車業界

IT・家電業界

ネット業界

金融業界

健康・スポーツ業界

医療

海外事例

Webビジネス戦略理論

ブランド戦略理論

Keywords

ブランド戦略用語解説

▲ページトップへ